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「お前は用済み」と追放されたけど、俺のことが大好きな幼馴染も一緒に抜けたせいで元パーティの戦力が崩壊した件  作者: 荒火鬼 勝利


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第209話 空からの襲撃者


「いつの間にかこんな高さまで来てたのか……」

 霊樹の枝に出たユークたちは、見渡す限り広がる緑の海に思わず息をのんだ。


 枝葉は雲を突き抜けるほどの高さにあり、地上は遠く霞んで見える。


「……ここから落ちたらひとたまりもないわね」

 アウリンが青ざめた顔で下を見下ろし、肩をすくめた。


「見て! 枝の上に道が続いてる!」

 セリスは恐怖よりも興味が勝っているのか、目を輝かせながら前方を指さした。


 確かに、枝と枝が重なり合い、まるで橋のような自然の通路を作っている。


「……あそこから進めそうだな」

 ユークが顎に手を当てる。


「でも、下は空だし……戦闘になったら気をつけないといけないわね……」

 ヴィヴィアンは険しい顔で枝先を見据えた。


「今度は一体どんなモンスターが出てくるのかしら……」

 アウリンは不安そうな表情で瞳を揺らす。


「二十階層に入ってから、これまでに八体のモンスターを確認済み。となるとボスを除けばあと一体は未確認のモンスターが居るはずじゃな」

 テルルは指を折って数えながら、冷静に分析を述べた。


「……だったら、最後の一体は分かるよ」

 ユークが静かに答える。


「むっ? ユークは何か心当たりがあるのか?」

 テルルが眉を寄せ、興味深そうにユークを見つめる。


 視線の先で、ユークはわずかに瞳を伏せ、そして決意を込めるように顔を上げた。


「うん。最後の一体はストームバード。一緒に戦ったことのあるモンスターだ……」


 ストームバード。霊樹の精霊の依り代として共に戦い、精霊のところから移動するために何度も送り迎えをしてくれていた存在でもあった。


「でもこれだけ葉っぱに囲まれていると、どこから攻撃がくるか分からなくて怖いわね……」

 ヴィヴィアンが不安そうなこえで周囲を見回した。


「う〜ん。あ! あのスキルなら使えるかもしれない!」

 セリスは少し考えた後に疑似EXスキルを発動する。


「『ホークアイ』!」

 セリスの目に魔力が集中し、生物の姿が鮮明に見えるようになる。


だが。


「っ!? みんな! 伏せてっ!」

 セリスが鋭く叫び、ユークたちはとっさにに枝に身を伏せる。


「クュェエエエエエ!!!」

 伏せた頭の上スレスレを、空気を裂くような音と共にストームバードの鋭い爪が通り過ぎた。その風圧で、周囲の枝葉が一瞬で千切れる。


「くそっ! こんな近くまで来てたのか!」

 ユークは身を起こしながら、悔しげに舌打ちする。


「まだいる! もう一体!」

 セリスが警告をしながら走り出し、魔槍を振るう。


「クエエ!?」

 霊樹の大きな葉に紛れて、不意打ちを仕掛けてきた二体目のストームバードの攻撃がセリスに阻まれ、驚いた様子でそのまま離脱する。


「逃さない――『フォースジャベリン』!」

 セリスが逃げるストームバードに疑似EXスキルで攻撃するが、素早い動きで避けられてしまう。


「くっ……ごめん、外した!」

 セリスは、悔しさに奥歯を噛みしめながら叫んだ。


「一撃離脱戦法とは、厄介な戦術を取ってくれるわね……」

 アウリンは難しい表情で吐き捨てる。


「みんな、怪我は!?」

 ユークが仲間たちを見回して確認する。


「大丈夫よ〜」

「問題ない」

「大丈夫じゃ!」

 仲間たちが次々と声を出す。今の攻撃で負傷した者はいなかったようでユークはホッと息をつく。


 そんなユークたちの様子を、はるか上空から悠々と眺めるものがいた。


 空色の広大な翼を広げた猛禽のような魔物が二体。

 鋭い嘴と硬質な鉤爪を備えたストームバードだ。


 次はどのような攻撃を仕掛けるか、敵意と憎しみに染まった彼らの目は、まるで血のように真っ赤に染まっていた。


「セリス、そのスキルでストームバードが今どこにいるかわからない?」

 ユークがセリスに問いかける。


「ごめん、範囲外に逃げられちゃったみたい……」

