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林檎

作者: 胡麻ShiO

大好きなものが全部消えていく夢を見た。

心の端っこから青虫にかじられていくように、じわりじわり。

最初は全く寂しくなくて、真ん中に来た時に自分の半分が食べられてることに気づいて、

最後の一口 “クシャッ” 消えた。

腹を満たした青虫は、眠りについた。ゆっくり、ゆっくり、夢に沈む。

目が覚めた少女は、空っぽだ。(はら)を満たすために今日という一日を始める。

今日が終わるころに、布団(ゴール)につき満たされた少女は夢へ沈む。

じわり、じわり、端っこからかじられてゆく感覚をもう一度。何度も、一生。

いくら食っても満たされることのない青虫は空っぽになった主の体をムシャ、ムシャ。

足の先からゆっくり、ゆっくり、味わいながら頭の先までゆっくり、ゆっくり。

最後の一口にたどり着いたときに青虫は気づいた。というか、もう遅かった。

生きてゆく主がいなくなった。喰らってしまった。青虫は寂しくなった。

寂しくて、冷たくなって、永遠の眠りについた。

最後の一口は食われることなく腐った。

永遠の眠りの先に夢が見えた。青虫はまた、ゆっくり、ゆっくり食べた。


3年前に綴ったものです。

今更の投稿ですが、また再開しようと思ったので、お暇なときにでもぜひ。

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