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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
日常編① 起
2/371

倉持の危機回避

倉持徹は童貞である。

童貞とは女性経験がない男性の事を指す。

ここでいう女性経験は本番行為を示す。


ちなみにファーストキスもまだである。

ただし、ク○ニとス○タは69回ほど経験している。

しかしながら、いまだ彼の陰茎は女性に侵入したことはない。


ひとえに、彼の自制心の高さと、冷静な判断力、最悪の事態は避ける超危機回避能力によるものである。


今回は彼の童貞保守についての話になる。



いつものように、ランニングに向かう倉持。

ジョディに声をかける。


倉持「おはよう ジョディ」

ジョディ「トオル おはよう」

倉持「お父さんは元気?」

ジョディ「元気だよ。 けど、仕事が忙しいってさ。 でも、トオルと会いたがってたよ」

倉持「そうか… じゃあ、良い話があるって伝えといてもらえる?」

ジョディ「OK 朝から仕事熱心ね」


会話が弾む倉持とジョディ とそこにトラックが突っ込んでくる。

これがラブコメでなければ大参事である。

車道側にいた倉持はトラックの突進をいち早く察知した。

とっさにジョディを抱え、茂みに飛び込む。瞬間、自分が先に茂みに飛び込むように体をひねる。


ジョディ「おー 朝から、大変…ありがとうトオル」

倉持「もがもが」


倉持の顔にはジョディの豊満なバストが直接当たっており、倉持はジョディの右の乳頭を口に含む形となっている。

倉持が身体をひねった瞬間、倉持には二つの危機が訪れる。

一つは口づけ

もう一つは、茂みに入った瞬間、破れてモロだしになった自分の陰茎がジョディに侵入してしまうことである。


そこで、倉持は落下の最中、ジョディの肩を20㎝ほど持ち上げ、ジョディと体が重ならないようにしたのである。

しかし、ジョディの豊満なバストは落下の衝撃でポロリとあらわになり、倉持の顔面に直撃したのであった。


ジョディは財界の令嬢であった。

結婚する気もないのに、接吻…ましてや婚前交渉をしてしまえば、その男はむごたらしい目にあう。

倉持は当然そのことを理解していた。

それゆえの対応で会った。


倉持はショルダーバッグに入れていた予備の下着とウェアを身に着けると、ジョディについた枝葉を丁寧に落とし、3000円支払ってからその場を後にした。


その後、彼はシャワーを浴びる。

彼の背中をよくよく見ると、無数の傷跡がある。

これは彼が女性を守ってきた証であり、傷一つ一つが彼の誠実さの証である。


倉持「うっ…あー…古傷か…」


この古傷は13年前についたものである。

当時15歳の倉持が部屋でくつろいでいると、台所から声がした。

料理は兄弟で持ち回りでしていた。

倉持は週に3日後は姉二人と妹が1日ずつ料理をしていた。

その日は金曜日。


金曜日は妹がカレーを作る日であった。


妹には甘い倉持は、悲鳴を聞きつけて台所に向かった。

妹の千夏がへたり込みながら天井を指さしている。

天井には包丁が突き刺さっている。

その先端には悪名高い黒い虫が蠢いている。

包丁は先日倉持が研いだばかりであり、切れ味抜群である。

それ故か、黒い虫はまだ自分が貫かれたと認識していない様子である。


倉持が天井の包丁を抜くために、調理スペースに向かう。

調理スペースに入った瞬間、倉持の足が摩擦を失う。


倉持「!」

千夏「あ! さっきオリーブオイルをぶちまけたんだった」

倉持(おいおい、オリーブオイルは高いんだぜ…よしてくれよ)


倉持はバランスを崩し千夏に向かって倒れる。


千夏の服はめくれ、倉持の顔は千夏の発展途上の胸に突っ込む。


千夏「あ…ん…ん」


その時倉持は危機を感じた。

自分たちに向かって落下してくるものを察知したのだ。

とっさに、倉持は千夏をその全身で包み込むように抱きしめる。


千夏「ああ…」


それを見ていた黒い虫は、自分の状況を理解した。

ゴキブリ「そうか…俺の身体は何かに貫かれたのか…もはやこの命長くはもつまい…」

ゴキブリ「このまま落下したならば、おそらくこの何かは下にいるでかいものも貫くだろう」

ゴキブリ「俺の知ったことではない…しかし、何だこの胸に去来する思いは…」

ゴキブリ「このまま…下にいるでかいものの上に落ちてはいけない…」

ゴキブリ「このでかいものはやがて大きなことを成す…そんな気がする」

ゴキブリ「…俺の命…今振り絞るとき」


黒い虫が羽を広げる。

身体の中心を貫かれているため、羽は無事広がった。


それにより、包丁の軌道は20㎝ほどそれた。

そして、倉持の右わき腹をかすめて、床に突き刺さった。

この黒い虫の機転がなければ、包丁は倉持の臓器深くに突き刺さっていたであろう。


倉持はオリーブオイルにまみれて、最後を迎えようとしている黒い虫に何かを感じた。

倉持は黒い虫を自分の父が眠る墓近くの山林に葬ると、静かに礼をした。

妹には50円支払った。



シャワー中の倉持はハッと我に返る。


倉持(来週…実家に帰るかな…たまには風呂で足を伸ばしたいし)


ノズルをキュッとしめる。

























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