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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
藤壺編
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倉持キャンプへ行く(日中)

金剛「大方の予想はついていたと思うが… 社長以下、男性社員は急遽予定ができて欠席となった」

黒田「あと、藤壺さんも遅くなるみたいですね」

金剛「ということで、男性は倉持さん一人だ。 ガンバレ」

倉持「…」


街からバスで1時間

キャンプ場にて

倉持は無の極致に至っていた。


倉持(社長と話をしたかったんだけどな…)


金剛「ということだが、早速準備に取り掛かるぞ。 お肉と野菜、調味料はあるが、予算の都合で人数分に足りていない。 ということで、魚と山菜の調達が必要だ 魚は倉持さんをリーダーに、山菜は黒田さんをリーダーに、しっかりとってきてくれ。 あと、奥の方には崖があるから、十分気を付けてくれよ」


参加者20名はそれぞれの班に分かれ、行動を開始した。

青野は早速倉持の元に駆け寄る。


青野「倉持先輩。 私も魚釣り班です。 よろしくお願いします」

倉持「ああ、よろしく」

赤井「私も」

緑谷「私もです」

倉持「よし、気を付けていくぞ」


倉持(管理釣り場のようだから、大丈夫だろうけど、一応気を付けないとな)


倉持はメンバーを引き連れて渓流に向かう。

イワナを釣るための装備を準備する。

倉持は釣り方をレクチャーしながら、竿を配る。

倉持は全員の様子が見えるように後ろに回る。

青野たちは一斉に竿を投げる。

すると、針がスカートに引っかかり、一斉に全員のスカートがめくれる。


青野「きゃあ」

赤井「あああ」

倉持「皆さん、落ち着いて… 竿を後ろに戻して」


倉持は一人一人の針を取って回る。


倉持(しかし… 山なのに… なぜみんなスカート何だろうか…)


全員の針を取り除く。


倉持「はい。 大丈夫です。 皆さん、針を引っかけないように、気を付けてくださいね」


再び一斉に竿を振る。

今度はぼちゃんと無事に着水する。


倉持「それじゃあ、何か反応があるまで待ちましょう」

青野「何か、ビクビクしてます。 ああ、スゴイ。 ビクンビクンしてるぅ」

倉持「よし、じゃあ、じっくり釣り上げるぞ。 まずはゆっくり竿を身体に寄せて…」

青野「ううう。 すごいです。 先輩。 ヘルプです」

倉持「分かった」


倉持は青野のすぐ後ろに回り、青野の手を持ち、竿を立てる手伝いをする。


倉持「すごい手ごたえだ… これはマスかもしれないぞ」

青野「マス? 頑張ります」

倉持「よし、いいぞ、身体にグッと寄せて… けど焦るなよ」

青野「はい」


足元近くに大きな魚影が近寄る。

倉持はタモですくい上げる。


青野「おおー。 おっきいー」


見事なサクラマスであった。


倉持「このエサで釣れるなんて…すごいな」

青野「やりました!」


青野はガッツポーズをとる。

その間に赤井もイワナを釣り上げる。


赤井「よし、釣れた」

緑谷「すごい赤井さん。 あわわ… 私にも来ました」

倉持「いいペースですね。 この調子でどんどん釣っていきましょう」


サクラマス1匹、イワナ53匹という釣果であった。

キャンプ場へもどる。

そこには一足先に山菜取りを終えた黒田たちが待っていた。


金剛「おお、結構釣れたな! マスもいるじゃないか… これは豪華だ」

青野「マスは私が釣ったんですよー」

黒田「すごい引き」


倉持は挨拶もそぞろに、魚を捌いていた。

その横で、白銀は野菜や山菜を切る。

筑紫は山菜を湯がいてアクを取っていく。


白銀「…さすが、うまく捌くな」


白銀はひきつった表情で倉持の手元を見ている。


倉持「捌いてみます…」

白銀「え?」


倉持と白銀は場所を変わる。

白銀はまな板の上の魚と見つめ合っている。


白銀「…ううう」


倉持は野菜をどんどん切っていく。


白銀「…うう」


白銀は恐る恐る、魚に包丁をあてる。

その瞬間魚がビクンと跳ねる。


白銀「きゃああああああ」


白銀は後ろに飛び跳ねた。


倉持「え? あ、もしかして… 苦手でしたか」


白銀は顔を真っ青にして、こわばった表情をしている。


倉持「ごめんなさい。 戻りますね」

白銀「すまん… 生き物を捌くのには慣れてないんだ」

倉持「意外ですね」

青野「ですね。 なんか冷静に捌きそうなのに」

白銀「それを言うなら、君の方こそ、全く躊躇なく素手で、処理していくな」


青野は倉持の隣で、内臓の後処理と血合いの処理をしている。

赤井は塩を振る。

その横で、緑谷が串を刺していく。

ものの数十分で下準備が済んだ。


焼き場に魚と肉、山菜に野菜を持っていく


黒田「ゴメン倉持。 火をつけていって」

倉持「はい」


倉持は炭に火をつけていく。

イワナは岩で作った焼き場に立てて焼いていく。

香ばしい煙が周囲を包む。


青野「ああー。 美味しそー。 いいにおーい」

赤井「だねー もうお腹ペコペコだよ」

黒田「はあああ… やっぱり炭焼きだわ」


倉持はひたすら焼いていく。

お皿と箸、タレ、飲み物は配布済み。


倉持「さあさあ、どんどん食べてくださいねー」


バーベキュー串には、玉ねぎ、ブロック肉、ピーマン、ブロック肉、ネギが刺さっている。


赤井「玉ねぎが、あまーい。 いつの間に下ごしらえを?」

倉持「食材を切る前です」

緑谷「お肉も柔らかいです」

倉持「ああ、ちょっとコーラを借りたんです。 それにつけていました。 繊維にちょっと切り込みを入れています」

赤井「へー。 それで」

白銀「シイタケも美味しいぞ」

倉持「シイタケは片面だけ焼いて、傘の中に旨味を閉じ込めるといいんですよ」


網ではシイタケやカボチャが焼かれている。


青野「マスは食べ応えがありますね」


青野はサクラマスをむしゃむしゃとほおばる。


青野「倉持先輩も、良ければどうぞ」


青野がサクラマスを倉持に差し出す。


倉持「あ、どうも… うまい」

青野「ですよねー。 これ、ホント美味しいです」

黒田「イワナもよい焼き加減よ。 やっぱり新鮮だと、いっそう美味しいわね」


食後、炭を鎮火し、手分けして片付ける。

倉持は山菜スープと、カレーの下準備を済ませた。

その後は、各々自由行動。

散歩をするもの、お酒を飲むもの、寝転ぶもの。


倉持は人気のない滝の近くに来ていた。

倉持は手ごろな岩に腰掛けて、落ちる滝を見つめている。


倉持(藤壺… いつ動く)



挿絵(By みてみん)

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