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―プロローグ―
15年程前に後輩と小説を見せ合おうという流れで書いた物語を2代前のパソコンからサルベージ出来たので投稿していこうかと思います。
更に10年程前に書いていた物語の未来のストーリーに当たるので、後輩から「後半人が増えすぎて誰か把握できない」と感想を頂いたのですが、そのまま投稿します。※この作品だけで完結するように、書いてあるつもりです。
見渡す限り赤が広がっていた。
教室の中には咽せ返るような血の臭いが広がっていた。
彼女の視界を覆い隠すように目の前の少女が胸を顔に押し当ててくる。
彼女を抱く少女の手が微かに振るえている。
その振るえは怒りから来るものか。それとも哀しみから来るものか。
恐らくはその両方だろう。
私の人生は何処で大きく変わったのだろう。
それは、今自分を抱きかかえている少女に出会ったときからだろうか。
それともこの高校に通うと決めたときからだろうか。