子猫の大冒険 21
目の前には、見慣れた
一軒のお家がありました………。
「(何時の間に、お家に、着いたんだろ?)」
何が起こったのか、
中々、理解が追い付かないミィでしたが、
それでも、見慣れた家を見て、
居てもたっても居られなくなったミィは、
女の子の元へと、駆け抜けて行きます。
家の階段を駆け上がり、
女の子の部屋の前で来ると、
扉の前で、立ち止まりました。
「すぅ~………。はぁ~………」
深く深呼吸をして、
気持ちを落ち着けたミィは、
扉を潜ると、女の子の眠っている、
ベッドへと、向かいました。
ベッドで、眠っている女の子は、
ミィが、家を飛び出した時から、
変わらず、苦しそうな表情を
浮かべていました。
「(きっと、良くなるから、
もう少しだけ、我慢してね!!)」
苦しそうな表情を浮かべる
女の子を見たミィは、不思議な泉で、
出会った少女から貰った、7色に輝くドングリを
女の子の口元まで行くと、
そのまま、口の中へドングリを入れました。
「っぐ!?」
最初、女の子は、
口の中に入って来た
異物に顔をしかめると、
思わず、吐き出そうとしました。
「(吐き出したら、ダメ!!)」
だけど、女の子に
ドングリを飲み込んで欲しいミィは、
両手で女の子の口元を塞ぐと、
ドングリを吐き出せないようにしました。
「う~………!。う~………!!」
女の子は、如何にか、
口の中にあるドングリを
吐き出そうとしていましたが、
吐き出す事が出来ないと、
諦めたのか、今度は、
口の中に入っているドングリを
飲み込みました。
「(良かった………。
ちゃんと、飲んでくれた………)」
女の子がドングリを
飲み込んでくれた事に、
安堵の表情を浮かべると、
女の子の口から両手を離しました。
「(お願いします………。
どうか、女の子の病気を
治してください………)」
ドングリを飲み込んだ、女の子の事を、
ミィが、祈る気持ちで、見守っていると、
女の子の体が、7色に輝きだしました。
そして………。
女の子の体から7色の光が収まる頃、
今まで苦しそうな表情を浮かべていた事が、
嘘だったかのように、女の子は、
穏やかな表情を浮かべていました。
「(病気が、治ったのかな………?)」
それでも、女の子の事が、
心配なミィは、片時も離れる事無く、
女の子の事を見守っていました。
すると、先程まで眠っていた、
女の子の両目が次第に開かれていきました。
最初、女の子は、
ボンヤリとした表情を浮かべていましたが、
心配そうな顔で、自分の事を見つめている
ミィの姿を捉えると、微笑みを浮かべながら、
ミィの頭を優しく撫でてくれました。
「おかえりなさい………」
そう一言、女の子がミィに告げると、
再び、眠りについてしまいました。
女の子が眠りについて、
少し不安になったミィでしたが、
女の子の表情が、穏やかだったこともあり、
病気は、きっと、良くなると、ミィは確信しました。
女の子は、きっと良くなると安堵した瞬間、
これまでの事で、心身共に、疲れ果てたミィは、
女の子と一緒に眠りに付きました。
それから、
数日が経ち、片時も離れる事無く、
女の子の様子を伺っていたミィでしたが、
女の子が、また、病気で苦しむと言った事も無くなり、
平穏な日々を過ごせるようになったので、
ミィは、不思議な泉で出会った、
少女との約束を果たそうと考えました。
そして、その日の夜、
女の子が、寝静まったのを確認すると、
リスさんと出会った、森へ向かう為に、
家を飛び出しました。
「そう言えば、リスさんは何処に居るんだろ?」
一度、来た事もあり、
思いの外、早くに森に到着した
ミィでしたが、肝心のリスさんが、
何処に居るのか、分からない事に
気が付きました。
「取り敢えず、リスさんと出会った場所を、
進んでみようかな………」
それからミィは、リスさんと、
一緒に駆け抜けた森の中を、
一人で、彷徨います。
そしてミィが
『ドングリ池』の近くまで、
到着した時………。
「やぁ、猫さん。
こんな所に、一人で、どうしたんだい?」
『ドングリ池』の畔に居たリスさんが、
ミィに語りかけて来ました。
「こんばんは、リスさん。
あの時は、お世話になりました」
リスさんと再会を果たしたミィは、
早速、これまでの事に対して、
リスさんにお礼を言いました。
「その後は、どうなったんだい?」
「はい。お蔭様で、
無事に女の子の病気を
治すことが出来ました」
「それは、良かった………」
リスさんも女の子の事が、
気になっていた様で、ミィの口から、
元気になった事を聞いて、
安堵の表情を浮かべました。
「それで?
