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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
決意編
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倉持と大いなる力

青野との関係によって自分の弱さを自覚し、ロリとの特訓によって強さを知り、桜との約束によって一層決意を固めた倉持は… 穏やかであった。


シェアハウスに戻ると、青野が紅葉に教わりながら食事を作っていた。

手料理に心ゆり動かされるが、すぐにそれを素直に喜び、楽しみであると伝えた。


とはいっても極端に態度を変えるわけではない。

ただ少しだけ、素直に… 自分の思いに正直に…

受け入れる

相手の心を… 自分の心の思うがままを…


だが、倉持は大いなる力を手に入れたばかりである。

完全に制御できるわけではない。

大いなる力には、大いなる責任が伴う のだ。

力を制御する術が必要なのである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食後、倉持は青野の部屋の前に立ち、ノックをした。

青野が出てくる。


倉持「夜分すみません」

青野「く、倉持さん… どうしたんですか?」

倉持「筋トレ…どうしますか?」

青野「え… だ、大丈夫なんですか?」

倉持「『全裸もこぱじゃ』でなければ」

青野「ぜんらもこ…ぱじゃ? なんですかそれは?」

倉持「ああ、すみません。 急に言われても分からないですよね? ははは。 えーと、よろしければジャージをどうぞ!!」

青野「ジャージですか… い、いいんですか?」

倉持「はい!!。 運動するにはジャージがベストです」


青野は倉持にジャージを渡された。

着替えるとサイズはややゆったりしていてちょうどよい着心地であった。

青野(何でサイズ分かるんだろう… という突っ込みは今更ですね… でも、倉持さん… 本当に何かをつかんだようですね…)


青野は部屋を出る。

青野「お待たせしましたー」

倉持は笑顔で迎える。


倉持「行きましょう! リビングで!」


倉持と青野はリビングで筋トレを開始した。

リビングでは由紀が1人晩酌をしていた。

倉持はことわりを入れてから、その横で筋トレをする。


スクワットと腕立て伏せは一緒にする。

腹筋サポートの時には、腕にミットを仕込んだ。

背筋サポートの時には、由紀の顔を見ることで、意識を逸らした。



完全攻略


完全勝利のファンファーレが倉持の脳内に鳴り響く


倉持(いいんだ… 私は… 青野さんを愛でてもいいんだ。 もちろん青野さんが嫌がることや不幸になることはしない… でも、青野さんを愛でるのは… 自由なんだぁ)


青野「ありがとうございました。 倉持さん。 おかげでいい運動になりました!!」

倉持「いいえ! お安い御用です!!」

青野「あ…でも、このスウェット発汗効果があるやつですね… ダイエット的には嬉しいですけど… ちょっと、汗が…」


汗…基本的に体温調整のための汗は無色無臭である。 これは「エクリン腺」という汗腺から発せられるものであり、全身に分布している。それに対して、脇の下などの限られた部分にある汗腺を「アポクリン腺」といい、脂質やたんぱく質などのにおいの元となる成分を含んでいる。

これは主に体温調整や緊張などの精神的な刺激によって発生する。

アポクリン汗腺から発生するたんぱく質などが皮膚常在菌によって分解されることで、しばしばワキガという症状が発生する。

しかしながら、そもそも「アポクリン腺」そのもののにおいは、個人差はあるが、必ずしも臭いわけではない。むしろ、人によってはフェロモン的な…そそる匂いになることもある。


ところで、倉持は聴覚が発達しているのは既知の事実であるが、実は嗅覚も発達している。

とある事情で、そのことは人に言わないが、匂いに敏感である。


青野がジャージの前ファスナーを開けると、ポロルンとキャミソールおっぱいがこぼれる。

これはかろうじて大丈夫であった。

ぱたぱたと仰いだとき…

青野のにおいが倉持に届いた。


倉持(香り!! イイッッ… 形容しがたいけど… いい香りっっ)


倉持「青野さん!」

青野「は、はい… 何でしょうか?」

倉持「腋を…嗅いでいいですか?」

青野「はあ?」

倉持「腋を匂いたいです!!」

青野「聞こえてましたが… 人間性を疑ったんです」

倉持「お願いします!!」

青野「ちょ… 目が怖いですよ… さ、さすがに運動後の腋を匂われるのはNO… NOです」

倉持「…ちょっとだけでもですか?」


由紀が青野に迫る倉持の肩を叩く。


由紀「倉持…」

倉持「?」

由紀「証拠はあがった… 詳しくは署で聞こう」


由紀は倉持の一部始終を録画していた。


倉持(なるほど… ラインを越えたという訳ですね… 少々調子に乗りすぎたようですね…)

倉持「…」

青野「倉持さん… あの… 直接はちょっとですけど… あおいで嗅ぐのは… いいですよ」


青野の優しさが突き刺さり、止めとなった。


倉持「すみまっせんでしたああああ!! 調子にのりすぎましたあああああ」


倉持はシェアハウスを飛び出して、そのまま夜のとばりの中へ進み、近くの河で泳いで身を清めた。


力を手に入れた後は高揚するものである。

それを鎮める術が必要である。



翌朝、倉持は体調を崩して会社を休んだ。

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