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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
藤壺編
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倉持は相談を受ける(赤井編)

-金曜日の夜

倉持と赤井は居酒屋を訪れていた。

奥のテーブル席に案内される。

飲み物を決めて、つまみを選ぶ。


赤井「なんか、ずいぶん久しぶりな気がするな」

倉持「だな… 一カ月ぶりぐらいかな、この居酒屋」


赤井(鈍いのか天然なのか… 二人きりになるのが…なんだけど)


赤井「頼んでいい?」

倉持「任せる。 赤井と一緒だと、助かる」

赤井「まあ、倉持が選ぶと、いつまでたっても決まらないからな」

倉持「そうそう、この間青野さんと昼ごはん行った時にも、時間がかかってしまったよ」

赤井「…へー… 何人で行ったの?」

倉持「青野さんと二人だけど」

赤井「へーーー。 最近仲いいわね。 こないだもグランピングに行っちゃってさ」

倉持「そうそう、有り難い事だよ。 なかなか後輩に誘われるってないからさ。 嬉しい限りだよ」

赤井「…そうね。 後輩の女の子にね。 モテモテですねぇ」

倉持「そんなことないよ。 相談に乗っただけだよ」

赤井(ばかねぇ…下心なしに相談なんてするわけないじゃない)

赤井「そうですか… 倉持先輩は頼りになりますね」

倉持「大したことはできないよ…ただまあ、できることはなるべくするってだけだよ」

赤井「ふーーん。 まあ、刺されないようだけ気をつけなさいよ」

倉持「え、そんな物騒なことになる?」

赤井「女性の愛は重いのよ」

倉持「へー」

赤井「まあ、いいわ。 それでも、いざとなったらアンタはうまくしそうだし」

倉持「あ、ああ」


赤井は店員に注文をする。


赤井「他にいるものある?」

倉持「いや、大丈夫」


赤井はメニューを置いて、お冷に口をつける。


赤井「はー。 ところでさ… 白銀との同衾ってどういうこと? その話さえ、私の中でまだもやっとしてるんだけど? もしかして、そういう仲なの?」

倉持「あー。 話せば長くなるんだけど、簡単に言えば…一緒に出張行く→藤壺さんが一部屋しかとってなかった→どこも空いていなかった→一緒に泊まった。 という感じだよ」

赤井「へえええ。 まあ、アンタのことだからそういうこともありうるって訳ね」


お酒が運ばれてくる。

倉持も赤井も会釈して受け取る。


赤井「で…結局やったの? やってないの?」

倉持「してないよ」

赤井「ふーーん」

倉持「ほんとに」

赤井「かわいそ」

倉持「…」

赤井「フォローはしたの…」

倉持「した… 多分…」

赤井「すかされたり、手出されないと…本当にショックだからね… 分かってると思うけど」

倉持「ああ」

赤井「ああ、ごめん。 つい… あの、別に今日は、そんなせめるとかそんなつもりじゃないから…いや、ちょっとひどいなとは思うけど…本題は、そうじゃなくて… あの、ちょっと相談があって」

倉持「…相談? どうかした?」

赤井「いやー… あのさ… ほら、元カレいたじゃん。 結構長い事付き合ってた」

倉持「…ああ、あの人? あの、浮気した」

赤井「…とげとげしいな… うん、まあ、その彼」

倉持「どうかした?」

赤井「その…彼がさ… いや、こんな話されても倉持困るかもだけど… 部屋来るのよ…たまにさ」

倉持「うん」

赤井「でさ… あの、童貞にはきつい話かもだけど… まあ、その…そういう流れになるのよ…」

倉持「大丈夫、知識はあるから」

赤井「う、うん? まあ… でさ… でも、これでいいのかなぁって思うのよ… 私もね… あの、都合よく利用されてるだけじゃないかって、よぎるのよね… でも、邪険にもできないのよ。 今アイツ誰とも付き合ってなくて…はっきりとは言わないけど、復縁したい…みたいな感じ出してくるし」

倉持「うん」

赤井「そうするとね… やぶさかでもないのよ。 私も。 アイツがね… 本当に過去を反省しててさ… そのうえで復縁できるならね… したいって思うわけよ。 まあ、あの件では倉持にも迷惑かけてしまったけど…それで、こんな話持ち掛けるのも悪いと思うけど」

