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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
藤壺編
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倉持にかかわる昔話 その②

絵は倉持家3女 千夏

昔、ある男性がいました。

男性は生まれながらに容姿端麗であった。

また知能も高く、神童ともてはやされた。


元服する頃には商売を生業とし、成功していた。

その頃男性は恋に落ちた。

近くの長屋に住む女性を好きになった。


人目を忍び2人は逢瀬を重ねた。

やがて女性は身ごもった。

しかし、2人の恋が成就することはなかった。

その時すでに商売人としての地位を得ていた男性と長屋に住む貧しい女性との恋は周囲に認められなかった。


苦悩の末男性は女性にお金を渡し、縁を切った。

しかし、その時男性は女性に約束をした。

仕事を盛り上げ、後継者ができたら、すぐに仕事を辞めて迎えに行く、と。


その後女性は無事に女の子を出産したものの、その後の人生は決して幸福とは言えなかった。

女性は体調を崩し、女の子が6才になるころにあっさり命を落とした。

最後の最後まで、男性が迎えに来てくれることを信じながら…


しかし、その願いは叶うはずがなかった。

男性は女性と別れてから、家が決めた人と結婚して、子どもを得た。

男性はそんな時でも、女性の事は忘れていなかった。

だが、男性が20才になった瞬間、ぽっくりと命を落とした。

男性が女性を迎えに行こうと荷造りをしている最中の出来事であった。


その後の話である。

男性と女性の娘は遊郭に入った。

美貌と知能の高さで、地位を確立していった。


男性と結婚相手の子は、男の子2人。

2人は家業を継ぎ、女性と子どもを成すが、2人とも20才で命を落とした。




白銀「と、いう話を見つけたよ」


ー白銀と桜、霞が遠隔会議を行っている。

白銀が金剛を経由して、倉持家に話を持ち掛け、そこから霞に話が渡り、霞が桜を誘った。


霞「なるほど、その遊郭に行った女の子が金剛家につながるのね」

白銀「ああ、そういうことだな」

桜「けど、ふと思ったんだけど、呪いが1000年以上前からあるのに、どうして倉持さんは倉持さんしかいないのかしら?」

霞「それは、まだ仮定の話になるけど、どこかで合流していると思う。 それと、何人か途切れたのもあるかも」

白銀「それ以外にも、呪いは男性にしかかからないなら、ひょっとしたらしばらく女性しか生まれなかったかもしれない」

桜「…ねえ。 短命なのは男性だけで、生まれた女の子は大丈夫なのよね?」

白銀「ああ、私が調べた中では女の子どもはむしろ長命な人も多かった」

霞「私もそう。 こっちの系譜でも、長寿ばかりだったわ」

桜「もしも… 倉持さんが女性になれば、どうなるのかな?」

白銀「女性に?」

霞「なるほど」

桜「…ラッキースケベの方の話になるから…呪いにも効果があるかは分からないんですが… ラッキースケベの判定って結構あいまいというか、いい加減なところがあって…」

白銀「藤壺さんのことか?」

桜「ええ。 彼女は少し複雑なんです」

霞「その子の事情に深入りはしないけど… まあ、なんとなく察したわ。 確かに、そういう話があるなら、徹が女性になることで、呪いを回避できるかもしれない」

白銀「そうすれば、少なくとも命は助かる」

桜「…」

白銀「だが、それを彼がどうとらえるか…だ」

桜「そうですね。 彼は自分であることを大事にしていますから…」

白銀「しかし、だからこそ彼に伝えないといけないな… 彼では思い浮かばないかもしれない」

桜「え… ちょ、今話し中で」


桜の画面に由紀が乱入してくる。


由紀「いいから、いいから。 楽しそーなこと話してんじゃん」

霞「貴方は、シャアハウスの」

白銀「先日はどうも」

由紀「突然のお邪魔ごめんな。 けど、さっき、女性にするとかどうとか聞こえてな… それについて耳寄りな情報があるんだ」

霞「…まあ、いいわ。 貴方も結構知っているようですし…」

由紀「どうも」

白銀「それで、その情報って?」

由紀「アイツな、こないだ。 『オトコの娘用射精管理機』を買ってたんだ」

白銀「え、そんなものを?」


霞と桜は何のことか理解できず、ポカンとしている。

白銀は霞と桜の反応と自分の反応の差で恥ずかしくなった。


白銀「えーーーっと。 それ、どんなものなんですか? ちょっと、よく分からなくて…」


霞(知ってるな…)

桜(知ってるのね)


由紀「どう考えても知ってるやつの反応だったけど… まあ、いいや。 それを買ってるってことはだ… 少なくともアイツはオトコの娘に興味があるってことが想定されるだろ? と、いうことはだ、そこから女性になりたいと思ってもおかしくはない」

白銀「なるほど、そういう願望があるということか」

由紀「倉持を女の子にすることは難しくないはずだ」

霞「確かに… 女性校に一人の男子だったし、ほぼ女子といっても過言じゃないかも」

桜「女子力も高めですし…」

由紀「まあ、ちょっと、うっすら筋肉質だから、ガタイはよくなるけどな」

白銀「想像してみるか…」


この時、4人は異なる映像を想像していた。

霞はカジュアルな女装姿の倉持を、

桜は喫茶店の制服を身に着けた倉持を、

由紀は後ろからからまれて、喘いでいる倉持を、

白銀は「んほおおおおお」と声を上げて激しく前後に揺れている倉持を。


4人「アリだな!」


こうして、4人は倉持を女性にする方向で話を進めた。

限られた手段、限られた時間でできる最大限有効な手立てと思われた。



挿絵(By みてみん)

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