倉持とコラボカフェ
日曜日の朝
倉持はいつものように公園でジョディと走っていた。
少々早い小春日和
さわやかな日差しが心地よい
澄んだ空気が肺を満たす
ジョディのおっぱいがぷるんぶるんと上下に激しく揺れる。
ジョディ「トオル。 最近ちょっと、走るの速いね」
倉持「ご、ごめん。 速かった? 気を付けるよ」
ジョディ「いいよー。 まだついていけるから… なに? そんなに楽しいことが待ってるのかしら?」
倉持「いや… 別にそんなんじゃないよ。 まあ、今日はちょっと出かけるけど」
ジョディ「今日もじゃない?」
倉持「確かに」
ジョディ「どこ行くの?」
倉持「ああ、コラボカフェに行くんです。 あの、ジョディさんもやってるゲームの」
ジョディ「ええ? マジ? いいなー」
倉持「ジョディも行く? 忙しいと思って声かけなかったけど…」
ジョディ「午前中? 午後?」
倉持「午前中」
ジョディ「午前? なら行けるわ… あー、でも他にも行くんでしょ? 迷惑じゃないかな?」
倉持「聞いてみます」
倉持は朝寝ぼけた状態でフラフラしていた由紀を思い出し、連絡をした。
由紀(電話)「ううー。 これから仮眠だぁ… なんだぁ倉持」
倉持(電話)「ジョディさんも来たいって」
由紀(電話)「マジ? OKOK。 多いほどOK。 念のため推しを聞いといてよ」
倉持(電話)「了解!」
倉持は電話をしまった。
倉持「OKです」
ジョディ「やった。 じゃあ、時間になったらシェアハウス行くわ」
倉持「ええ。 9時30分ぐらいに来てください」
ジョディ「OK。 じゃあ、続き走ろー」
倉持はジョディの靴紐がほどけていることに気が付いた。
倉持「ジョディ… 靴紐が…」
倉持はひざまずいて、ジョディの靴紐を結び直す。
ジョディ「あ、ありがとう…」
ジョディは上から見る倉持の姿を懐かしく思った。
ジョディ「そういえば… ちょっと前に、夢を見たんだ。 なんかいっぱい知り合いが出てたよ。 なんだっけ… 日本の昔話… かぐや姫? みたいな」
倉持「私も… 同じようなの見たよ」
ジョディ「そうなんだ。 夢ってつながることがあるらしいからね… それかな。 知らない人も1人いたけど… 香月先生もいて、驚いた」
倉持「香月先生ですね… あの時はお世話になりました」
ジョディ「トオル… 本当に何とかなりそうなの?」
倉持「…今準備中です。 まあ、あと2年あれば間に合う十分間に合う算段ですよ」
ジョディ「そう…」
倉持「よし、できました。 それじゃあ、行きましょう」
走り出した瞬間、ジョディは足を引っかけてバランスを崩してしまった。
倉持はとっさに、身体を翻して、ジョディと地面の間に入った。
ジョディ「オー… ごめん」
倉持「けがはないですか?」
ジョディ「うん… 大丈夫…」
倉持の腹部にはおっぱいの重力がかかる。
また足にもジョディの太ももの感触がジワリと伝わる。
ジョディが上半身を少し起こすと、谷間の衝撃が直撃した。
ジョディ「トオル… 朝から、元気だね?」
倉持「…すまん」
ジョディ「こっちこそ… ごめん」
倉持はジョディに500円渡した。
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倉持がシェアハウスに戻ると、青野が洗面所で歯磨きをしていた。
倉持は青野の後ろ姿を見た。
倉持「お、おはよう」
青野「ん」
青野は会釈をすると、洗面台に歯磨き液を吐き出して、口をゆすいだ。
青野「おはようございます」
倉持「ああ」
青野「どうぞ。 空きましたので」
倉持は青野の首筋を見た。
青野「どうかしましたか?」
倉持「あ、いえ… すみません。 何も… 失礼しました」
青野「…はい」
立ち去る青野を見送る。
倉持は支度をしてから、由紀を叩き起こした。
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コラボカフェ前
由紀「よっし。 引くぜ」
ジョディ「わー。 こういうところ初めて」
宇美「私もです」