倉持「まあ、それは大丈夫。 大したことはしていないから」

赤井「…そう? …ねぇ? 私どうしたらいいと思う?」

倉持「…とりあえず、飲み食いしながら聞きましょう。 いくらでも付き合います」

赤井「すまんね」


卵焼き、枝豆、ホッケ、揚げ出し豆腐、アジの南蛮漬け、味付けのり、たこわさ…次々と料理が運ばれる。


倉持「やはり美味しいですね」

赤井「だね」

倉持「…先に言っておきますね。 私は彼のことを良く知りません… それと肯定も否定もする権利はないと思ってます。 ですから…赤井さん。 赤井さんの思うこと、とりあえず言ってください。

それに頷いたり、首を傾げたりはできます」

赤井「ああ… そうね。 アンタはそういうヤツだったわ」

倉持「…ええ、こんな奴です」

赤井「はあー… まあ、そうね。 私もねぇ… もっと自分ははっきりした人間だと思ってたのよ。

でも、ホント、悩むんだわぁ… 年も年だし、焦りも出るの… いつまでも恋なんてできないのよね」

倉持「うん」

赤井「だから、もうね。 とりあえず過去、まあ、アイツのことは好きだったわけよ。 で、今もキライってわけじゃないの… だからさ… 悪い気はしないの…」

倉持「うん」

赤井「でも… 抱かれてるときね… あ、抱かれるってあれよ。 あのー。 してる時…」

倉持「いくら童貞でも分かります」

赤井「その時にさ… 別の人が思い浮かぶの… なんかさぁ…それがさ…スゴイ悪い気するの」

倉持「うん」

赤井「報われない恋って言うのかな… なんか、そういうの… ああー… うまく言えないけど」

倉持「…」

赤井「…」

赤井「…」

赤井「…」

倉持「…このノリ美味しいですよ。 ホッケも」

赤井「…ありがと」

倉持「飲み物追加します?」

赤井「うん」


倉持は店員を呼び追加のアルコールを頼んだ。


倉持「…」

赤井「…」

倉持「好きな体位はなんですか?」

赤井「へ? た、体位? 何言ってんの?」

倉持「…私は立ち松葉です」

赤井「…何その体位」

倉持「松葉ってありますよね… 松葉は男女の足が互い違いになるように交差する体位で、その立つバージョンです」

赤井「頭に血が上りそうね」

倉持「ええ、かなりハードな体位です。 こんな感じですね」


倉持は両手の中指と人差し指を使い実演する。


赤井「ヤバいヤバい。 人間業じゃないって…」

倉持「すごいですよね」

赤井「でも、したことないんでしょ?」

倉持「ええ、ないです。 想像ですよ。 想像」

赤井「いっちゃってんね。 ヤバいわその想像」

倉持「そうなんですよねー 童貞ならではの想像です。 していないからこそできるものです」

赤井「…はは、ホントばかね」

倉持「きっと私は死ぬまで立ち松葉です」

赤井「…ふっ」

倉持「…ホッケ、この時期も美味しいですけど、秋のピークにまた食べたいですね」

赤井「だね」

倉持「また、来ましょうね」

赤井「はは、復縁してなきゃ行くわ」

倉持「ですね… 今度は私が殴られます」

赤井「意外と倉持って、手が出るよね」

倉持「男に対しては手が早いんです」

赤井「そっち系?」

倉持「さあ… したことないから分かりません」

赤井「はは」

倉持「…お代わりいります?」

赤井「…いや、これでいいかな? なんか… うん… 自分で何とかできそう」

倉持「なら良かった」

赤井「でも、何かあったら… また相談のってくれる?」

倉持「予定がなければいつでも」

赤井「とりあえず… まあ、大丈夫だわ… ありがと」

倉持「力になれたとは思えないけど… まあ、解決したならそれで…」

赤井「…解決は…まあ、いいわ… やがてで…」


その後、しばらく職場の話をする。

夏真っ盛りの時にキャンプに行く話が持ち上がる。

倉持は非常に乗り気でプランを考える。


結局その後4杯お代わりすることになった。


挿絵(By みてみん)

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