私は分離した。…そーなのかー
どうも。朱羽の索夜です。
…報告の前に謝罪をば。
現存の小説ほったらかして何新しい小説投稿してんじゃって話なんですが…
いや、ほんとにすいません。
なぜかこちらのほうが筆が進んでしまって…
…ていうわけで…7作目です。
それではどうぞ。
目を覚ます。
「ここは…どこなのだー?」
なぜか私は目玉がたくさんある空間に来ていた。
ここはおそらく幻想郷の賢者である『八雲紫』が操る『スキマ』と呼ばれる空間の中だろう。
なんでここにいるのだろう。
「それは、貴女…“宵闇の妖怪”であるあなた、『ルーミア』が、『分離』したからよ。」
分離…?それはどういう…?
「貴女は、『妖怪であるルーミア』から、『“妖精”であるルーミア』に分離したのよ。そして、妖怪の方は今、暴走して異変を起こしているわ。」
と、紫が淡々と告げる。
「ふむ…あんましよくわからないけど、ともかく妖怪の方の私を止めればいいのだー?」
「えぇ。わかりきってないのが心配だけど、まぁ、いいでしょう。過ごしていたらそのうち慣れるわ。」
と紫が言う。
「さて…なら、『宵闇の妖精』さん。貴女に『名前』をつけてあげるわ。いつまでも『宵闇の妖精』じゃ呼びにくいしね。」
と、紫が(ry
「ほんとにいいのかー?そんなことしてもらって。」
「いいのよ。どうしましょうか…あ。外の世界の、『元素周期表』というものを使って…第8族、原子番号44番『Ru』…『ルテニウム』。けどこれじゃそっけないから…『ルーテニウム』…かしら。あだ名は『ルテ』。もしくは『ルーテ』かしら。」
紫は私に『ルーテニウム』という名前をくれたようだ。
「あ、一応、この『元素周期表』っていうの、渡しておくわ。」
「は、はぁ…。」
紫から元素なんちゃらというのを渡される。
「あと、口調を直しておくことを推奨するわ。じゃぁ、頑張ってね?ルーテ。」
ふーん。紫は私のことをルーテって呼ぶのか。
「分かったのd…分かったよ。紫。頑張ってみる。」
その言葉を最後に、私はスキマの中に落ちていった。
「あ。鏡で姿見せるの忘れてたわ。…まぁ、いいか。」
この言葉をルーテニウム…略してルーテが聞くことはなかった。
目を覚ます。
陽光が差す森の中…ではなく。
ただただ真っ暗なだけの、森だった。
空を見上げると、空一面を真っ黒ななにか…おそらく『闇』であると思われる…が覆っていた。
「あー。そういうこと。私も大変なことをしたのだー…。…したんだね。」
やばい。口調直さないといけないのに…
「さてと…あっちに気配がするから行ってみようか。」
そんなことはおいておいて、より周囲が暗く、そして妖力の濃い方向へと向かっていった。
「うわぁ…真っ暗。」
私は森の最奥と私が出てきたところの中間ぐらいまできた。
すると私に向かって声がかかる。
「えっ…?妖精?なんでこんなところに妖精が居るのよ。早く戻りなさい!」
「確かに、みょん…いや、妙だよなぁ。」(・∀・)ニヤニヤ
「さっき私を小馬鹿にしませんでした!?ねぇ、しましたよねぇ!」
この場所に『博霊霊夢』、『霧雨魔理沙』、『魂魄妖夢』が来た。
まるで三人は私を知らないような口ぶりだ。
「何を言ってるのだー?霊夢、魔理沙、妖夢。私は…ってそうか。そういうことかぁ…」
私は霊夢たちにいつも通りに挨拶しようとしたが、その過程であることを思い出したのだ。
(私、妖精になったんじゃん…!)
さっきは『ルーミア』で挨拶をしようとしたが、今度は『ルーテニウム』で挨拶をする。
「あー。えっと。お初にお目にかかります…?私、『ルーテニウム』という妖精でして…ぜひ『ルーテ』と呼んでくれますと…「…貴女、もしかしてルーミア…?」…だよねぇ…バレてるよねぇ…」
「えっ…ルーミアなのか?」
「うん…まぁ、詳しいことは紫から聞いてもらえると嬉しいよ。そこにいるんでしょ。紫。出てきなよ。」
なぜかは知らないがそこに紫がいる気がする。
「あら。なぜかしら。感が良くなったのかしら?」
案の定、視線の先に紫が出てきた。
「まぁ、ここにいる人達には私から説明しとくから、貴女は行ってきなさいな。」
「分かった。ありがとう。紫。」
紫が三人に説明する…という体で足止めをしてくれるという。
私はその言葉に甘え、その場を後にした。
森の最奥。
妖力が一番濃く、そして周囲が一段と暗い場所。
その中心に浮かぶ黒い球体。
それを前にした私は、戦慄した。
「これを…私が?」
球体の元となった者に何かが起こったのだと感じられる。
それが自分だというのはいかにも信じがたいが、眼の前のものが事実なのだ。
その途端、球体が動き出した。
どんどん人の形を取っていく。
そして、一際明るい光が広がった。
光がやみ、視界良くなる。
そして、視界の中央に居たのは…
背中から黒い翼が生えた、ルーミアだった。
「あなたは誰?」
とルーミアが聞いてくる。
「私はルーテニウム。貴女を救いに来たの。」
よし。口調は完璧。
「そうか。ところで、なんで私と同じような格好してる?」
そういわれて気づいた。
私、鏡みてない。
そう思った瞬間、タイミングを見計らったかのように鏡が目の前に出現した。
その鏡に写っていたのは。
“ほぼ”ルーミアだった。
しかし、背中には大妖精についている羽の黒いVer.がついて…いや、浮いている。
「それは、私は貴女から生まれた者だから。」
「どういうことだ…?まぁいい。戦いを始めよう。」
そういい、ルーミアは戦闘態勢に入る。
「いい忘れていたが、『スペルカードルール』なんていう生ぬるいものは使わないぞ。これは、正真正銘の殺し合いなんだから。」
と、ルーミアは告げる。
え?弾幕ごっこじゃないの!?
