倉持がプールに行く(第4回戦)
暗闇ウォータースライダーの前に立つ倉持。
青野「先輩。一緒に乗りましょー」
倉持(南無三)
倉持「い、いや一人で滑りますよ。 暗闇で何が起こるか分かりませんし…」
青野「何が起こるって言うんですか?」
基本的に倉持は上品である。
頭の中でおっぱいと思うことがあっても、それを口に出すようなことはしない。
まして、ポロリやチラリなどはっきり言うことはできない。
しかも女性に対して言うなど倉持の品性が許さないのである。
倉持は口をもごもごさせる。
その隙を逃す青野ではなかった。
青野は倉持を強引に連れて、スライダーに入り込んだ。
歓声を上げながらチューブを進む。
スピードは遅いが、暗闇と言うことで、体感早く感じる。
青野はがっちりと倉持に抱き着く。
水着越しに弾力が伝わる。
倉持(くううう。 柔らかいイイ。 水にぬれた肌の密着感がヤバい…)
水が肌と肌のデコボコの隙間に入り込み、まるでボンドのように密着させる。
倉持の首の裏に、非常に柔らかい感触がダイレクトに加わる。
倉持(このぷにぷに感… 頬か?)
倉持の首筋に水とは違う粘り気のある感触が伝わる。
その感触は首を上下左右と這いずり回る。
肩から胸にかけて腕の感触が伝う。
後ろからの抱き着きと首責めのコンボ、さらにそれをしているのが青野ということもあり、倉持はギャップにたじろいでいた。
倉持(こないだ宣戦布告があったとはいえ… まさかここまで積極的とは… だめだ、首は…弱い)
さらに青野は耳に舌を移動させる。
耳の裏、耳たぶの下から割れ目に沿って舌をはわす。
倉持は耳の周辺に生暖かい吐息を感じる。
舌はさらに奥へ進み倉持の穴に侵入しする。
さらに、胸元にあった腕は、倉持の腹部のラインをなぞっている。
暗闇の中、倉持の耳には粘液がはじける音が響く。
耳たぶをハムっと甘噛みされるのも、効果抜群である。
倉持は自慰もするし、人並みにスケベでもあり、女体もたくさん見ている。
視覚的な性的刺激にはいくらか耐性がある。
しかし、童貞であるがゆえに絡みの誘惑にはめっぽう弱いのである。
青野は、その弱点を推測し、的確に攻めていた。
青野(視覚的エロ情報には慣れている… だから、あえて視覚的情報を遮断。 そして、そもそも弱点である耳… 音による官能的な刺激を加えることで、一気に攻めるっっ…)
倉持「う…あ…ん」
倉持の口から、声が漏れる。
しかし、それを必死にこらえる。
青野は、足を倉持の前に回す。
より密着度を上げるとともに、自分の太ももと倉持のふとももをこすり合わせる。
余談であるが、古代ギリシャでの男性同士の行為は太ももの間に挿入するという、今で言うスマタの方式で会った。
太ももは男性にとって、性感帯でもあり、男性の官能部位の一つでもある。
倉持の太ももの間に青野の足が侵入する。
青野は倉持の罪悪感さえも無視して攻める。
無論青野にも罪悪感はあった。
倉持の優しさに付け入るような行動をするのも、倉持に余計な罪悪感を与えるのも、申し訳なさは持っていた。
しかし、倉持がリスクをおってでも全力で遊ぶことを選んだように、青野もまた、遠慮をせずに全力で倉持にぶつかることを選んだのである。
ジョディや白銀のように、そもそも倉持に強い恩義を持っている場合にはできない行動である。
青野は恩義はあるものの、命を救われたというほどの大きなものではなく、ありがたさは感じているものの、どちらかと言えば対等。先輩後輩と言う立場や恩義は在るものの、等身大の人間としては同じ立ち位置にいる。
それゆえに、攻めに躊躇はない。
こういった行為によって嫌われてしまうリスクも承知の上で、それでも倉持に自分のことを刻みたいという一心であった。
少しでも長く、少しでも近くにいたかったのだ。
だが、青野の足が倉持の内部に近づいた瞬間、青野は口と手足の動きを止めた。
青野「…」
ウォータースライダーがトンネルを抜ける。
そのままの勢いで着水する。
青野は顔からツッコむ。
倉持は青野の肩を揺さぶり、起こそうとする。
青野は勢いよく顔を上げて、そのまま倉持の前から走り去った。
倉持は青野を目で追う。
青野の姿が見えなくなってから、ゆっくりと、重い足取りで次のアトラクションへ向かう。
ゆったり流れるプールに入る。
倉持は大きな浮き輪を浮かばせて、その上に乗り流れに身を任せる。
プールの天井は高い。
耳に残る感触を記憶を頼りに反芻する。
背筋から脳にかけて震えが伝わる。
その瞬間、倉持の顔が歪む。
一方そのころ
青野は物陰に隠れて、眼の付近の水滴を拭っていた。
そこに赤井が顔を覗かせる。
赤井「青野さん…大丈夫?」
青野「…え、あ、はい… 赤井先輩… 大丈夫です」
赤井「…何かあった?」
青野「…いえ、何も」
赤井「そう… 話は変わるけどさ… 今日倉持さん… たってないよね」
青野「…話は変わってないですよ…」
赤井「…そう。 あー、ショックを受けたのね」
青野「ちょっと残念だっただけです…肩透かしにあったというか…」
赤井「…結構本気なのね」
青野「そうですね… 本気…です」
赤井「惜しいわね。 ちょっと前なら、応援してあげたんだけど… 今私フリーだし」
青野「…」
赤井「まあ、頑張りましょう。 お互いに」
青野は以前、白銀達によってギンギンになっていた倉持のアソコを思い出していた。
目の前にそびえたつ巨塔。
あれぐらい自分にも反応してほしかったのだ。
それがあれば、もう少し頑張れる…と、思っていた。
その淡い希望が打ち砕かれ、心が折れかけていた。
4回戦の勝者なし




