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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
日常編① 起
18/371

倉持は救いたい(前編)

桃井 25歳 150 47

小さい 貧乳

お弁当屋勤務

桃井は深くため息をついた。

倉持たちが務める会社のすぐ近くに、行列のできるお弁当屋があった。


しかし、最近はライバル店が増えたため、売り上げは思わしくなかった。

常連客のおかげで、運営していく利益は十分出ているが、そうはいっても、危機感はあった。


母親が店長兼お弁当作り、桃井は、お弁当作り兼、売り子と経理をしている。

お店の金銭事情については母よりもよく知っていた。

正直のんきな母にいらだつこともあった。

自分が何とかしなければ…

何か新商品でも作り出して、バズることはできないか… そんなことばかり考えていた。



火曜日の14時 

倉持はいつもこの時間にこのお店を訪れる。

他の曜日はまちまちだが、火曜日は必ずこのお弁当屋を利用する。

火曜日の日替わりメニューは、ハンバーグとエビフライ、そして炒飯である。


倉持「こんにちは。 日替わり定食大盛りで」

桃井「はい。 いつもありがとうございます」


倉持はおつりが出ないように、ちょうど渡した。


桃井「ありがとうございますーーー うわれ…」


袋を渡す瞬間、桃井は自分の服に小指を引っかけてしまう。

そのため、胸と服とに隙間ができる…

スキマから小さな桜がのぞく。


倉持は追加で300円支払う。

桃井は黙って受け取る…


倉持「ごめん… じゃあいただきます」


倉持は足を引きずりながら、10歩進む。

しかし、踵を返した。


桃井「どうしました? 何か、入れ忘れていましたか?」

倉持「いえ… ただ、桃井さん… 元気ないなと思いまして…」

桃井「え? ごめんなさい… 態度に出てましたか?」

倉持「いや… そんなに気にはならないと思うけど、声のトーンが少しだけ、低かったんで…」


桃井は…これはチャンスと思った。

倉持は昔からの常連、頭もいいし、信頼もできる。

桃井は倉持に新商品開発の協力を頼みたいと思った。

もちろん若干の下心もあった。


桃井「実は、最近新規のお客さんが少なくて… 何かいいアイディアないかなと思いまして」

倉持「なるほど…」

倉持(確かに、最近お弁当屋さんは増えてるし… ライバルは多いだろうな… 味は間違いなくトップクラスなんだけどなぁ…)

倉持「うーん… 私は、そういうの疎いんですけど… 一般消費者目線で良ければ… お力になりましょう」

桃井「ホントですか! ありがとうございます」


桃井は、カウンター越しに、倉持の手を握る。

しかし、その勢いは強すぎて、そのままカウンターを飛び越えて、倉持に抱き着いてしまう形となった。


桃井「ご…ごめんなさい。 大丈夫ですか…」

倉持「大丈夫です。 それより…」


桃井の上半身ははだけて、倉持には桃井の可愛らしい乳房が完全に見える形になっていた。


桃井「ご…ごめんなさい。 こんな… 貧相なもの…」

倉持「そんなことないですよ。 色もきれいですし、ハリもあります。 自信を持ってください」

桃井「…色?」

倉持「あ…」


倉持は300円追加して、そそくさと退散した。

振り向きながら、律儀に桃井に予定を伝えた。


倉持「それでは、今日仕事終わりにお邪魔しますね」


桃井(…まさか… 色まで見てるなんて… これって、もしかして… 脈あり?)




夕方 


倉持「すみません」

桃井「倉持さん。 お待ちしていました」


新商品会議に備えて、桃井はホワイトボード等の資料を準備していた。


倉持「すみません… 私以外にも入れますか?」

桃井(…せっかく二人きりだと思ったのに…)

赤井「こんにちはー どもども、お世話になってます」

青野「食べ物のことなら任せてください」

黒田「同じく!」

緑谷「すみません。 お邪魔します」


システム部は残業中であった。


桃井(ま…まあ、赤井さんも、黒田さんも常連と言えば常連だし… 意見は多い方がいいし… くっ)


赤井が桃井の首に腕を回す。


赤井 小声「桃井さーん… お昼ぶりね… 倉持よりも利用頻度が高い、私じゃなくて…倉持に声かけたんだー… ふーん… におうなぁ… におうわぁ…」

桃井 小声「おどそうったって、そうはいきませんよ? ここは私のホーム… 負けませんよ」

赤井 小声「へー… さすが商売人… 肝が据わってるわね」

赤井 小声「まあ、それはさておき… 経営大丈夫? マジな話、相談のるわよ?」

桃井 小声「ありがとうございます。 マイナスとかはないんですけど… このままじゃヤバいかなって…」

赤井 小声「分かった。 そこはちゃんと力になるよ」

桃井 小声「頼りになります」



気を取り直した桃井が仕切り始める。


桃井「皆さん。 お疲れのところありがとうございます! 僭越ながら司会進行を努めます桃井です。よろしくお願いします」

桃井「早速ですが、議題です。 バーバン! 『バズる新商品開発』です」

倉持「はい… 一応確認ですが、バズると新商品開発どちらに重点を置きますか?」

桃井「うーん。 本音はバズればいいです。 ただ、正直いまウチが取り扱っている商品がバズるとは思えないんです… だから、バズるために新商品が必要という感じです」

倉持「なるほど… それでは、新商品の案も出しながら、もしも既製品をバズらせるアイディアさえあれば提案してもよいですか?」

桃井「ですね。 手間を考えると、その手段があれば採用したいです。 是非教えてください」

倉持「分かりました。 ありがとうございます。 それでは、考えられる人は新商品と並行して既存品のマーケティングについても考えるということで…」


赤井(なるほどね… 確かに、このメンツで新商品の提案ができそうなのは… 青野と黒田さん… 倉持と緑谷さんはマーケティングの方が得意そうだもんね… 本来議題を増やすのは悪手だけど…目的と手段をはっきりさせて、複数の手段を提案するのはアリね…営業部のエースは伊達じゃないわね)



















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