ブレス・オブ・ファイアⅢ 〜さあ、君もゆこう〜
ゲームとしての難易度はそんなに高くはないと思います。地道にやれば誰でもエンディングは拝めます。でも、そこに至るまでにはめちゃめちゃ忍耐を要します。これがエンディングへの最大の壁というのは問題です。
ザコ戦は長い上、結構苦戦するバランスだし、それでいてエンカウント率は高いし、斜め見下ろし視点は分かり辛く、道にも迷いやすい。ダンジョンを脱出するシステムはないので帰りの体力なども考慮する必要があります。回復アイテムもなかなか揃えられません。
ダンジョンごとに用意された仕掛けも凝っていて解除するのはひと苦労。終盤の砂漠踏破イベントはなんのイヤガラセかと思ったくらいです。
こう列挙すると相当ダメなゲームっぽいです。途中で投げた人がいたとしても筆者には責められません。「せめて最後までプレイしてくれ!」などとも言えません。それほどエンディングまでの道のりが、言っちゃあなんですが、退屈、いや、盛り上がりにいまいち欠けるのです。ストーリーは決して悪くはないんだけど、システム的なもどかしさとか、寄り道の多さのために話の本筋が見えなくなりがちです。
ゲーム的には面白いシステムもあるにはあるのです。宿に泊まる代わりに自分でキャンプできたり、キャラごとにアクションがあったり、釣った魚を換金やアイテムと交換できたり。しかし、テンポが悪いのでそれらのシステムもいまひとつ快適とは思えません。
でも、エンディングを見れば名作のような気がします。システム的弱点で言えば、テンポがよくても攻略を諦めてしまったFFシリーズよりはまだマシのようにも思えます。とはいえ、じゃあ2周めプレイできるかといえばノーです。あの忍耐を要するプレイをまた一からやり直そうという気にはなかなかなれません。
そういうこともあり、本作は名作とは思うんだけど、続編のⅣは結局購入しませんでした。キャラは魅力的だし、パステル調のグラフィックも斬新でしたが、やっぱり本作で味わったテンポの悪さが最大のネックでした。そこは改善されてる可能性はありますが、そういう部分は実際にプレイしなければ分かりようがありませんから。そこまでのギャンブルを張れるほど、筆者はゲーマーではなかったのです。