倉持とヘルプ
土曜日 午前中
倉持は喫茶店にヘルプで来ていた。
店長「すまんな倉持。 急に休みが入ってしまって… 桜も前々から今日は予定があるって言ってて… 他に頼める人がいなくてさ…」
倉持「午前中だけですし、お安い御用ですよ」
店長「ってか、副業OKなんだな」
倉持「ええ、うちは仕事をある程度こなしていれば、色々とOKなんです」
店長「そうか… 助かる」
宇美「ホント助かります。 店長さんと二人でどうしようかと…」
店長「だな。 暇な時ならいいけど… 土曜日は結構人が来るからさ… というか、今日はサークルの予約もあってな」
倉持「それは、大変ですね…」
宇美「…」
倉持「そのサークル… 男子相撲部とかですか?」
店長「おしい! 女子剣道部だ」
倉持「帰ります」
店長「待って待って… 大丈夫… たぶん… 大丈夫だからぁ… 男性客もくるだろうし… あれだろ、男性客がいればラッキースケベ大丈夫なんだろ?」
倉持「まあ、そうですが… ところで、アダルトなお店は撤退したんですか?」
店長「してる。 大丈夫、今は健全なお店の… ハズ」
倉持はダッシュで下の階のお店を確認しに行った。
そして、すぐに戻ってきた。
倉持「店長… いざとなったら、これで私を縛ってください」
倉持は店長に縄を差し出した。
倉持「店長の認識ではSMショップは健全何ですか?」
店長「SM… まじかあああ。 というか大学前にSMショップって、何考えてんだ、その店のやつもこの建物のオーナーもバカか!」
宇美(分かる… この建物のオーナー… きっとバカだ)
倉持「まあ、仕方ありません。 最新の注意を払います。 なるべく女性の方の対応は宇美さんお願いできないでしょうか?」
宇美「ええ。 大丈夫です」
店長「すまんな。 それじゃあ、開店まであと10分ほどだ。 よろしくな」
宇美「はい」
倉持「はい… あ、そういえば店長… 紅葉さんとお知り合いだったんですか?」
店長「ああ… まあ、こないだのパーティの時にさ… 法人税の確定申告の事で盛り上がって」
倉持「そういえば、法人化してますもんね」
店長「そうそう。 私とか株取引やってるだろ… 損益通算とか結構面倒なんだよなー」
倉持「ですね。 私も確定申告しないといけないので… まあ、最近は電子でできますから」
店長「だな。 電子申告… 最初はちょっと分かりにくかったけど、やってみると案外分かりやすいよな」
倉持「そうですね。 マイナンバーカードとカードリーダーがあればよいですし… カードリーダーもそんなに高いものでもないですから…」
倉持店長「やってみよう! e-Tax!」
宇美「誰に向けていってるんですか?」
倉持「まあ、マイナンバーカードも賛否ありますし…」
店長「やっぱり電子だと分かりにくいって人もいるから」
倉持「するかどうかは個人の自由ですけどね」
宇美(何のフォローなんだろうか…)
ドアからカランカランカランカランと音がする。
8名の女性客が入店してきた。
早速、宇美が対応する。
宇美「いらっしゃいませー。 ご予約の方ですか?」
女性「いえ、女子サッカー部です。 急にすみませんが、8名大丈夫ですか?」
宇美は店長を見る。
店長はOKサインを出す。
店長「すまん倉持… 厨房も入れるか?」
倉持「一応事前に借りていた調理マニュアルは全て見ています」
店長「さすが… バイト代は弾むからよ」
倉持は事前に用意していたグラスにササっと水を注ぐ。
8つのグラスと8名分のテーブルセットをトレーに乗せて、テーブルへ進む。
倉持「いらっしゃいませ」
てきぱきと速やかにグラスを目の前に置いていく。
倉持「ご注文決まりましたら、お申し付けください」
女性A「お兄さん。 イケメンだね」
倉持「はは、ありがとうございます」
女性B「私はお兄さんを注文しよっかなー」
女性C「こらこら、お店に迷惑かけないの」
倉持は一度下がり、様子を伺う。
