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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
日常編① 起
7/371

倉持は星が見たい(前編)

三奈 18 162 56 

女子高生

そこそこ巨乳

中学受験の際に、当時大学生だった倉持から勉強を教わっている


赤井 経理部 27歳 162 56

倉持とは同期

経理部のエース

ややショート

下着がセクシー

スタイルはバランス型


青野 営業部 23歳 168 60

倉持の直属の部下

豊満なバストを誇る

髪はサイドでくくっている

天然気味


黒田 営業部 30歳 165 62

倉持の先輩

ふくよか

うっかり

おやつ好き


緑谷 営業二課 26歳 160 58

契約社員

うっかり




倉持の部屋は現在吹き抜け状態である。

以前崩れ落ちた桜の部屋はまだ直っていない。

桜は現在、仮の部屋に住んでいる。


倉持は時折上を見上げる。

金曜日の朝、食事を終えた倉持はふと、頭上を見上げて思った。


倉持(星が見たい!)


倉持は自然に身を置くことが好きである。

多忙でないときはキャンプや釣り、河川敷の散歩に出かけていた。

一人で自然の中にいるときは、ラッキースケベ発動率がかなり低くなるのも、その要因である。

実家にいるときは、時折近くの小高い丘に登り、星を眺めていた。


倉持はあえて、星の知識は身に着けないようにしていた。

キャンプや釣りについても、必要最低限の知識は身に着けているが、過剰な知識をつけようとはしない。

それは、彼の自然に対する哲学のあらわれであった。

一定の知識は理解のために必要不可欠であるが、過度な知識を得ると、理解を通り越して支配的な感覚につながりうると、倉持は考える。

自然とよき友であり続ける姿勢…それゆえあえての無知であろうとしているのである。


倉持(そうと決まれば、今日は仕事をきっちり切り上げて、プラネタリウムに行こう。 本当の星は再来週実家に帰ってじっくり見ることにしよう)


倉持は財布の中にプラネタリウムの会員証があることを確認し、さらに入場料を財布の別の場所に移した。


倉持(確か、この時期は夏の大三角形のイベントプラネタリウムがやってるはず。 イベントは18時30分開始… 仕事を17時にきっちり終えてから、一度帰宅…その後シャワーを浴びて、電車でプラネタリウムに行けば十分間に合う)


倉持は心なしかウキウキしながら、電車に乗り込んだ。

倉持はゆったりとシートに腰をかける。

この時間はたいてい空いている。


三奈「倉さん。 どしたん。 嬉しそうだけど」


倉持に影がかかる。


倉持「おはよう。 三奈さん」

三奈「三奈でいいってば。 珍しくにやけてるけど、いいことあったん?」

倉持「ああ、今日はプラネタリウムに行くんだ」

三奈「プラネタリウム」

三奈(プラネタリウムって… デート? だって、普通アラサーの男性一人で行かんよね… えー…マジかぁ… いい人いるんだ… まあ、そりゃ…これだけカッコいいなら… そうだよね…)

三奈「はぁー」


三奈は深くため息をついた。


倉持「大丈夫?」

三奈「うん… じゃあ、仕事のあと、待ち合わせとかしてんの?」

倉持「待ち合わせ? 誰と?」

三奈「え? 誰かと一緒に行くんじゃないの?」

倉持「プラネタリウムのことか? 一人に決まってるだろ?」

三奈(え…そうなの? 一人プラネタリウムが普通なの? いやいや…倉さんは普通じゃないとこもあるから、普通じゃないかもしれんし… でも…これって、もしやチャンス?)

三奈「へー… でも普通は男性一人じゃ行かないんじゃない?」

倉持「そうか?」

三奈「ってか、私もプラネタリウム興味あるし… 一緒に行ってもいい? なんて」

倉持「分かった。 じゃあ、仕事終わったら連絡するから、プラネタリウム入り口で待ち合わせようか。 えーと、あ、もちろん制服はダメだからな。 それと念のため身分証も持ってきて」

三奈「いいんか」

倉持「見たいんだろ? 私の年間パスがあれば、一緒に行く人3人まで割引になるし、お得だよ」

三奈「…う…うん。 分かった」

三奈(よっしゃあああ。 腑に落ちんとこもあるけど、とにかくよっしゃあああ)

