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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
日常編① 起
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倉持は星が見たい(中編)

今回のシステム障害は人為的なもの…それも作為的なものであった。

金剛の言葉で、倉持は二人の人物を思い浮かべた。


金剛「聡いお前の事だ… 見当はついてるだろ?」

倉持「ええ…私が呼ばれたということで、察していました」

金剛「システム部の方は白銀女史が、確認を行う。 ウチは、私が動くよりも、お前の方が適任だろう… 任せられるか?」

倉持「…ご存じでしょう… 私は断れない性質ですよ」

金剛「…すまん いやな役どころをさせる。 フォローはする… 頼んだ」

倉持「ええ… すぐ動くのは怪しまれます。 今日のところは白銀さんと情報交換をして、本格的に動くのは、週末にします」


倉持は部長室を後にする。

時計に目を落とす。


倉持(星を見る暇はないか… いや、何とかしよう。 待ち合わせもしている。 ん、連絡?)


忙しい中でも、倉持は三奈の家と桜に連絡をしていた。

三奈の母親からは、「OK よろ」とだけ連絡が来ていた。


桜からは、「ご飯いらないって、どうしたの? 仕事忙しいの?」と来ていた。


倉持 メール「それもあるけど、今日はプラネタリウムを見に行くんだ」

桜 メール「あー、好きだもんね… 一人で行くの? 何なら一緒に行こうか?」

倉持 メール「いや、三人で行くよ」

桜 メール「私も行く」


倉持(もう一人分割引いけるしな。 桜も結構プラネタリウム好きだし、ちょうどいいか)

倉持 メール「分かった。 私は直接行くから、入り口前で待ち合わせよう」


倉持は連絡を終え、デスクに戻る。

ボイスレコーダーを取り出し、タンブラーを持つと、システム部へ向かった。


白銀は倉持より、1年後に入社した。

接点は少ないが、倉持は白銀に一目置いていた。

優秀な人材であった。

実際朝の障害が20分ほどで解消したのは彼女の力あってこそであった。

物事の理解力が高く、冷静沈着、そして機転が利く。

システム部の中心的な人物であった。


見た目も麗しい、さらっとしたロングヘアー、長いまつげに、きりりとした目、背が高く均整もとた身体である。


白銀「おー クラさん。 …うっぷ ちょっとまって、戻しそう」

倉持「…おつかれ  何食べたんですか?」

白銀「家系の大盛りをちょっと」

倉持「懲りないですね… こないだ、中盛りにするって言ってたじゃないですか」

白銀「いや…今日は働いたし、コンディション的に行けると思ったんだよ」

倉持「いや、こないだ私に半分ぐらい押し付けたでしょ」

白銀「そうだけどーー う…やばい ごめん、みんなちょっと席外すね」


二人は廊下に出る。

あたりに気を配りながら、小声で話す


倉持「…ムリありません?」

白銀「いや… 半分はホントだし…」

倉持「地下会議室 3号室」

白銀「分かった。 一応見当はついている」

倉持「私もです… 来週以降の動きについて確認しましょう」


倉持たちはエレベーターに乗り込む。

エレベーターは下に降りていく。


白銀「…すまん 匂うか?」

倉持「…ニンニク臭は苦手じゃないので」

白銀「違う すかしっぺだ」

倉持「おい…やめろよ!」

白銀「まあまあ、美女のおならだ。 ありがたくかいでおけ」

倉持「お前なぁ… 数秒だからいいものを…」


白銀は気を許した相手には、下ネタを容赦なくぶち込む。

基本丁寧な物言いの倉持もしばしば口調が乱れるほどだ。


と、その時、ガコンという音とともに、エレベーターが停止した。

同時に一瞬真っ暗になる。


白銀「やられたなぁ」

倉持「まさか、ここまで動きが速いとは…」

白銀「…しかし、このタイミングでするのは…挑発か?」

倉持「あるいは…メッセージか…」


明かりが付く。

倉持は営業部の黒田へ、白銀はシステム部へ連絡を入れる。


倉持 電話「停電ですか? 承知しました。 はい…ええ…私は出先です。 復旧までの見込みは? 原因不明ですね… もしかしたら管理の方かもしれませんね。 ええ…部長にもお伝えください。 もう場は引けてると思いますので、業務の支障はそこまでなさそうですね」

