漢の闘い②
倉持は距離をとる。
そして、腕のストレッチをする。
ぐいぐいと伸ばした後、ぶらぶらと力を抜く。
先祖「舐めているのか?」
倉持「いえ…本気ですよ。 私はいつでも…何に対しても…本気です」
先祖「そのようなことをしたところで何にもならん。 おとなしく我々と一体となり、神の元へ行くのだ。 その方が救われる…ここにはお前と同じ境遇のものしかいないからな」
倉持「…救い。ですか? それなら別に結構です。なぜなら私は既に救われているから」
先祖「…強がりを」
倉持「いえ…強がりなんかじゃありませんよ。 私はとっくのとうに救われています」
先祖の集合体は倉持に向かって拳を振り下ろす。
倉持はその軌道をよんで身をかわす。
倉持「まず、私は…両親と花さんに救われました。 この人たちが私を倉持家から遠ざけてくれなかったら…私に自由はありませんでした」
腕からさらに腕が伸びるが、倉持は避ける。
倉持「そして、千秋姉さん、真冬姉さん、千夏に救われました。本当の家族として…ずっと私と共にいてくれたんです」
倉持は飛び上がり先祖の額に拳を入れる。
ダメージはないものの、先祖は倉持を捕捉できないことに驚きを隠せなかった。
倉持「学園長はこんな私を迎え入れてくれました。 そして、霞は私を受け入れてくれた! こんな私を好きになってくれたんです」
次々と先祖は拳を繰り出すが、倉持に当たることはなかった。
倉持「そして、大学では桜さんが、藤壺さんが…店長が私を助けてくれた…私が呪いに立ち向かおうと思うきっかけをくれたんです」
倉持「由紀さんと紅葉さん、宇美さん…みんなとの日々が私の心をいつも前向きにしてくれた」
先祖は巨大は腕を形成し、一気に倉持に振り下ろした。
だが、倉持は潰れていなかった。
振り下ろされるまでの間に、倉持は先祖の脚の間をすり抜けて背後に回っていたのだ。
倉持「金剛部長、黒田さん、赤井さん、白銀さん、緑谷さん、筑紫さん、灰田さん…仕事の大事な仲間であり…心の支えです」
倉持「ジョディ、三奈さん、桃井さん、ミモザさん、愛里さん…立場や関係性は違うけど…私のことを想ってくれた人たちです。彼女達がいなかったら…私はとっくのとうにくじけていました」
倉持(そして…私を全力で愛してくれた人…がいる)
先祖の背中から腕が飛び出す。
到達するまでのわずかなラグを見極め、倉持は回避した。
先祖「綺麗ごとをッッ」
倉持「ええ…そのとおりです… これは、建前上の気持ちです」
先祖「どういうことだ?」
倉持は大きく息を吸い一息に語った。
倉持「ぶっちゃけ呪いとかなんとかなければ、めちゃくちゃ全員だきてぇしぺろぺろしてぇしもうなんかこう色々としてほしいッッ!!!足で踏まれたいし、手で全身をなでなでしてもらいたい、耳に吐息を吹きかけてほしいし、優しく甘やかしてほしい、けどたまにどぎつい言葉で罵倒されたし、どことは言わないけど足でコシコシして欲しいし、髪の毛でいじられるのも気持ちいいし、でもやっぱりおっぱいってすごくいいよねってことで、おっぱいで全身を包んでほしいし、お尻もすごく好きだからなんならお尻で顔を押し潰してほしいとも思うし、ああ、でもやっぱり、ピーをこれでもかというほど舐めまわして味わいたいし、それで恥ずかしそうに感じている表情をみるのもしたいし、なんかこうもう、ほらさ女の子って全身スゴクきもちいいじゃんかさ、だからそれを全身全霊で堪能したいって訳なの、私の全身の感覚機能を最大限に駆使して女の子たちの可愛いところ綺麗なところも、見せたくないなあって思っているところも全て完全に余すところなく感じたいって思っていて、そうだな、オシッコとかツバとかを全身にかけられるのもいいって思うぐらい彼女達を感じたいって思ってる」
先祖「何を…言っている?」
倉持「でもなんだかんだ言って…一番私が感じたいのは…彼女達の心なんだ。私は彼女達の想いをしっかりと受け止めて…そして…それに応えたいんだ」
倉持「私は… 私を想ってくれる人達の全てを… いや… 私に関わってくれる皆を…受け入れたい…」
倉持は先祖の目の前に来ていた。
倉持「それは… 貴方たちも含めた…皆です」
先祖「…な」
倉持「私は貴方たちも受け入れたいんです」
先祖「できるというのか? お前に… この延々と続く…呪いの連鎖を…憎しみの呪縛を断ち切ることが!」
倉持「断ち切りません!」
倉持は腕を振るう。
そして、飛び上がり、先祖の胸に腕を押し当てた。
倉持「その連鎖だって…私達が紡ぐ螺旋に組み込んでぇ! 未来への糧にしてみせます」
先祖「…」
倉持「幸いもふ幸も全てひっくるめて、力にしてみせます…全てを受け入れて…そしてさらに大きくなっていく… それが… それこそが愛。。。 私の愛で、貴方たちも受け入れて見せます」
先祖「…託すぞ?」
倉持「…はい」
先祖の魂が崩れていく。
そして、その粒子は倉持の中に吸い込まれていった。
倉持「必ず!」
倉持は胸を前で固く拳を握りしめた。