由紀「まあ、ちょっと高いけど、作品の雰囲気を味わうことができるんだ。 まあ、付加価値がな… ちょっとお高いんだよな」
倉持「ですね。 お布施の気持ちでいかないと」
由紀「ただ… 今回は結構クオリティがいい。 料理も手が込んでいる」
倉持「それは楽しみです」
由紀「まあ、目的は推しのグッズを手に入れることだけどな」
宇美「です!」
由紀「私の狙いはオッドアイのミリタリ美少女アイちゃん。 宇美は不遇な宇宙人のアイラ。 ジョディさんはイケメン戦闘狂のバラン。 倉持は… どうせおっぱい大きい子だろ?」
倉持「人を勝手におっぱい好きにしないでください」
由紀「…でも、おっぱいは正義だろ?」
倉持「巨乳だけがおっぱいじゃありませんよ」
由紀「言うねぇ…」
宇美(…おっぱいか。 この2人…めちゃくちゃおっきくて羨ましい…)
倉持たちはカフェに入り注文を決めた。
メニューがそこまで多くないので、倉持もすんなりと決めることができた。
狙いのコースターは全7種類
この手のものの常で1つだけ、不人気キャラがいるのはご愛嬌である。
いかに不人気キャラは避けて、推しを引けるか… それが問題である。
ちなみに倉持はこの手のものはめったに買わないが、買えば大抵すぐに女の子が出る。
特にえっちな女の子が出やすい。
ラッキースケベの能力の効果の延長である。
由紀が倉持を誘った一番の理由である。
注文の品と特典のコースターが入った袋が置かれた。
由紀は早速開けた。
由紀「ぐはああああ。 コイツかあああ… 半魚モグラのべべもんじゃないか… 倉持やる」
倉持「はあ…」
由紀「二枚目は… お… 宇美、良かったな。 アイラだぞ!」
宇美「やったー。 あ、私はアイちゃんです」
由紀「よっしゃああ。 交換成立ぅ」
ジョディ「私は… うーん。 可愛いけど… 私この子あまり好きじゃないのよね」
由紀「あ… おっぱいの子だ。 人権キャラだから、使ってるけど… 確かに私もあまり好きじゃないな… なんか強すぎて」
ジョディ「うん。 あと、結構計算高くて… ギャップ萌えと言えば、そうなんだけど… ストーリーが荒れやすいのよね」
倉持「そうなんですか?」
由紀「だな。 結局男も女も、可愛くてちょっとおバカというか… 天然っぽい娘が好きなんだよな」
倉持「へ、へーー」
倉持が気になっていたキャラであった。
ゲームをしない倉持にとっては、ストーリーの事は分からない。
倉持は単純にそのデザインに惹かれていたのだ。
倉持(ジョディの推しが引ければ… それとなく交換を持ちかけることができる… しかし、私は大抵女性キャラしか引けない… い、いけるのか?)
由紀「倉持も開けてみろよ。 できれば、合法ロリ魔女のアマノ引いてくれよ」
倉持が封を開けると、ジョディの推しであるイケメン戦闘狂のバランであった。
倉持は小さくガッツポーズをした。
倉持「これ、ジョディの推しだよね。 どうぞ」
ジョディ「ありがとー」
倉持「…」
ジョディ「?」
倉持「…」
ジョディ「あー… やっぱり、おっぱい好きなのね」
倉持「ち、違います。 別に…そんなんじゃないですよ… まあ、ただ、好きじゃないのなら… デザインが凄いと思うので、参考に… そう、参考にしたいなーっと」
由紀(中学生未満の言い訳… コイツ… こんなにポンコツだったか…)
ジョディ「うーん。 どうしよっかなー。 私この子のキャラは嫌いだけどぉ。 見た目は好きなんだよねー。 よくよく見るとこのコラボ限定デザイン可愛いし―… どうしよっかなー」
ジョディは倉持をちらちらと見る。
倉持はジョディの前にすっと2,000円札を差し出した。
ジョディ「…偽札?」※本物です。
宇美「初めて見ました…」
由紀「倉持… そういうのは良くないと思う…」
倉持「ぐ、… 交換… お願いします」
ジョディ「…いいよ」
倉持は天使とエルフのハーフと竜神と悪魔のハーフとの間に生まれた少女【魔熾天使ジェリペ・クラウディア~中略~ヒュペリオンⅡ世 ソフィア】を手に入れた。
ふと、倉持は電話の振動を感じた。
こっそり覗くと、未登録の番号から連絡が来ていた。
以前どこかで見かけた番号であった。