猫さんは、何で、こんな所に居るんだい?
もしかして、態々(わざわざ)それを伝える為だけに、
森の奥に来た訳じゃないんだろ??」と、
ミィが、森の奥にある『ドングリ池』まで、
赴いて来た事に対して、質問して行きました。
「ある人から、
リスさん宛の伝言を預かりました。
今日、此処に来たのは、
その伝言を、リスさんに伝える為です」
「伝言??」
ミィの説明だけでは、
良く分からなかったリスさんは、
早速、ミィから伝言を聞く事にしました。
「はい。
不思議な泉で、
出会った少女からの伝言です………」
それから、ミィは、
不思議な泉で出会った少女から
預かった伝言をリスさんに伝えました。
伝言を聞いたリスさんの瞳に、
涙が溜まっていきました。
そして、最後までミィの話を聴いた時、
リスさんは安堵の表情を浮かべながら、
何時までも泣き続けていました。
「態々、伝言を伝えに来てくれて、ありがとう。
本当なら、御持て成しをしたい所なんだけど、
今から少し、行く所があるから………」
リスさんは、そう言うと、
『ドングリ池』の奥を見つめます。
それを見たミィは、
「私も家に居る女の子が心配なので、
今日は、もう、帰ります。
女の子が元気になった時、
改めて、一緒に来ますね」と、
リスさんに言いました。
「うん。その時は、改めて、歓迎するよ!!」
そう言うと、リスさんは、
森の奥へと、駆け抜けて行きました。
「それじゃ、私も、帰ろうかな」
リスさんの後姿を見送ったミィは、
女の子が待つ家へと、帰って行きました。
リスさんに伝言を伝えてから、
更に、数日の日々が経ちましたが、
女の子が、再び、病気に苦しむと言う事は、
無くなりました。
それ所か、今までの事を考えると、
信じられない位、元気になった女の子は、
部屋の外に出て行っては、泥だらけになって、
帰って来る日々が増えてきました。
「(次の満月の夜が楽しみだな………)」
元気になった女の子を見つめながら、
ミィは、今度、満月の夜になった時は、
森で出会った、お友達を女の子に紹介すると、
心に誓うのでした………。
この度は、
子猫の大冒険をご覧頂きまして、
誠にありがとうございますm( _ _ )m
これにて、
子猫の大冒険は、終わりとなります。
何処で、お話を終わらせるか、
悩みに悩みましたが、
私の中では、ここが潮時かなっと思い、
このような形となりました。
色々と、初めての事ばかりなので、
所々で、不出来な所もあったとは思いますが、
それでも、最後までお付き合いして頂いた、
読者の皆様には、最大限の感謝とお礼を
心よりさせて頂きたいですm( _ _ )m
先程も述べましたが、
子猫の大冒険は、
ここで、終わりとなりますが、
もう一つの作品は、
まだまだ、続いていきますので、
もし、そちらもお読み頂いている、
読者様がいらっしゃいましたら、
これからも、御贔屓の程、
宜しくお願い致しますm( _ _ )m
そして最後に………
締め切りに間に合って、
本当に良かった!!!!!!!!!!!
_:(´ཀ`」 ∠):_ゴフ