倉持「あ、遅くなるかもしれないから、親御さんには私からも連絡しておくよ」


電車が到着する。

三奈は倉持と一緒に降りると倉持の前を歩く。

三奈が階段を先に登り切ると、振り返って、満面の笑顔で行った。


三奈「じゃあ、またあとで」

倉持「ああ」


その瞬間、風が吹き、三奈の膝上5㎝たけのスカートがめくれる。

青色のストライプ柄である。

倉持は100円を渡して、職場へ向かった。




職場に到着すると、デスク上のメモとメールをすばやく確認する。

あらかじめ考えていたToDoリストに、修正を加えて、本日のスケジュールを完成させる。


倉持(ロスタイムを考慮しても、十分間に合うな… システム障害なんかのトラブルがなければ…)

黒田「倉持ー ヘルプ―」

倉持「…なんでしょう? 黒田さん」

黒田「システム障害よ! 朝の寄り付き注文が正常にできない可能性の顧客がいるの」

倉持「…えーーと。 金剛部長は?」

黒田「システム部との確認中よ。 他の事は倉持に任せたって」

倉持(部長ううう)

倉持「…」

倉持「分かりました。 復旧までどれくらいかかる見込みですか?」

黒田「70分」

倉持「際どいな。 ひとまず大至急障害発生についてのメールを全顧客へ。 青野さん頼む。 文面確認は黒田さん頼みます。 青野さんメール作成中、黒田さんはテレサポや新人、派遣社員に、応対マニュアルを伝えてくれ。 他のみんなにもそれぞれ、VIPや電話連絡希望者への連絡を割り振る」

倉持「あとは復旧状況を見ながら、判断していこう。 それと、どうしても納得できないという顧客は私や黒田さん、部長で対応するから折返し対応にするよう誘導してくれ」


倉持の指示を受けて、各自持ち場へ戻る。

システムは60分で復旧。 クレームはあったものの、実質的な被害は防ぐことができた。


倉持(…何とかなったな… みんなよく対応してくれた… しかし、これで2時間のロスか…)


倉持はタンブラーのコーヒーを飲み、一息つくと、業務に戻った。

そこに赤井が書類を持ってくる。


赤井「朝からお疲れー。 これ、悪いけど、書類ざっと目を通してくれる?」

倉持「ああ、分かった」


倉持が書類を見るとメモが張ってある。


赤井メモ「おつー 旦那、週末ですぜ 久しぶりに飲みいかない?」


倉持はメモの空きスペースにささっと返事を書く。


倉持メモ「不可。 今日はプラネタリウムへ行く」


赤井「えー… 私よりも星を選ぶんか」

倉持「今日は無性に星が見たいんだ」

赤井「…一人で?」

倉持「いや、知り合いと約束している」

赤井「は? マジ? あんた男友達いたの?」

倉持「? 女性だが?」

赤井「えええ… 彼女いんの?」

倉持「? いや、元教え子だ」

赤井「…それはデート?」

倉持「いや、星に興味があるみたいだから、誘ったんだ。 私の年間パスを使えば、3人まで割引されるんだ」

赤井「……へーーー。 わ…私も…星、見たいかも」

倉持「そうなのか? 言っちゃ悪いが意外だな? じゃあ、一緒に行きますか?」

赤井「え…あー…まあ、暇だしぃ… 行く…かな」

倉持「じゃあ、プラネタリウムの入り口で落ち合おう。 また連絡する」

赤井「わ…分かった。 じゃあ」


赤井が立ち去ろうとしたとき、机にぶつかり転んでしまう。

黒いレースのついた下着があらわになる。

倉持は100円を渡す。


赤井を見送ってから、倉持はささっと書類に目を通す。

特にチェックが必要そうな内容ではなかったので、ものの10分で確認が終わった。


倉持(よし、いい気分転換になった。 大きな仕事の前に、こういう肩慣らし的な仕事を挟むのは切り替えに丁度良い)


倉持は昼食もとらず、一心不乱に業務に取り組んだ。

ふと時計を見ると3時前だった。


倉持(もう3時か… この調子なら、業務は終わるな… このままなら)


そこに金剛と黒田がやってくる。


金剛「ふー… やっと、会議が終わった。 倉持、現場の指示助かったよ」

黒田「ホント、倉持は頼りになるよー はい、お菓子」

倉持「いやいや、皆さんお疲れ様です。 新人たちも、落ち着いていい動きしますよ。 クレームも2件ほどで済みました。けど、焦るので、こういう取引そのものにかかわるトラブルは起こってほしくないですけどね」

金剛「だな… 倉持…この後…来れるか?」

倉持「…大丈夫ですよ」



倉持は金剛に連れられて、部長室に入る。


金剛「すまんな… 今回のことで、相談があってな…」

倉持「…あー 人為的…だったんですね?」


金剛は静かに頷く






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