ここからの倉持の奮闘ぶりを宇美はこの日の夕方、
シェアハウスに帰ってから桜と青野に対して、こう語った。
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土曜日 夕刻 シェアハウスのリビングにて
宇美「桜さん桜さん… 倉持さんって、本当にすごかったんですね… いやすごいのは知っていましたけど… その接客スキルとラッキースケベが本当にすごかったです。 まずですね。 8人のお客さんが来て… 結構皆太ももがムチムチで可愛い娘ばかっりで… 倉持さんがオーダーを取りに行ってくれたんですけど… まるで聖徳太子なのって思いました。 皆脈略無く、好き勝手喋っているのに、全部の注文間違えずに聞き取りできてるんですよ。 注文システムも間違えずにぽぽぽんと入力してました。 オーダーの後はすぐに厨房に入って、店長と一緒に次々と料理してるんです。 しかも息ぴったり… 長年のパートナーかって思いました。 でも…本当にすごかったのはその後です。
なぜか知らないですけど、女の子たち、皆、薄着何ですよね… 新陳代謝がいいのでしょうか…
なぜか分からないですけど、皆さん胸元でまくってるんですよ…
で、お行儀は良くないですけど、立膝してたりお股を開いていたりして… 倉持さんが追加オーダーを受けに行ったときや料理を持って行ったときなんかは… 多分もろ見えです。
その後も、女性のお客さんしか来なくて… 半数の人は入るなり、謎の風でパンチラしてました。 そういえば… 予約のあった剣道部の人… なんか倉持さんのこと知っているようでしたけど… どういうつながりなんでしょうね? 倉持さんってサークルには入ってませんでしたよね…」
青野「あー… 多分白銀さんつながりじゃないですか?」
宇美「白銀さんって… あの背が高くて綺麗な同僚の人ですか?」
青野「…そう!」
宇美「あの人剣道してるんですか?」
青野「私も聞いた話ですけど… 昔からしていて結構強いみたいですよ。 で、どこかの大学でたまに指導するって言ってたので… それでじゃないですかね… もしくは、なんかの拍子でラッキースケベの被害にあったとか?」
桜「どっちもありそうね」
そこに由紀がやってきた。
由紀「おっす。 あれ? 倉持はまだか?」
桜「ええ… 今日も遅くなるみたいですよ」
由紀「マジかぁ… 明日のこと話しておきたかったんだけどなぁ」
青野「ああ、イベントですっけ?」
由紀「そうそう。 最近私がはまってるゲームのコラボカフェがあるんだよ。 推しのグッズが欲しくて倉持と宇美に協力してもらうんだ」
桜「ごめんなさいね。 私はいけなくて…」
由紀「いやいや。 興味のない人まで付き合わせるのはわりぃよ。 宇美とは推しがかぶってないからさ、宇美の推しが出たら交換するんだわ」
桜「宇美さんも、ゲームするんだ?」
宇美「ええ。 由紀さんほどじゃないですけど… キャラが可愛くて好きなんですよ… ほら、例えばこのキャラとか…」
青野「ああー。 確かに… 可愛いですね。 この娘、女の子ですよね」
宇美「ですよ。 この娘、公式設定で不運なんです。 こんなに可愛いのに不遇で、しかもすごく嗜虐心をくすぐるんですよ。 イベントも、最終的にはハッピーなんですけど、道中ところどころ報われないといいますか… ちょっと残念な展開になりがちなんです。 そこがたまらないんですよね」
青野(小声)「桜さん… この娘… 大丈夫ですか?」
桜(小声)「大丈夫よ… たぶん… リアルにはこの癖出さないから」
由紀「そっか… じゃあ、仕方ないな。 一応倉持が帰ってきたら教えてくれるか?」
桜「あ、はい」
由紀「まあ、大体音で分かるけどな… こそこそしていても、結構筒抜けだからなぁ… なあ青野?」
青野「え… あー… そう… ですね」
由紀「そういうところ、不便だよなぁ? まあ、気を付けようぜお互いに」
青野「そうですね」
桜「…」
青野「…」