子猫の大冒険 17
最後に、リスさんと、
再会の約束を果たしたミィは、
女の子を病気から救う為、
茨の森の中へと、入って行きました。
「やっぱり、僕も猫さんの後に
付いて行こうかな………」
ミィが、茨の森の中へ入った今なら、
自分も入る事が出来るかもしれないと考えた
リスさんは、再び、茨の入り口へと、
近づいていきました。
ですが、ミィ以外の何人も、
茨の中へ入る事は許さない、
とでも言うかのように、
リスさんが、入り口へ近づくにつれて、
茨の入り口は、閉じていきました。
「やぱり、君はまだ………。
僕のことを許してくれないんだね………」
何処か、寂しそうな表情を浮かべながら、
リスさんは、何時までも茨の森への入り口が、
あった場所を、見つめていました………。
ミィが茨の森の中を歩いていると、
突然、鋭い痛みを感じました。
「ッツ!!
また、棘が刺さってる………」
痛みを感じた方に目を向けてみると、
右肩の辺りに、茨から飛び出している、
棘が、数本、刺さって居ました。
「(もぉ、このままでも、良いかな………)」
最初の内は、茨の森の中を
進んでいる時に刺さった棘は、
その都度、抜いていましたが、
次から次へと、際限なく、茨の棘が、
刺さって来るので、今では、
棘を体から抜くことは無くなりました。
体に棘が刺さっている状態でも、
気にする事無く、茨の森の奥へと、
歩み続けていましたが、
棘による体の痛みと、
此処に来るまでの疲労で、
ミィの体力もそろそろ限界が、
訪れようとしていましたが、
ミィは、力の限りを尽くして、
茨の森の奥へ、奥へと、進み続けました。
ですが、進んでも、進んでも、
分かり映えのしない茨の森の風景は、
ミィにとって、棘が刺さる以上に、
辛い物がありました。
それでも、女の子を病気から、
救いたい一心で、ミィは、一歩、
また一歩と、茨の森の奥へと、
進んで行きました。
何があっても、茨の森の奥へと、
歩み続けていた、ミィでしたが、
遂に体力の限界を迎えてしまいました。
その場で、立っているのも、
辛くなったミィは、足を縺れさすと、
茨の中に倒れてしまいました。
ミィが茨の中に倒れた時、
無数の棘が、ミィの体に
突き刺さっていきましたが、
既に感覚がなくなってしまっている
ミィは、どれだけ、棘が体に刺さっても、
痛いと感じていませんでした。
「ごめん………なさい………」
朦朧とする意識の中、
ミィの口からは、謝罪の言葉しか
出てきませんでした。
思わず口から出たその言葉は、
何に対しての物なのか、ミィ本人も、
分かって居ませんでした。
ただ、ハッキリとしている事は、
今も病気で苦しんでいる女の子を
病気から助けることが、出来なかった、
と言う悲しい想いで、一杯でした。
この度は、
子猫の大冒険をご覧頂きまして、
誠にありがとうございますm( _ _ )m
物語も終盤に差し掛かって来た事で、
逸る気持ちもあるのですが、
大どんでん返しみたいな、
オチにならないように、
じっくりとやって行きたいと、
思いますので、読者の皆様には、
ご不便をおかけしますが、
宜しければ、最後まで、
お付き合いの程、
宜しくお願い致しますm( _ _ )m