ま、まぁ、いいか。こっちだけスペルカードを使ったら。
「じゃあ、始めようk…いてっ!」
始めようとした途端、頭になにか降ってきた。
そこに落ちていたのは、二丁の銃だった。
外の世界で使われていたであろう拳銃。
それが落ちていた。
そしてそれには紙が貼られており、
『ルーテへ。貴女は、いわば『ルーミアの同位体』だから、能力は同じよ。その銃は能力を使うことで唯一無二の弾が出るわ。活用してね。PS.能力は増えることがあるかも。by 八雲紫』
とのこと。
…それを私…いや、ルーミアに撃てと。
まぁ、そうするしかないからいいんだけど。
「うぅ…タイミングがひどいよ…ま、まぁ。気を取り直して…始めよう。」
私は両手の銃を構える。
その途端、私は光に包まれる。
「眩しい…!」
思わず目を細める。
視界が明け、反射的に周囲を見渡す。
そこで、傍らにおいてある鏡に目が止まった。
私は、そこに写っている自分の姿に驚愕した。
ルーミアの服を色替えしたかのようなものの上にまた服を羽織っている。
髪は黒くなり、少し伸びており、右目が隠れている。
服も全体的に黒が多くなっている。
瞳は相変わらず赤だ。
服のスカーフが赤から黒に変わっている。
しかし、中にあるシャツは白のままだ。
上の服とスカートは黒のままだが。
頭にあったはずのリボンもない。
その代わり、黒い軍服をマントのように羽織っている。
そして、頭には黒い軍帽を被っている。
その軍帽には、金のチェーンがついている。
そして、紋章は、丸の中に十字架を右斜めに傾けたかのような形があり、その右上に私…いや、ルーミアがつけていたリボンが書かれている。そして、そのリボンの下…丸のちょうど横らへんに、数字の3と思しきものが、左にも、それを反転させたものが書かれている。おそらく、妖精の羽なのだろう。
「なんだ…?それは。」
「…知らない。私が聞きたい。」
突然この衣装になった理由がわからない私にそんなこと聞かれても…
この銃のせいではあると思うんだよねぇ…
「面白くなりそうだ…!」
「この状況で楽しもうとする精神、ほんと見習いたいもんだよ…」
私はおそらく、この状況では楽しめないと思う。
まぁ、これは『弾幕ごっこ』ではないのだから当たり前なのだとは思うが。
「こい…!」
ルーミアはそう言い、密度の濃い弾幕を打ち出してきた。
「えっいや無理だよ!?」
この量を避けるのは無茶だと判断し、私はもう我武者羅に銃を撃つ。
『バァン』
と、発砲音が連続的に木霊し、ルーミアの弾幕に当たる。
その瞬間、弾幕が消えた。
しかも、私が撃った弾は全て空中にあったルーミアの弾幕に当たったようだ。
「…」( ゜д゜)ポカーン
「いや…驚いてるのこっちなんですけど。なんでこんなのできるの。」
あぁ。だめだ。放心してる。
いや、現実逃避かな?まぁ…いいけど。
「さてと。気を取り直してさ。いくよ…?」
私はまだポカーンとしてるルーミアに向けて発泡する。
「なっ!?」
ギリギリで回避。
そこからまた戦いの火蓋が切られた。
〜数十分後〜
あれから戦いを続けている。
基本的には双方相手の攻撃を避けてを繰り返しているため代わり映えのしない光景が続いている。
そのときだ。戦況が大きく動いたのは。
『ガサゴソ』
と、草をかき分ける音がした。
そして、その音に意識を傾けたときに臭ってくる、この匂い。
妖怪時代にも書いだことのあるこの匂いは…
そして、草むらからそれが出てきた瞬間、
「「あなたは食べてもいい人類!?」」
と言う。
しかしそこから出てきたのは…
「「ちぇっ、霊夢だったのか。」」
霊夢だった。
つまんないの…ん?ありゃ?
「「ぷっ…あははははは!」」
ここまで同じだとは…。
「なんか…被ってない?」
「そうなのだー。」
「あんたら…はぁ。」
あれ?ルーミアの狂気が薄まってる?
プラス空を覆ってた闇がなくなってる!?
しかもルーミアの翼がいつの間にかなくなってる!?
「ね、ねぇ、ルーミア?戦いは?」
「あれ?そういえばさっきまでむしゃくしゃしてたのが消えてるのだー。」
「へ…へぇ…。っていうか。もう…」
「…うん。我慢出来ないのだー。」
二人同時に霊夢の方を向く。
「「なにか食べさせろー(なのだー)!!」」
「…は?」
「「我慢の限界 (なのだー)!」」
「「なにかくれー!!」」
「もう…分かったわよー!!!」
こうしてルーミアの異変…『宵闇異変』とでも言っておこう…は幕を閉じたのであった。
〜マヨヒガ〜
「ふふっ。やっぱりあの子…面白いわぁ。」
と、眼の前の空間からある人物を見て微笑む美女が一人。
「さてさて。これからどうするのかしらね。あの子は。」
その眼は未来を見据えて怪しく光っていた。
はい。主人公はルーミアの同位体でした。
同位体やらは中3の科学で習いますね。
ちなみに、主は理科が一番得意です。
それではばいなら!