子猫の大冒険 01
とある1軒のお家に、
もう直ぐ、10歳になる、
一人の女の子が居ました。
ただ、女の子には、
一つ、重大な問題がありました。
それは………。
生まれた時から、体が弱い事です。
病気になりやすい女の子は、
部屋の外に出る事が出ませんでした。
何時も部屋の窓から楽しそうに遊ぶ、
子供たちを見ては、寂しそうな表情を浮かべる、
女の子を見ていた両親は、
少しでも、女の子の気持ちが和らげばと思い、
一匹の黒い子猫を送りました。
両親から送られた黒い子猫を受けとった、
女の子は、大変、喜びました。
「こんにちは!お名前は何が良いかしら?」
女の子は、子猫に名前を送る事にします。
「決めた!あなたのお名前は、『ミィ』よ!!」
女の子から『ミィ』と、名付けられた子猫は、
嬉しそうに鳴きました。
それから、女の子と、ミィの
平凡だけど、幸せな日々が始まりました。
何をする時も一緒の時を
過ごしていた女の子とミィは、
片時も離れる事なく、
毎日を楽しく過ごします。
ミィが来るまでは、塞ぎ込む、
毎日を過ごしていた女の子が、
笑顔で居る所を見た両親も、
幸せな気持ちになりました。
だけど、そんな幸せな日々は、
長くは続きませんでした………。
ある寒い夜の日………。
元々、体が弱かった女の子は、
体調を崩してしまい、寝込む日が続きました。
それでも、普段なら長くても2、3日程で、
体調が良くなっていた女の子でしたが、
その日は、少しだけ、何時もと様子が違いました………。
次の日も、そのまた、次の日になっても
女の子の容体は、一向に良くなりませんでした。
何時もと様子が違う女の子の事が、
心配になった子猫のミィは、
片時も離れる事無く、女の子の様子を伺います。
自分の傍を片時も
離れないミィを見た女の子は、
ミィの事を安心させる為に、笑顔で
「大丈夫だよ。直ぐに、良くなるからね」と語りかけました。
だけど、それが、
女の子の強がりだと言う事を、
ミィは、理解していました。
その日を境に、徐々に、
体の調子が悪くなっていく女の子を
見ている事しか出来ないミィは、
涙が止まりません。
そして、その次の日………。
一向に、体調が良くならなかった女の子は、
遂に意識を保っていられなくなってしまいました。
意識を失ってしまった
女の子を見たミィは、
居てもたっても居られずに、
家を飛び出してしまいます。
一体、何処をどう進んだのか………。
当ても無く多々、走り続けたミィは、
気が付けば、女の子が元気な時にだけ、
一緒に来ていた公園に来ていました。
女の子が辛い時に何もできない
自分の不甲斐なさを思い出しては、
ポロポロと涙を流していると………。
何処から歌が聞こえてきました。
「綺麗な歌だな………。
何処から聞こえて来ているんだろ?」
何処か懐かしいその歌を聞いたミィは、
少しだけ、気分が落ち着いてきました。