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倉持氏はラッキースケベでいつも金欠  作者: ものかろす
動乱編
152/371

倉持とFXで有り金全部溶かした人の顔状態の人

倉持(しまった… 遅くなってしまった。 早く帰らなければ…)


倉持はシェアハウスに向かって走った。

朝までには帰るという約束を守るために…


シェアハウスの門の前に人がいた。

その人は倉持の方を見た。

寝ていないのか、クマができている。

普段のぱっちりした目の面影はない。


青野「…おかえりなさい」

倉持「…た、ただいま」


青野は倉持の姿を確認すると、倉持の接近を待たず、すっとシェアハウスに入っていった。


倉持「怒らせちゃったかな…」


倉持は自室に戻り、着替えて走りに出掛けた。

戻ってからシャワーを浴びる。

リビングにいた紅葉や由紀に心配をかけたお詫びをした。


その日はもう一度部屋に戻り、二度寝した。


昼過ぎに目覚めた倉持が洗面所に行くと、青野が歯を磨いていた。

青野は倉持を一瞥して、コクリと頭を下げてから、ペッと洗面所に吐き出して、口をすすいでから自室に戻った。


倉持(…やっぱり、不機嫌? まあ、そんなに気にする必要はないか… 別に青野さんに迷惑をかけたわけじゃないし…)


倉持は支度を整えると、リビングで朝食を摂った。

そこに由紀もやってきた。


由紀「お… おそよう」

倉持「ああ、どうも」

由紀「…無事解決したんか?」

倉持「どうでしょう… まあ、例によって、私は別に特に何かしたわけじゃありませんよ」

由紀「…それがいいんだろうな。 まあ、うまくいったようで良かった… 私も一肌脱いだ甲斐があったもんだ」

倉持「すみません。 本当に助かりました。 急にすみませんでした」

由紀「いいって、いいって… だけどな… ちょっと、あの… おっぱいチャレンジ… クセになりそう… また、しないか///」

倉持「…」


倉持は歯ぐきから血が出るほど顎に力を入れることで、テストステロンの分泌を強制的に抑えた。

しかし、色々な場所でのおっぱいチャレンジを想像し、たってしまった。


倉持「く…くそおおおおお」


倉持は由紀に100円を差し出した。


由紀「おおう? ど、どうしたんだ? もしかしてぇ… ちょっと、私を意識し始めたな…」

倉持「ぐうう… ちょ、ちょっと、外出てきます」

由紀「はいよ。 今日は早く帰って来いよー」

倉持「言われずとも… 明日は仕事なので… そういえば紅葉さんは?」

由紀「ああ、朝から出かけてったぞ?」

倉持「…そうですか」


倉持はぶらぶらと公園へ行き、ベンチに腰掛けて、ネットニュースを見始めた。


倉持(まずったな… 昨日今日とニュースをろくに見てなかったから… 気付かなかったけど… あの会社… 株暴落してるじゃないか… えっと…SVIPやVIPで保有してた人… あ…)


倉持は飛び上がり、駆け出した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

倉持は桜たちが働く喫茶店を訪れた。

CLOSEの看板が掛けられていたが、倉持は扉をノックして、中に入った。

そこにはFXで有り金全部溶かした人の顔状態の店長と紅葉がいた。

挿絵(By みてみん)


倉持「お、遅かったあああ… というか紅葉さんまで、どうしたんですか?」

店長「…めっちゃ損出た 破産は回避できたけど… ヤバかった…」

紅葉「どんどん撤去されると思うと… つい… パチスロで5万円負けちゃった…」

倉持「信用取引とパチスロですか…」

店長「…」

紅葉「お金の単位は少ないけど… 苦しむ時間が長い分… 結構きっついのよ…」

店長「分かる… 私も昔、打ってたなぁ… そうか、5号機の時代、終わりかぁ」

紅葉「そうなの… 時代の変化を感じるわぁ」

倉持「まあ… はい。 ドンマイとしか… ほどほどになさってくださいね」

店長「…倉持、コーヒー飲むか?」

倉持「いいんですか? CLOSEでしたけど…」

店長「いいぜ。 特別だ」


店長は倉持にコーヒーを差し出した。


倉持「いただきます」

店長「…飲んだな?」

倉持「ええ… 美味しいですよ」

紅葉「あらー。 困ったわねぇ」

倉持「…どうしたんですか… お二人とも、怖いですよ」

店長「そのコーヒーは特別でなぁ…」

紅葉「お代は、身体で払ってもらうわよ」


店長と紅葉は倉持にじりじりと迫る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕刻

紅葉はご機嫌な様子で、パチスロ店から出てきた。


紅葉「どうもー ありがとー。 おかげで、まくったわ!」

倉持「はあ。 まあ、お役に立てて良かったです。 でも2人とも、脅かさないでくださいよ… 普通に頼んでくださればよいのに」

紅葉「だってー。 なんか恥ずかしいじゃないのー」

倉持「まあ… 店長もあの後の助言で持ち直したようですし… 紅葉さんも盛り返せて良かったです」

紅葉「でもやっぱり、さすがね。 知識0から、ちょっと調べるだけで、設定の見抜き方から台の選び方までマスターするなんて… 困ったらパチプロとかギャンブラーでもいけるんじゃない?」

倉持「ま、まあ働き口が無くなったら、考えます」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃 某所

広大な庭園を歩く老人がいた。

その老人に1人の男性が近づく。


男「旦那様… ご報告が」

翁「言え」

男「財賀家と遠野家の処分が終わりました。 それと… 倉持家の直系と思われる男の素性が判明しました」

翁「そうか… 早く言え」

男「大胆にも苗字は変えず… 倉持徹と名乗っています。 先日、公園にて複数の女性に不自然に絡まれる現象に合っていました。 ラッキースケベの力で、間違いないかと…」

翁「ほう。 しかし、いったいこれまでどうやって隠れてきたというのだ」

男「どうも、倉持花様の旦那の連れ子という形になっていたようです」

翁「手の込んだことを…」

男「さらに、幼少の頃は女の子の格好をすることで、我々の目を欺いていたようです…」

翁「…花への制裁も加えるとして… まずは、その倉持徹という男をここに連れてくるのだ」

男「はっ。 かしこまりました」

翁(由紀がいればどうとでもなると… 速めに見切りをつけたのが仇となったか…)

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