倉持と危険な遊び
今回はパロディなどぎりぎりの内容を含みます。
苦手な方、名作を汚されることに抵抗がある方は飛ばすことを推奨いたします。
県境を超えたところで、SAに車を止めて一同は一休みした。
ドライバーは真冬から桜に変わった。
倉持「よろしくお願いします」
桜「ええ、あまり上手じゃないですけど」
そうは言いながらも桜は安定した運転で走らせていく。
由紀「よし、ゲームでもするか?」
倉持「何か持ってきてるんですか?」
由紀「いやいや、何もなし。 知能だけでできるゲームさ」
倉持「隠語しりとりとか言ったら、引きますよ」
由紀「さすが魂の姉弟だな。 その通りだ!」
桜「えーっと、私は隠語はちょっと…」
真冬「だな。 汚れはお前たちで十分だ」
倉持(一緒にくくられた…)
由紀「とりあえず、倉持。 何か失礼なこと考えてるだろ?」
倉持「いえ… じゃあ、普通にしりとりしますか?」
由紀「それは面白くない… そうだな… どうせなら闇のゲームとしゃれこもうや」
倉持「…さっきも言いましたけど、名作を汚さないでくださいよ」
由紀「大丈夫、別にパクるわけじゃないさ… そう、ゲームの内容は古今東西ゲーム」
桜「えーと… 決まったテーマにかかわるものを言ってくやつだよね。 それならできるわ。 テーマが卑猥じゃなければ」
由紀「フフフ… テーマはずばり『○ィ○○○映画』だ」
真冬「え…正気?」
倉持「由紀さん… 巻き込まないでくださいよ」
由紀「大丈夫大丈夫。 ちょっとだけ出して、あとは全部伏せるからさ… なんのことかわからんさ… ほらさっきもさ… 『デ○ルドー映画』と言い張れば…」
真冬「四面楚歌じゃない!」
倉持「どうして、前門に虎の大軍を置いた上に、後門に狼の群れを解き放つような真似を…」
由紀「大丈夫、私はフォローする。 任せろ」
倉持「泥舟に同情はしませんよ」
真冬「沈むときは一人で沈んでよね」
由紀「大丈夫、私泳ぎ得意だから!」
桜「まあ… 付き合いましょう… とりあえず、一回だけ」
由紀「そうこなくっちゃな。 じゃあ、行くぜ古今東西『○ィ○○○映画』のタイトル―」
倉持「『ア○○○○○○』」
由紀「○ナルフ○ック!!」
真冬「『○イ○ン○ン○』」
由紀「パ○パ○○○コ!」
桜「「○○ジン』」
由紀「イソジン!」
倉持が由紀を絞める。
倉持「よし、ちょっと、降りますか?」
由紀「待って待って… マジで死ぬから」
桜「高速道路ではしゃぐとシャレにならないわよー」
倉持「本当にダメですって… シャレになりませんよ」
由紀「いいか倉持… イカサマとパロディはバレなきゃいいんだぜ」
倉持「…さようなら由紀さん」
真冬「そうね。 由紀… これでお別れね」
桜「ですね。 次のPAで、お別れですね」
由紀「桜まで」
桜「さすがにオイタが過ぎます。 自重してください」
由紀はさすがに反省した。
由紀「じゃあさ… 『○○リ』… 『○○リ』なら…」
倉持「…ダメですよ。 どうせ、『○○るの○』を『ホテ○○破瓜』とか言うんでしょう」
由紀「それいいな」
桜「く・ら・も・ちさん… ジョディさんや青野さんにも言いますよ」
倉持「なぜ、そこでその二人」
桜「その二人の前だとかっこつけてるでしょ」
倉持「…」
倉持には、やや思い当たる節があった。
由紀「へー。 そうかぁ… あの子たちかぁ」
真冬「由紀も知ってるの?」
由紀「ああ。 こないだプールに行った時にいたぞ。 二人ともボインちゃんだったなぁ」
真冬「へーーー。 それはそれは」
倉持「それは関係ないでしょ」
桜「じゃあ、何が関係あるのかしら?」
倉持「え?」
桜「胸じゃなければ、何がポイントなのかしら…ね?」
急なトーンの変化に倉持は困惑した。
倉持「うーん… いや、強いて言うなら… 二人ともいいところのお嬢様っぽいからですかね。 あまり下ネタ言える感じじゃないんですよ」
由紀「私もいいところのお嬢様なんだけどなぁ」
倉持「…」
真冬「…」
桜「…あ、PA」
由紀「待て待て。 リタイアさせようとするな」
真冬「じゃあね。 由紀お達者で」
由紀「やだやだ。 もっと遊ぶぅ… 古今東西『○○リ映画』ああああ」
倉持「…仕方ありません。 最後のわがままと思って付き合いますよ」
真冬「甘いわね。 徹」
桜「まあ、多分大丈夫でしょう」
由紀「やったー。じゃあ、倉持から」
倉持「『風○○○』」
由紀「○俗体験」
真冬「『風○○のナ○○○』」
由紀「○俗嬢○○カダシ」
桜「『パ○○○○ン○』」
由紀「○イパンマ○コ」
全員が軽蔑するような目で由紀を見る。
倉持「ネタ切れ感が半端ないです」
真冬「脳内で漢字変換して、イジッてるのは評価するけど… 似たようなものばかりで面白味がまったくないわ」
桜「しかも、さっきと同じこと言ってますし…」
倉持「もう、こんなこと止めましょうよ… 誰も得しませんよ」
由紀「ぐぅっ… じゃあさ… 最後に最後にもう一個『手○治○漫画』で…頼むよ」
倉持「年代がちょっと古くないですか?」
真冬「じゃあ、これが最後よ」
桜「ですね。 由紀さんの最後です」
由紀(何気に、桜… きついな…)
由紀「じゃ、じゃあいくぞ。 古今東西『手○治○漫画』ああ」
倉持「『ブラ○○ジャ○○』」
由紀「○○ック○○ック」
真冬「『○○○○○○○○○』」
由紀「素人童貞オレ」
桜「『○○○』」
由紀「とろろ」
倉持「毛色が変わった? 続けますか?」
由紀「もちろんだ」
倉持「由紀さんに聞いてないですけど… 『ワ○○○○○○』」
由紀「○ンダースワン」
真冬「『○○』」
由紀「ヌー」
桜「『○色○ンコ』」
由紀「桃○マ○○」
桜「なぜ、私のときだけっっ」
倉持「でも、これは桜さんにも非があると思います」
真冬「だね… それはいかんわ」
桜「あ… PA過ぎちゃいました」
由紀「え… オシッコしたかったのに…」
真冬「ペットボトルか缶にすれば?」
由紀「私ボトラーじゃないし… 一応用はトイレで足すよ」
由紀は倉持を見つめる。
由紀「…飲むか? 罰ゲームで」
倉持「私、負けてませんけど」
由紀「他の女のは飲めて、私のは飲めないというのか?」
倉持「どこのパワハラ上司ですか?」
由紀「だから、私は普通の会社に勤めてないのさ。 で、飲む? 飲まない?」
倉持「…家族の前でなんてことを」
由紀「家族の前?」
倉持「え… 何か変なこと言いましたか?」
真冬「いえ… 普通の事よ」
桜「そうですね。 家族、ですよね」
倉持「?」
桜と真冬は笑みを浮かべる。
家族という言葉が倉持の口から出たことが存外嬉しかったのだ。
一方由紀は本当にそれどころではなかったが、何とか次のSAまで耐えた。
尿意を我慢している間は静かだったので、むしろ倉持たちにとってはありがたかった。