 セリスは息を切らし、槍を固く握りしめながら申し訳なさそうに告げる。


「そっか……なら仕方ない。みんな、ストームバードの不意打ちを警戒しながら進もう!」

 ユークが鼓舞するように言って仲間たちは 各々が頷いた。


 ユークたちは枝の上を進んで行く、だが周囲を緑の葉で覆われた状態で、ストームバードの不意打ちを警戒しながら進むため、なかなか距離を稼ぐことが出来なかった。


「また来るよっ! 上から二体!」

 セリスが大声で叫び、武器を構える。


 ユークも即座に短い詠唱を始めるが、詠唱を終えるよりも早く、ストームバードは滑空してくる。


(くそっ、早すぎる! 魔法の準備が間に合わない……!)


「《インヴィンシブルシールド》!!」

 咄嗟にヴィヴィアンが半透明の盾をいくつも展開するが。


 ストームバードの爪は、まるで薄い紙を破るようにそれを粉砕し、ユークの眼前に迫る。


「っ!」

 咄嗟に腕をクロスさせるが、そんなことで攻撃が防げるわけがないことはユークも分かっていた。


(ヤバい……!やられるっ!)

 迫る爪がスローモーションになり、心臓が締め付けられ、全身が総毛立つ。


「ユークっ!!!」

 その瞬間、セリスがユークと爪の間に割り込んだ。


「ぐっ……ぅううう!」

 金属同士が激しくぶつかり合うような音が響き、セリスはこらえきれずに吹き飛ばされ、ゴロゴロと枝の上を転がっていく。


「セリスっ!」

 ユークの張り裂けんばかりの声が響き渡る。


 セリスは転がった場所でうめき、必死に体勢を立て直そうとするが、腕の骨が折れたかのようにしびれて動かせない。


「くそっ!!!!」

 ユークは、魔法の発動に間に合わなかった悔しさと、仲間の負傷への焦りから、唇を噛み締めていた。


◆◆◆


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ユーク(LV.44)

性別:男

ジョブ:強化術士

スキル:リインフォース(パーティーメンバー全員の全能力を10%アップ)

EXスキル:≪リミット・ブレイカー≫

備考:なんとか……なんとかしないと……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

セリス(LV.42)

性別:女

ジョブ:槍術士

スキル:槍の才(槍の基本技術を習得し、槍の才能をわずかに向上させる)

EXスキル:≪タクティカルサイト≫

EXスキル2:≪ブーステッドギア≫

備考:前、一緒に戦った時より……格段に強くなっている……!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アウリン(LV.43)

性別:女

ジョブ:炎術士

スキル:炎威力上昇(炎熱系魔法の威力をわずかに向上させる)

EXスキル:≪イグニス・レギス・ソリス≫

EXスキル2:≪コンセントレイション≫

備考:詠唱が間に合わなかったわ……。いや、間に合ってもあの速さを捉えられたかどうか……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ヴィヴィアン(LV.42)

性別:女

ジョブ:騎士

スキル:騎士の才(剣と盾の才能を向上させる)

EXスキル:≪ドミネイトアーマー≫

EXスキル2:≪インヴィンシブルシールド≫

備考:インヴィンシブルシールドが……!? まさか、こんなに容易く砕かれるなんて……!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

テルル(LV.37)

性別:男(女)

ジョブ:氷術士

スキル:≪アイスアロー≫(使用不能)

EXスキル:氷威力上昇

備考:もう一体の狙いがワシで良かった。腕を失おうと、再生できるのはワシだけだからの……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アズリア(LV.30)

性別:女

ジョブ:剣士

スキル:剣の才(剣の才能をわずかに向上させる)

EXスキル:≪ストライクエッジ≫

備考:これでは……私ではもはや、何が起きているのか理解すらできない……

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