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「お前は用済み」と追放されたけど、俺のことが大好きな幼馴染も一緒に抜けたせいで元パーティの戦力が崩壊した件  作者: 荒火鬼 勝利


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第201話 作戦会議への招集


 屋敷の一角、磨かれた木の机の上には、大小さまざまな魔道具が並べられていた。


「これなんか使えそうじゃない?」

 アウリンが小さな魔道具を手に取り、使い方が書かれた紙をひらひらと振って隣のヴィヴィアンに見せる。


「うん、それはいいかもしれないわね~」

 ヴィヴィアンはのんびりとした声でうなずき、アウリンから魔道具を受け取った。


 ユークも手元の品をいくつか確かめ、セリスと相談する。


「これとかどう? たくさん運べるみたい」

 セリスが指さしたのは、タイヤのない浮遊リヤカー。


「へえ……すごい。これなら階段も楽に登れるみたいだ」

 ユークは説明書を読みながら感心する。


「いいね。それも使わせてもらおう」


 やがて選定が終わると、机の上はすっかり片付き、必要な魔道具だけが手元に残った。


 その時、奥から軽やかな足音が近づき、扉が開かれる。


 紫の髪が光を受けてきらめき、紫のドレスに白衣を羽織ったエウレが姿を現した。後ろには控えのメイドが従い、整った仕草で机の上を整理する。


「選び終わったようだね」

 エウレは柔らかな微笑を浮かべ、ユークたちの手にある魔道具を一つひとつ確かめた。


「ありがとうございます、助かりました」

 ユークが頭を下げると、エウレは軽くうなずき、窓の外へ視線を向ける。


「では私は、ギルドに向かうとするよ。すまないが……」


「はい。ギルドまで一緒に行きましょう。今の街は危険ですから」

 ユークは即座に応じた。


 こうして一行はエウレとメイドを伴い、屋敷を出てギルドへ向かう。


 外は相変わらず荒れており、通りのあちこちで騒ぎが起き、ギルドガードが走り回っていた。


「まさか、この街がこんなことになるとはね……」

 エウレはため息をもらす。


「危険ですから、俺たちのそばを離れないでくださいね」

 ユークたちは自然と護衛の陣を取り、彼女らを囲みながら歩を進めた。


 やがてギルドの前に到着する。

 エウレは足を止め、ユークたちに視線を向けた。


「ありがとう。ここまでで大丈夫だ」

 そう言って、彼女は微笑む。


「いえ、お役に立てて良かったです」

 ユークは軽く頭を下げ、ギルドへ入っていくエウレの背を見送った。


「ここで二手に分かれて買い物を済ませましょう。準備はできているわね?」

 アウリンが落ち着いた声で告げると、皆は力強くうなずき、それぞれ街の喧噪へ散っていった。


 ――市場。

 アウリン、ヴィヴィアン、そしてテルルは雑多な屋台を縫うように進み、食料や消耗品を素早く揃えていく。


 アウリンが真剣に品を吟味する傍ら、ヴィヴィアンは「これも美味しそう!」と笑顔を見せ、周囲を和ませた。



 一方のユークとセリスは、浮遊リヤカーを引きながら武具屋を回る。


 ユークは店主と交渉してヴィヴィアン用の予備の盾を手に入れ、セリスは新しい槍を手に取り、その感触をじっと確かめていた。



 気づけば一時間が過ぎ、両チームは再びギルド前に集う。


 ギルドの建物は、今までにないほどの人だかりで埋め尽くされていた。


 探索者たちの張り詰めた表情が並び、大通りにまで人の波があふれている。


 まるで街中の冒険者が集まったかのようだった。


 その中で、ユークの目がふと止まる。

 見知った姿――ラピスのパーティーだった。


「ユークさん! まだ街にいたんですか!?」

 ラピスは驚き、駆け寄ってくる。


「うん。ちょうど出ようとしたら、街が封鎖されちゃってね」

 ユークは少し苦笑しながら答えた。


「あはは、それは災難でしたね。でもユークさんたちがいるなら心強いです!」

 ラピスは明るく笑う。


「ところでラピスは、どうしてここに?」

 ユークが周囲を見渡すと、ラピスは声をひそめた。


「ギルドから高額依頼が出たんです。塔に封じられた強力なモンスター……その封印を解こうとする人がいるみたいで」


(……よかった、エウレさんはギルドにうまく話を通してくれたんだな)

 ユークは胸をなで下ろしながらも、背筋に冷たいものを感じた。


 依頼として公表された以上、多くの冒険者が巻き込まれる。


 ラピスも、その渦に飲まれるかもしれない。


「いま受付をやってるんです。ユークさんも受けてきたらどうですか?」


「……ありがとう。行ってみるよ」


 ユークは大通りに設けられた臨時テントへ向かい、書類に署名する。


「え!? ユーク様のパーティーですか!?」

 受付の女性が目を丸くした。


「え? はい、ユークは俺ですけど……?」

 ユークは思わず首をかしげる。


「エウレ師がユーク様の到着を心待ちにしておりました。この先の作戦会議には、ぜひ皆様のお力をと!」

 女性は笑顔で告げた。


「分かりました。いったん仲間と相談してきてもいいですか?」

「はい、もちろんです!」


 受付嬢は快くうなずいた。


◆◆◆


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ユーク(LV.44)

性別:男

ジョブ:強化術士

スキル:リインフォース(パーティーメンバー全員の全能力を10%アップ)

EXスキル:≪リミット・ブレイカー≫

備考:予備とはいえ、ヴィヴィアンの盾を選ぶことになり、彼女に好みを詳しく聞いてから店主と相談して選んだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

セリス(LV.42)

性別:女

ジョブ:槍術士

スキル:槍の才(槍の基本技術を習得し、槍の才能をわずかに向上させる)

EXスキル:≪タクティカルサイト≫

EXスキル2:≪ブーステッドギア≫

備考:ユークと二人でお店を回るのは久しぶりで、どこかデートのような雰囲気に心が浮き立っていた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

アウリン(LV.43)

性別:女

ジョブ:炎術士

スキル:炎威力上昇(炎熱系魔法の威力をわずかに向上させる)

EXスキル:≪イグニス・レギス・ソリス≫

EXスキル2:≪コンセントレイション≫

備考:ユークとセリスのために二人きりの時間を作ってあげたかったのに、テルルが台無しにしようとしたので、容赦なく引きずり戻した。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ヴィヴィアン(LV.42)

性別:女

ジョブ:騎士

スキル:騎士の才(剣と盾の才能を向上させる)

EXスキル:≪ドミネイトアーマー≫

EXスキル2:≪インヴィンシブルシールド≫

備考:自分に合った盾をユークが真剣に選んでくれたことに、心の中で感謝と信頼を深めていた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

テルル(LV.34)

性別:男(女)

ジョブ:氷術士

スキル:≪アイスアロー≫(使用不能)

EXスキル:氷威力上昇

備考:浮遊するリヤカーに興味津々で、ユークたちと一緒に行こうとしたが、アウリンに有無を言わさず連行されてしまい、少し不満そうにしていた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

エウレ(LV.??)

性別:女

ジョブ:??

スキル:??

備考:浮遊するリヤカーは探索者向けに作っては見たものの、高すぎて売れず、倉庫でほこりをかぶていた。

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