倉持へのプレゼント(後編)
プレゼントを選ぶときって、相手のことをスゴ―――ク考えるの
どんなものが好きかな?
どんな色が好きかな?
どんな部屋だったかな?
どんなこと言ってたかな?
どんな顔してくれるかな?
喜んでくれるかな?
どう使ってくれるかな?
心があの人のことでいっぱいになるの。。。
自分の中にいるあの人が、どんどん大きくなって
それがとーっても幸せで、うれしくて… でもちょっぴり切なくて悲しくて不安で
でもでも、それでもあの人が笑顔になってくれるなら、って
それがたとえ刹那のものだとしても
だから勇気を振り絞って選ぶんだ。
自分とあの人との思い出が形作る自分だけのあの人の好きなもの。。。
それがプレゼント
これまでが紡ぐ現在の自分の中にあるあの人の像を表出するもの。。。
それがプレゼント
プレゼントがうれしいのは
プレゼントが素敵なのは
物をもらえるから…ということだけではない
本当に大事なのはその過程である。
プレゼントをもらえるということは、自分がその人の中で生きていることを実感できるということである。
ー電気街
由紀、白銀、青野、赤井は速攻でアングラ系のアダルトショップへ走った。
それを宇美と三奈が追いかけようとするが桜に止められた。
桜は宇美と三奈、店長、藤壺たちと集合型の店舗に入った。
灰田と緑谷、筑紫は同人誌ショップへ向かう。
真冬は携帯と相談しながら、うろうろと店舗を探す。
ジョディはフィギュアやハンドメイド製品を取り扱っているお店へ行く。
金剛と黒田は家電製品を取り扱っているお店から回ることにした。
紅葉は真冬についていくことにした。
ーアダルトショップ 由紀 白銀 青野 赤井
由紀(こいつら… 早速アダルトショップに来るとは… なかなかやるじゃないか…)
白銀(くっ… 青野さんたちまで… これでは私のイメージが…)
白銀はまだ、自分は清楚系と認識されていると思っていた。
白銀「きゃー。 ここエッチすぎません?」
青野(いの一番に来たくせに…)
赤井(こざかしいわぁ… でも、面白そうだから泳がせようかな)
白銀「みんな… 服着てなーい… きゃー」
赤井「…」
青野「…」
白銀「あれー。 ナニコレ? TEN○A? 何に使うのかなー」
赤井(使うって言ってる時点で… 知ってるでしょ)
青野(なんでしょうあれ?)
白銀「へー。 ふむ… ふむ… うん」
赤井(製品情報を見始めた)
青野(真剣に選ぶモードに入ったのね)
白銀「…」
赤井「私たちも…」
青野「そうですね。 じゃあ、ここからはライバルと言うことで」
赤井「ふふっ。 負けないわよ」
ー集合型店舗 桜 宇美 三奈 店長 藤壺
桜「さて、どうしましょうか… あまりえっちなのはいけないと思うんですよね… 最近倉持さんヘンタイ度が増してるから…」
藤壺「え… そうなのか? あいつそんなヤバい?」
桜「ええ… ちょっとね」
三奈「そういえば、この間… 個室ビデオ店に入っているところ… はっ」
藤壺「え? あいつそんなとこ行ってんの?」
桜「それは結構、前からよ」
宇美「そうなんですか? 知りませんでした」
店長「まあ、あいつも男だからな…」
桜(みんな当然のように個室ビデオ店知ってるのね…)
桜「まあ、私はお人形さんでも見ようかしら…」
藤壺「気を付けなさいよ。 一寸先はエロだからね」
三奈「ええっ… そうなんですか?」
店長「ああ、特に三奈さんと宇美はね。 うかつに暖簾をくぐらないように」
宇美(私、子ども扱いされてる!?)