白銀 電話「データの状況確認。 バックアップの状況を把握しておくこと。 作業途中だったものも、チェックしておくこと。 とりあえず、平はそこまで、後は課長に判断を仰ぐように」


倉持は電話を切ると、金剛へメッセージを送った。


倉持「さて、時間が惜しい。 復旧するまでに話をしておきましょうか」


倉持はボイスレコーダーを取り出す。


白銀「準備良いわね」

倉持「まず、営業部は緑谷の可能性が高い」白「ウチは筑紫さんね」倉「同じく派遣だな」白「ログから見ても、こっちはほぼクロ」倉「こちらは証拠は弱いですね」白「筑紫さんから、崩す方がよさそうね」倉「コミュ状況は?」白「イマイチ 業務だけね」倉「なら、並行して緑谷の言質を取る方がよさそうだ」白「だね。 たらしこんじゃえ」倉「その手の動きはやめろ。 そちらは相当警戒しているだろう。 おそらくこの停電も筑紫さんかな」白「だろうね。 能力はずば抜けて高いからね」倉「へたに刺激しない方がよいな。 やはり、緑谷から行こう。 日曜日に動いてみる」

白「了。 こっちは、間接的に詰めておくわ」倉「分かった。 セキュリティの方はどうする?」

白「まあ、今回の停電はかえって好都合。 これを利用して、セキュリティ強化を上に打診できるわ」 

倉持 白銀 「で…黒幕は?」


倉持「…」

白銀「…」

倉持「かなり…やっかいだろうな…」

白銀「そうね… この予想は外れることを祈るわ… う…」


白銀が急にうずくまる。


倉持「大丈夫か!」

白銀「も…催した…」

倉持「…」

白銀「…ふふふ、知ってたか? 美女だって、トイレはするんだぞ」

倉持「よく存じてる」

白銀「しかし、まずいな。 液体ならまだしも、固体をするのはさすがに恥ずかしい」

倉持「かろうじて羞恥心が残っていてよかった」

白銀「ああ、飲ますのはいいが、食べさせるのは無理だ」

倉持「その話、もうやめないか? さすがに引くぞ」

白銀「引いたところで、ここは密室…退路はない。 それにもう引っ込みがつかないとこまで、キテルぞ」

倉持「…」

白銀「冗談だ。 半分な」

倉持「どこで分かれる半分だ?」

白銀「液体と固体だな。 液体がやばいとこまで来てるのは、事実だ」

倉持「進捗過程の方であってほしかった…」

白銀「よいしょっと」


白銀がおもむろにスカートを下す。

黒い下着があらわになる。


倉持「ま…待て、ここでする気か」

白銀「いやいや、さすがにしないよ。 締め付けが苦しくて…な」

倉持「…」


倉持(よくこういう状況で、偶然ペットボトルなど持っているものだが… ん… あー あったな…てか、ずっと左手に持ってたな。 このタンブラー… 会議室で飲もうと思って持ってきてた…

天井突き破って、上でしてもらうのもアリだけど…さすがに、肩車したら、バランス崩して、その衝撃で、飲尿スタイルになるのは目に見えている… このタンブラー)


白銀(倉持…タンブラーを持っている… けど、さすがにアレにさせてというわけにはいかない…だって、あれは…… となると、天井突き破って上でするか? けど、持ち上げられてるときに、バランス崩して、その衝撃で飲尿スタイルになるのは目に見えている…ここは、ストッキングを丸めに丸めて、袋状にして、そこに用を足すしかないか…)


顔を真っ赤にしながら、ぷるぷる震える白銀を見かねて、倉持はおもむろに床に寝転んだ。


倉持「喉が渇いたな。 なんでもいい、液体をくれ」

白銀「ちょ…何を言って… 正気か?」

倉持「ああ」


白銀(なんて、まっすぐな眼なんだ…)

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