とある兄弟の物語
初投稿作品となります。
名前を考えることが苦手なため、かなり読みづらいかと思います。
宜しくお願い致します。
ある時代に、ネズミを使役する文化の国があった。
どんな身分の人間も生まれてからすぐに、自分の使役するネズミと生活を共にする。
そして成人になると正式な契約をする。
契約をすると、自分のネズミと会話をすることができる。
人間はネズミを使役し、ときには自分の体にとりこみ猛獣のような力を発揮することができる。
人間とネズミは良き友であり、相棒として一生の苦楽を共にする。
人間には国を統治する王族がいるように、ネズミにも王族がいる。
人間の初代の王と契約をした一族である。
ネズミは人間と言葉を交わす知能を持ち、いつしか人間以上に賢くなっていった。
しかし、ネズミと人間は契約で繋がる以上に信頼しあうことでつながっていた。
ある国には2人の王子が生まれた。
兄は見目麗しく、知性にあふれた勇敢な王子。
弟は難産の末に生まれたため顔に痣を持ち、
話すことが困難なため言葉を話すことが人よりも遅かった王子。
王族にはネズミの王族を使役するという伝統により、
1人目の王子には賢く武力に秀でた兄のネズミが、
2人目の王子には兄に対して強い劣等感を抱えたネズミが使役された。
兄達は信頼しあい、これからも国は安泰だといわれた。
弟達は信頼関係などなく、人間が傀儡となっていた。
稀に起こることだが、人間よりもネズミの意思が強かった場合、
契約をしたときに人間は自分の所有権をネズミに取られてしまい、傀儡となる。
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ある国で、国境の小さな諍いから国同士の大きな争いへと発展した戦争が起こった。
高齢の王に代わり、2人の王子とネズミが戦争の指揮をとった。
兄王子とネズミによる賢い戦略と、自らが先陣をきり勇敢に戦ったことにより、
最小限の犠牲によって、国は勝利を収めた。
兄達は王の御前で戦果を報告し、大歓声のなか民衆へ勝利を伝えた。
城のテラスから今回の戦で亡くなった者たちへの弔いの儀式の準備がされ、
2人の王子が接近したとき、それまで黙っていた弟王子の身体に異変が起こった。
本来、使役しているネズミを体内に取り込んでも自我がなくなることはない。
髪が伸びる、爪が鋭くなる、牙が生える、などの個体差もあるが弟王子のそれは常軌を逸していた。
顔が赤黒くなり、顔や体中の血管が浮き上がり、目は白眼を剥き、口からはダラダラと涎がたれ、
完璧に弟王子の自我はなくなり、ネズミに乗っ取られていた。
これまで一度もネズミを取り込んだことなく傀儡となっていた弟王子には、使役するネズミを正常に取り込むことが出来なかった。
すぐさま異変を感じ取った衛兵達は自分のネズミを取り込み、弟王子を取り押さえようとしたが全く歯が立たず犠牲となった。城中の衛兵が集まり、その様子をみていた民衆は恐怖で悲鳴をあげた。
獣のような唸り声をあげ、動けなくなった衛兵達を殺し、王と王妃を殺した。
そして次に兄達に狙いを定め襲い掛かった瞬間、弟王子の身体が耐えきれず左腕がちぎれた。
ちぎれた腕を気にせず狂ったように周りの衛兵を殺そうとした瞬間、兄王子は弟王子の心臓を
長い爪で貫き、弟王子とネズミは息絶えた。
兄達はそれぞれの国で王となった。
完結をどうしたらよかったかが思い浮かばず、
残念な終わり方になりすみません。もし思いつけば続くかと思います。
読んでいただきたき、ありがとうございました。