ー同人誌ショップ 灰田 緑谷 筑紫
灰田「ふーむ。 とはいっても、すでに持ってるもの渡してもなぁ…」
緑谷「ですね。 好みのものは持ってそうですものね」
筑紫「思い切って、NTRものとか?」
緑谷「それは、キライそう…」
灰田「だな。 TSものはどう?」
緑谷「多分嫌いじゃないと思いますけど…」
筑紫「でも、本よりもグッズの方がいいんじゃないですか?」
灰田「確かに… 本だと埋もれそうだよな」
ー模型店 ジョディ
ジョディ(うーん。 あまり大きいとこまるよね。 小さくても、クオリティが高いものにしようかな)
ー家電ショップ 金剛 黒田
金剛「キャンプグッズとかどうかな?」
黒田「ですねー。 こないだも色々と持ってきてましたし、ちょっと高めだけどいいものを送りましょうか?」
金剛「うん。 秋や冬でも使えるものがいいかもな」
黒田「ですねー」
ーグッズショップ 真冬(with 倉持家) 紅葉
真冬「さて、家族の絆見せちゃうぞな」
花「そうね。 若い子たちに負けていられないわ」
千秋「じゃあ、まずはグッズだな。 最近は、昔流行った作品が再燃してるからな。 私はそれを狙おうかな」
千夏「昔一緒に見たアニメとか?」
霞「まあ、それもいいと思うけど… 私はできれば、特別なものがいいかな」
真冬「はいはい。 じゃあ、霞は後でな」
白銀(あった… これなら、きっと喜んでくれるハズ。 ふふふ…)
青野(まだ、思い出は少ないけど… 倉持さんが喜ぶポイントは知ってる…ハズ。 倉持さんは肉体的な快楽よりも精神的な快楽をうれしく思うタイプ… だから頭に近い耳で感じやすい…と、いうことで…)
赤井(うーん。 そうだなぁ。 どぎつめのものは多分、白銀さんとかが用意するだろうから、私はライトなものにしようかな…)
緑谷(えーと。 できれば、お仕事中につかえるものがいいですよね。 おっぱいマウスパッドはさすがにダメでしょうけど… ひっそりしたものなら)
筑紫(仕事に使えるもの… 派手なものよりも実用的なもの…)
灰田(私のオススメ、で行くか。 喜んでもらいたいってのもあるけど、私を知ってもほしいしな)
藤壺(ほんと… あんなドスケベのどこがいいんだか… 桜もみんなも… 私も…)
金剛(あいつと… 私的に出かけたことはあまりないな… 秋とか、紅葉狩りにでも行きたいな)
黒田(金剛さんも… 結構乙女よね。 まあ、私も人のこと言えないか… とっくに吹っ切ったと思ってたんだけど… ライバルがいると、触発されるよね)
桜(ああああ。 なんとなく分かってたけど、えっちすぎますこのお店… 普通にえっちなのが混在してるのは、どうなのぉ… 小さい子どももいるのに…)
由紀(しかし、こんなに人が集まるなんてな… なんだかんだで好かれてるなアイツ…)
宇美(部屋にこういうのあったなぁ… 倉持さん、こういう胸のおっきな女の人が好きなのかな?)
紅葉(私は立場的に、生活に使いやすいものにしましょ。 調理系かお掃除系のものにしよっ)
霞(徹の好み… 徹は完全に完成したものよりも、ちょっと歪なものを好む… だから、手作り感があるもの、ハンドメイド的なものを贈る)
花(まったく… あの子も隅に置けないわね… というか兄さん以上ね… そういえば、あの子服とか買ってるのかしら?)
千秋(小中のころのあいつを一番知ってるのは、この私… あいつの趣味の源泉はしっかり押さえてる。 けどな… あえて、普通のものでもいいかもな)
真冬(なんだかんだ。 一番いる期間が長いのは私だな。 あいつがどういうものを好むかは分かってるかな)
千夏(お兄ちゃんの周り… ほんとに女の人ばっかり… どんだけ、モテるのよ。 けど、妹として負けられない)
ジョディ(トオルと色々とシェアできるのは、うれしい… けど、トオルは受け取ってくれるけど… 自分のことはなかなかシェアしてくれないのよね)
三奈(ヘンタイでも… 好き。 負けられない… 私の殻を破るんだっっ)
店長(こんなにたくさんの人に囲まれて… 居場所があるんだな。 あいつコーヒー好きだったよな… それに合うものにしようかな)
彼女たちは各々、思うものを購入し、丁寧にラッピングしてもらった。
中にはラッピングセットを買って自分で包むものもいた。
駅で一応合流したところで、由紀が言う。
由紀「なあ。 この後、もう少しだけ時間いいか?」
不敵な笑みを浮かべる由紀であった。
倉持の誕生日が迫る。