子猫の大冒険 18
ただ、ハッキリとしている事は、
今も病気で苦しんでいる女の子を
病気から助けることが、出来なかった、
と言う悲しい想いで、一杯でした。
体力も尽き果て、
一歩も動けなくなってしまった
ミィの瞳から涙が、溢れてきました。
「ごめんなさい………」
誰に対してなのか………。
再び、謝罪の言葉を口にする
ミィの頬を一粒の涙が、
伝って行きました。
ミィの頬から零れ落ちた
一粒の涙が、ミィの顔の近くにあった
茨に触れた瞬間………。
信じられない出来事が起きました。
ミィの涙に触れた茨が突如、
蠢きだしたと思ったら、少しづつ、
ミィの傍から茨が、離れて行きました。
何が起こったのか、
理解できなかったミィは、
ただ自分の傍から離れて行く
茨を見つめる事しか出来ませんでした。
それから、暫くして、
ミィの傍から茨が、離れて行った時、
1本の道が出来上がっていました。
「(あそこに見えているのは、
もしかして………)」
ボンヤリとですが、
その道の先には、七色に輝く
不思議な泉が、ありました。
「(お願い………。
後、少しで良いから、
頑張って………)」
道の先に見えている
七色に輝く、不思議な泉を見たミィは、
気力を振り絞って立ち上がると、
泉の元へと、歩んで行きました。
そして、何とか茨の道を抜け、
泉の元へと、辿り着いたミィは、
目の前に広がる風景を見た瞬間、
言葉を失ってしまいました。
「(すごい………)」
不思議な泉の水は、
まるで、鏡の様になっていて、
周りの景色を全て、泉の中に
映し出していました。
空に掛る逆さまの虹も例外では無く、
泉に映し出された虹と、空に掛る逆さまの虹が、
泉の境目で、折り重なるようにしているその様は、
今まで、ミィが見て来た、どんな光景よりも、
幻想的でした。
「(そうだ!直ぐに、お願い事をしなくっちゃ!!)」
目の前に広がる光景に心を奪われ、
魅入ってしまった、ミィでしたが、
本来の目的を思い出して、我に返ると、
直ぐに、不思議な泉の傍まで、
近寄って行きました。
「お願いします………。
どうか、病気で苦しんでいる、
私のご主人様を助けてください………」
不思議な泉の元に辿り着いたミィは、
病気で苦しんでいる女の子を、
助けて欲しいと、祈りを捧げます。
すると、ミィの祈りが通じたのか、
泉が七色に光り輝きだしました。
「うわ!?」
次第に強くなる光を放つ泉に
目を開けていられなくなったミィは、
強く目を閉じます。
瞼の裏からでも分かるくらい、
強い光を放っていた泉でしたが、
暫くすると、徐々に光が弱まって行きました。
「(もう、目を開けても大丈夫かな?)」
完全に光が弱まったと、
判断したミィが、ゆっくりと、
目を開けて行くと………。
不思議な泉の中央に、
一人の少女が、佇んでいました。
この度は、
子猫の大冒険をご覧頂きまして、
誠にありがとうございますm( _ _ )m
物語も終盤に差し掛かって来た事で、
逸る気持ちもあるのですが、
大どんでん返しみたいな、
オチにならないように、
じっくりとやって行きたいと、
思いますので、読者の皆様には、
ご不便をおかけしますが、
宜しければ、最後まで、
お付き合いの程、
宜しくお願い致しますm( _ _ )m




