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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
決意編
197/371

倉持と合コン(後編)

その後も、合コンを知らないメンバーたちによるグダグダの合コンが繰り広げられた。

このまま何も起きずに終わってしまうのかと思いきや、倉持が動き出した。

倉持が席を立つ。

灰田にアイコンタクトを送る。


倉持が部屋を出てから、数秒後に灰田が部屋を出る。

階段の踊り場に移動して作戦会議を始めた。


倉持「灰田さん… ムードを作れず、すみません」

灰田「…いや、その点は最初から期待していません」

倉持「ええっっ!」

灰田「倉持さんの知り合いにまともな人がいるわけないじゃないですか」

倉持(あれ… 私と灰田さん… まだ出会って数カ月だよね… もうそんな評価?)

灰田「でも、いい人たちばかりですけどね。 正直、今日で決めようなんて思ってなかったので… 今日は… 藤壺さんと2人きりで会うのが、まだ緊張するから… でも、おしゃべりしたかったから… お願いしたって感じですので… だから、むしろ… すごくいいです。 ありがとうございます」

倉持「そうですか… それなら良かった」

灰田「お気遣いありがとうございます。 さて、早く戻りましょう。 誤解されますからね。」


灰田が上を見ると…

そこには藤壺が立っていた。 


灰田「ふ、藤壺さん」

藤壺「へー… そっかー」


倉持は場所を譲った。

藤壺は灰田に壁ドンをした。


藤壺「意識… してくれてるんだ?」

灰田「そ… そりゃあ… キスされたら… だれでも… 意識するでしょ?」

藤壺「ホントに? 誰でも?」

灰田「…」

藤壺「…」

灰田「…」フルフル

藤壺「倉持… 私ら… 抜けるね? よろしく言っておいて」

倉持「承知しました!!」


藤壺は灰田を持ち帰った。

倉持はついていきたい衝動を抑えて部屋に戻り成果を報告した。


由紀「まったく… 私に指示を出すなんて… お前は私遣いだけは荒いなぁ」

倉持「はは、ありがとうございます。 おかげで、ベストタイミングで藤壺さん来てくれましたよ」


由紀「そんじゃあ、私もお役御免かな? アンタたち… 話したい事あるんだろ?」

倉持「…気付いていたんですか?」

由紀(…あるんだ。 カマかけただけだったのに… まあ、いっか)

倉持「ありがとうございました」

由紀「あ…ああ…うん。 …まだいちゃダメか?」

倉持「…」

筑紫「大丈夫だと思いますよ… それにもしかしたら、やがて関わるかもしれないですし…」

真冬「…白銀さん?」

赤井「…そうです」

筑紫「最近… 様子がおかしいんです。 なにか思いつめているような…」

赤井「心当たりはある?」

倉持「二つあります… 一つは…先日のキャンプ… その時うかつにも私は死にかけてしまいました… 白銀さんは… 死に対して… そのトラウマがあるので… それと…もう一つは…」

真冬「本家が動き出した…だろ」

緑谷「本家?」

倉持「遠縁ですが…私と白銀さんは親戚です。 大元に本家、倉持家があるんです」

筑紫「そういうつながりがあったんですね」

赤井「…こないだの早退は関係ある?」

倉持「…鋭いですね。 本家に呼ばれました… そこに白銀さんもいました」

筑紫「そういえば、午後から休んだ日がありましたね。 会ったんですか?」

倉持「いえ、直接会っていません。 ですが、襖の奥から白銀さんの匂いがしたんです」


赤井筑紫緑谷「………」


倉持「どういう意図かは分かりませんが… 白銀さんが今本家とコンタクトを取っているのは間違いないでしょう…」

赤井「…複雑な事情があるのね」

筑紫「…どうして、もっとシンプルに生きられないんでしょうね」


筑紫はわざと挑発するように言った。


倉持「筑紫さん… あえて悪態をついてくださってありがとうございます。 ですが、大丈夫ですよ… だれもあの人を悪く言う人はいませんから…」

筑紫「そうですか? なら、いいです」

真冬「だが… 倉持家が白銀家を受け入れるなんてな… よほど切羽詰まっているのか…」

赤井「どういうことですか?」

倉持「お家騒動ですよ… 倉持家の財産や地位をだれが受け継ぐのか… という話です」

筑紫「私たちが聞いても良い話ですか?」

倉持「…うーん。 インサイダー取引をしなければ大丈夫です… まあ、どうせそのうち知ることになりますから… 早い話… 倉持家の後継ぎがいないから… それを巡った騒動が起きるかもしれないってだけのことです」

赤井「…なるほど。 で、それに倉持さんと白銀さんが巻き込まれる可能性がある…と」

倉持「… まあ、そんなところです」

赤井「そりゃあ、気が気じゃないわね… 納得したわ」

筑紫「でも、それじゃあ… 手の打ちようが…」

赤井「そうね。 私たちが外野になるってことだもんね…」

倉持「…でも、皆さんが心配しているって事実は… きっと白銀さんに届くと思います。 まだ、私も具体的にどうこうする術は思いつかないのですが…」

赤井「私たちにできることがあれば… 言ってよ」

筑紫「ええ… 白銀さん。 あまり話してくれないから…」

由紀「そういうところはこいつも似ているな… まあ、最近ようやく人を頼るってことを覚えたけどな」

倉持「…そうですかね」

赤井「まあ… 倉持家のこと… 気に留めておくわ」


机の上に広がる食べ物や飲み物を片付けて、合コンはお開きになった。

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