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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
決意編
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倉持と合コン(前編)

アマチュアの流儀撮影後

倉持と由紀はカメラを紅葉に返して、そのまま夜の街へと進んでいった。


由紀「どうした? 初めてでキンチョーしているのか?」

倉持「由紀さんこそ… 大丈夫ですか? 震えてますよ?」

由紀「武者震いさ…」

倉持「まあ、私は本当に初めてですので… 手ほどき… お願いしますね?」

由紀「ああ、任せろ!」


2人は大型ディスカウントショップでお酒や軽食を買う。

そして、繁華街にあるビルに入っていく。

エレベーターで上階を押す。

ゆっくりと音を立ててエレベーターが昇っていく。

停まる。

倉持は開くボタンを押す。

由紀は手を上げて、先に降りる。

倉持は閉ボタンを押しながら出る。


受付カウンターに並ぶ。


由紀「予約していた冬野です」


受付を済ませてから、倉持と由紀は防音個室の少し広い会場に進んだ。

すでにそこには人が集まっていた。

向かい合って座っていた。

片方に3人 その反対に3人…

倉持と由紀は人数が合うように別れて座った。

飲み物が配られた。


由紀「すまん… 待たせたな… それじゃあ、始めようか」



参加者は 倉持、藤壺、灰田、筑紫  由紀、真冬、赤井、緑谷 の8名であった。

メンバーが頷く。


由紀「合コン開始いいいい」


合コン…出会いを求めて男女が集まること『合同company』の略 昔は山登りなどのコンパも存在したが、現代においては飲み会が行われることが多い。 


合コンは出会いを求めて行われるものである。

ゆえに今回の知り合いばかりの合コンは正確には合コンではないが便宜上合コンという言葉を用いている。


事の発端は2日前…

倉持に一件の相談の電話が入った。

灰田からであった。


灰田(TEL)「倉持さん… 急なお電話ごめんなさい…」

倉持(TEL)「どうしたんですか? 口調が違いますが…

灰田(TEL)「実は… ガチ恋… しそうなんです」


倉持のてぇてぇセンサーが反応した。


倉持(TEL)「…藤壺さんですか?」

灰田(TEL)「…うん。 リコにも相談したら… 応援してくれるって… こないだの… キ、キスが… 頭から離れなくて… でも、どうすればいいか分からなくて… どうしたら… いいかな?」

倉持(TEL)「任せてくださいっっ!!」


倉持は筑紫の一件で学んでいた。

あの時は1人で何とかしようとして、グデグデだった。

ならば、多くの人の力を借りればいい…

そう、倉持は人に頼ることを覚えたのだ。


ムードメーカー的存在である由紀に話を持ちかけた。

さらにこういうノリに強い赤井と真冬を呼んだ。

そして、理解者である緑谷と筑紫に話を持ち掛けた。


そう、これは合コンの体をなしたお見合いであった。

灰田の恋の成就…

それに向けて皆が心を一つに合わせる!!

これで準備万端、うまくいくはずだと倉持は思っていた。




しかし、それぞれに思惑はあるもの…

倉持の思い通りにことが運ぶわけが無かった。


倉持(盛り上げるゲームについては由紀さんに任せている… 脱衣が絡むものは一切なしといってるから… さすがに大丈夫だろう! 最近由紀さんちょっとおとなしいし)


倉持は由紀に目で合図を送る。

由紀は親指を上げる。


由紀「それじゃあ、ここで、ゲームをするぞー。 みんなフリップとマーカーを持ってくれー。それじゃあ、今から… 予測変換予想ゲームをするぞー」


予測変換…PCや携帯電話に置いて、一文字入力するとその後に続く言葉を検索履歴を元に予想してくれるなんとも便利(厄介で迷惑)な機能である。 履歴や予測変換で検索するとすぐに削除が出てくることからも、それを消したい人が一定数いることが分かる。


倉持、緑谷、筑紫の顔から滝のような汗が噴き出る。

由紀はPC派であり、同期もしていない、基本的に携帯は連絡用にしか用いない。

藤壺と真冬はややそういうコンテンツも見るが、あくまでちょっとえっちぐらいであった。

赤井は書籍派であった…元カレとのやり取りでも、そこまでエグイものはない。

灰田も基本的には紙媒体である。


倉持「…すみません。 きゅ、急に具合が…」


倉持はロープで椅子に縛り付けられた。


倉持「ああああっっ。 スマホが… そうです… スマホが爆発しました」


結びが亀甲縛りに変更された。


倉持「…」


由紀「観念しろぃ。 犠牲になれよ? お前がピエロだ」

倉持「由紀さん… 謀ったなあああ」

由紀「私に幹事を任せたのはお前だ!!」

倉持「くっそおおおおお」


由紀「さて、ルールを説明するぞ… 50枚のカードの中から一枚引いてもらう。 そこには50音の何かが書いてある。 その言葉の予測変換をしてもらう… 簡単だろ?」


筑紫「…」

緑谷「…」

赤井「なるほどねー 普段どんなこと調べてるか分かるってことか」

由紀「そう。 清廉潔白に生きている人にとったらなんてことはないよな? なあ? 倉持?」


由紀は最近青野にベタぼれの倉持を内心良く思っていなかった。

長年桜とのカプを推していた… その2人がくっつくなら諦めてもいいかと思っていた由紀としては面白くない。

だが、同時に青野に対しては、思うところはあるものの、その健気さや可愛さから、まあいいっちゃいいかとも思うようになってきていた。

そうはいっても、長年の推しカプと新規カプ… 簡単に乗り換えられるほど由紀は移り気ではない。

しかも最近あまり構ってもらえないことも、ストレスになっていた。


このもどかしさ… もやもやを解消する術はないか… 

そんな時、倉持から合コンの話が来た。

この機会を逃す由紀ではない。

この機会に倉持をいじり倒して、発散しようと考えたのだ。


そう、これは最初から合コンの体をなしたお見合いであり、かつ倉持の公開凌辱パーティ会場であった。


果たして倉持はこのピンチを乗り越えることができるのだろうか?

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