表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
藤壺編
81/371

倉持はプールに行く(第6回戦)

催淫音によって、様子がおかしくなった女性陣

音声を止めるために、制御ルームへ向かう倉持だが…

プールから出る直前、離れた2か所から声が聞こえる

倉持(この声… ただ事じゃない… たらたらしていたら間に合わない… しかし、ヤシの木はこれ以上負担をかけたら折れてしまう… どうすれば…)


倉持の前を流れるは、ものすごい速さで流れるプール…


倉持は足に小型のビート版を結びつける。

そして、プールに片足をつける。

沈む前に反対の足を前に出す。

後はその繰り返しである。

流れも利用し、高速で移動する。


見上げると、宇美がロングスライダーから投げ出されている。

スライダーのふちにつかまり、落ちないように必死に耐えている。

倉持は大きい浮き輪を取り出し、縄をつける。

倉持は宇美の真下で構え、真上に浮き輪を投げる。

浮き輪は、宇美の身体にすっぽりとはまる。

倉持は縄を持った状態で、スライダーの階段を駆け上がる。

スライダーの周りを覆うチューブの上を駆け降りる。

宇美の握力が費える。

その瞬間、倉持が宇美の真上にたどり着いた。

倉持はそのまま宇美を引き上げて、抱きかかえる。

そのまま一気にチューブを駆け降り、チューブとチューブの隙間から、侵入し、そのままロングスライダーを駆け抜ける。


流れる勢いで、縄が絡まる。

宇美の胸の隙間に縄が入り、腕に、足にと巻き付く。

まるで亀の甲羅のような模様になる。

倉持も巻き込まれ、上半身が宇美の股の間に固定される。

倉持の顔が宇美の水着の亀裂に押し込まれる。


チューブの上面に上がった瞬間、倉持は反動を利用して、何とか脱出に成功した。

そして、宇美の背後に回り、紐をほどこうとするが、複雑に絡まっており、解くことができない。

まもなく出口。


そのまま勢いに乗って着水する。

倉持は宇美がおぼれないように、持ち上げた状態で突っ込んでいた。

宇美をプールサイドに運び、そっと降ろすと、温泉方面を向く。

宇美の安否を確認してから、再び足にビート版を装着し、プール上を駆け抜ける。


ものの数秒で声がした方についた。

緑谷と筑紫が水流が出るお風呂の中でぐるぐると回されている。

制御を失いまるで洗濯機のような渦を巻いている。

倉持はお風呂に飛び込み、水流の元を無理やり腕でふさぐ。

急に流れが止まったことにより、緑谷と筑紫はお風呂から投げ出された。

倉持は水流を上に向かって放出し、その勢いに乗って飛びあがり、2人を捕まえた。

しかし、勢いが強すぎたため、近くのヤシの木に倉持の背中から激突し、ずるずるとずり落ちた。

倉持はその瞬間も2人をぎゅっと抱きしめて離さなかった。

だが、倉持は何事もなかったかのように立ち上がり、眼を回している2人をそっとヤシの木にすがらせた。


そして、三度プールの上を走る。


その最中、必死に自分を抑えている店長や紅葉、由紀に三奈の姿が目に移った。

全員顔を赤らめながら、悶えながらも、抑え込んでいた。

目が合う。

店長と由紀は親指を立てて、返答した。

倉持は胸の前で手を固く握りしめた。


倉持(この音… 私もおかしくなりそうだ… 早く…早く止めなければ… この建物に入る前に…おおよその構造は把握した… 普通に行けば、10分程度でつく… しかしそれまで、みんなが持つのか… このままじゃあ…)


抑えるのにも限界がある。

このままいけば、公開自慰祭りに発展してしまう…

いくら同性といえでも、自慰を見られるのは、トラウマになりかねない。

もはや一刻の猶予もない。


倉持は頭脳を巡らせる。

倉持は打たせ湯へ向かい、湯によってビート版を沈める。

そして、湯の流れを手刀で切断し、反動を利用して、飛び跳ねる。

ロングスライダーの中腹に飛び乗り、そのままよじ登り、チューブに入る。

チューブとチューブの隙間でコースアウトする。

その先は室内の上部にあるガラス張りのプール監視室であった。

倉持はそのまま、ガラスをつき破り、監視室へ入り込んだ。

監視室から制御室までは約30秒、制御室までの道のりは覚えていた。

倉持は建物に入ると、必ずマッピングをするクセを持っていた。

それが功を奏したのだ。


制御室前に着き、カードキーを差し込む。

部屋に入ると、様々なスイッチがいじられた形跡があった。

まずは、音響を消す。

さらに、異常を招いていたスイッチをデフォルトの設定に戻す。

スイッチの間に髪の毛が落ちている。

倉持はその黒い髪を拾い上げる。


倉持「…これは…」


倉持はあたりを見渡す。

近くに人の気配はない。

制御室にロックをかけて、プールに向かう。


その時、倉持に激痛が走る。

厳密に言えば、ずっと倉持には痛みがあった。

それがこの時ピークに達したのだ。

その場にうずくまる。


倉持「…くそ…こんな時に…」


物陰から、そんな倉持をあざ笑うかのように、藤壺がゆったりと姿を現した


藤壺「倉持先輩… ひどいですね。 私に声をかけてくれないなんて…」

倉持「ふ…藤壺…」

藤壺「…警戒…してるんですか? 安心してください… もう何もしませんよ」

倉持「…いじったのは…お前だったのか…」

藤壺「ですね」

倉持「もう……しないはずじゃ」

藤壺「…ええ無理にくっつけるのはしませんよ… けど、アナタを思う人を応援するぐらいはいいじゃないですか?」

倉持「…どういうことだ…」

藤壺「…めんどくさっ」


藤壺は手に持っていたリモコンで、館内に催淫音を鳴らす。


藤壺「さて…これでどうなるでしょうね。 さすがにもう我慢できないんじゃないかしら? 特にアナタがね」

倉持「…う…くうっ」

藤壺「女性向けの催淫音とは言え…人一倍音に敏感なアナタが良くガマンできましたね。 でも、もう限界じゃないかしら? ここに女性たちが来るのも時間の問題… ここで、楽しみなさいな」


青野「これが、不快な音の正体でしたか」


青野が音もなく藤壺の背後から現れ、リモコンを奪い取り、催淫音を消した。


藤壺「なっ… どうして?」

青野「あー… 何でしょうね… 私、音に鈍いんでしょうね」

藤壺「…バカなことを、チャンスを不意にするのか?」

青野「チャンス? 何の? こんな機械に頼って得たチャンスなんて、嬉しくもなんともないですよ。私は、実力で落としたいんです… きっとみんなもそう。 だからあなたの余計なお世話は不快なだけ… ですよ?」

藤壺「…ホント、見かけによらないわね… まあいいわ。 今日はこれでおいとまするわ」


藤壺は悠々と青野の横を抜けて、立ち去った。

青野は藤壺の方を姿が完全に消えるまで睨み付けた。


青野「…」


青野が倉持を見据える。


倉持「ありがとう… 助かった」

青野「別に…いいですよ。 当然のことです。 音の影響が無くなったら言ってください… そしたら誘惑を再開しますから」


青野の太ももを何本も水分が滴っていく。


第6回戦は青野の勝利

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