11. いつまでも王子様を愛している
最終話です。
長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました!
水族館から帰る頃には、辺りはすっかり夕闇に包まれていた。馬車の中で遊び疲れたランベルトは眠っており、同じくオリヴィアもすやすや眠っている。私はランベルトの黒髪をそっと撫でた。
ランベルトは私の遺伝を受け継ぎ、黒髪と黒い瞳を持って生まれてきた。だが、堀の深さは父親似だ。私は黒髪のランベルトを見た時随分失望したが、レオンは絶賛した。レオンは私の黒髪が好きなのだ。
そして、続いて生まれたオリヴィアがブロンドの髪をしているのを見ると、残念そうな顔をした。
「明日からは、また公務が忙しくなりそうだ」
レオンはぽつりと呟く。
「だが、ローザがいるから……家族がいるから、私は何だって頑張れそうだ」
レオンに身を寄せると、優しく抱きしめてくれるレオン。やっぱりレオンが大好きだと強く思う。
「私が魔力を使い果たしても、もうローザに頼るのは良くないし……」
「そんなことないよ。いつでも魔力をあげるよ」
「だが、君の強大な魔力は、随分子供たちに取られてしまっただろう? 」
出産するたびに、私の魔力は減っていった。そして、極めて魔力が強い子供たちが生まれた。まるで、私の強い魔力が子供に移ったように。今や私は、レオンより少ない魔力しか持っていない。あと一回出産すると、完全に庶民と同じ程度の魔力になるだろう。
だが、魔力が減ったことに対して、私は悲しんではいない。むしろ次の世代に魔力を残せたことが嬉しかった。
私はレオンに身を寄せる。そして笑顔で告げた。
「私たちは一心同体だから、レオンが困った時には助けてあげたいの」
レオンは甘い幸せそうな瞳で私を見、そっと唇を重ねた。
「愛してる。今も、この先もずっと……」
「知ってる」
わざとらしく言う私を見て、レオンは嬉しそうに笑った。私も満面の笑みでレオンを見上げていた。
宮廷に帰り、ランベルトは使用人に水族館のことを話して回っている。そして食事を食べシャワーを浴びた後、疲れて再びぐっすりと眠り始めた。
この世界では、子供は親と別室で眠ることが一般的である。ランベルトももちろん一人で寝ているが、怖がる時は一緒のベッドで眠ることもある。だが、今日のランベルトは楽しい一日を過ごし、恐怖なんて微塵も感じていないようだ。
私はランベルトの髪を撫でてから立ち上がり、部屋の扉を閉めた。
隣の寝室に入ると、不意に後ろからレオンに抱きしめられる。今までは母だったのに、レオンに触れられると女になってしまう。頬を染めて振り返った私に、レオンは優しい口付けをする。
「今日一日我慢していた」
レオンは後ろから私を抱きしめたまま、甘くて切ない声で告げる。
「私はずっと、ローザに触れたくて仕方がない」
「何言ってるの」
冗談のふりをしながらも、心臓がドキドキうるさい。胸がきゅんと甘い音を立てる。私だって、レオンに触れたいと思ってしまう。
「ローザ、愛してる」
何度も告げられるその言葉が、その名前が、胸にじーんと沁み込む。レオンに名前を呼ばれると、ローザで良かったと心から思う。嫌いだったこの名前が、今は好きになり始めている。
「私のことも好きか? 」
聞かなくても答えなんて分かるのに、わざとらしく聞くレオン。好きだと言って欲しいのだろう。私は満面の笑みでレオンに告げた。
「大好きだよ、レオン」
私はこの国で、いろんなことを学んだ。
人のために頑張ること、人を信じること、そして、人を愛し愛されること。
王太子妃としてレオンの隣にいる私は、自分に自信がなくて塞ぎ込んでいた頃の私とは別人だ。こうも私を羽ばたかせてくれたのは、ロスノック帝国の優しいみんなのおかげだ。
これからも、私はこの地で幸せを噛み締めて生きていきたい。魔力が無くなっても、凡人になっても、私はきっと楽しく生きていけるだろう。私の隣には、いつも愛しい彼がいてくれるから。
この命が尽きるその瞬間まで、最愛の人とともに……
読んでくださって、ありがとうございました。
とても長くなってしまい、途中で私自身も疲れてしまい、やめてしまったほうがいいかなと思いました。
それでも最後まで書き続けることが出来て、ホッとしています。
こんなに長いお話を読んでくださって、ありがとうございました。
書いていくうちに自分の表現力と語彙力の無さに悩まされた作品でもあります。
拙い文章ですが、読んでくださって本当にありがとうございました。
次作も書き始めており、完結の目処が立ったら公開しようと思っております。
また機会がありましたら、読んでいただけると幸いです。
本当にありがとうございました!
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