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彼女には敵わない 1  作者: 物述あゆむ
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策略的?な彼女

1.プロローグ



自己紹介をしよう。俺について、の。

俺の名前はひいらぎ 弥景みかげ

東雲しののめ高校に通う普通の学生だ。みんなと何一つ変わらない、ごく普通の。


だが、俺はこんな思想を持っている。


利他的行為とは、まわりまわって利己的行為にな る、と。


よく「これは貴方のためだから」と言いながら誰かの為に行動する奴を見かけるが、

そんな奴を見かけると俺はつくづく考えてしまう。

いくら他人の為に行動しようと、結局は自分の為になるならば何もしなくてもいいのではないか、

それはただのエネルギーの浪費ではないかと。

これは俺個人の見解であるため、他の人は分からない。ただ、俺は強くそう思う。


こんな思想を持つ俺は、案の定友達は少数しかいない。

もちろん、誰かに好意を持たれたことなど一度しかない。

……なんだか虚しくなってきたな

とにかく、俺は一人を好む省エネ主義者なのだ。


よし、取り敢えず自己紹介はこのぐらいでいいだろう。これ以上続けたら俺自身が悲しくなってしまう。


なぜ唐突に自己紹介を始めたのか、それには理由、というか原因がある。

それは今俺の隣にいる彼女、桜庭さくらば 陽奈ひなだ。

一応俺の彼女、らしい。俺は今まで誰かと付き合ったことがないのでよくわからないが。

俺の人生は彼女のせい、いや、おかげといっておこう……色々変わった。

そんな俺の波乱万丈な人生(自分でもなにを言っているかわからない)を紹介しようと思い、自己紹介をしたのだ。


そういうことでまず、俺が今までどんな学校生活を送ってきたか教え_____


「なにボーっとしてるの?それとも考え事?」


「…!」


驚いた、…いきなり俺の話に入らないでもらいたい。びっくりするから。


「いやなに、我ながらすこし馬鹿なことを考えていただけだ」


「なにそれ、ちょっと気になるなー、私」


そう言いながら、彼女は俺の顔を覗き込んできた


「いや、気にしなくていい。馬鹿過ぎて笑いも起こらないだろうから」


そう言い放つと、彼女はえーと言いながら不満そうな顔をした。

言えるわけ無いだろう。だって、頭の中で自己紹介しているやつなんて、気持ち悪がられるじゃないか。

自分でしといてなんだが。

彼女は俺のことならなんでも知りたがる。彼女は無邪気に聞いてくるので嫌だとは思わないが、不思議には思う。

彼女として、好きな人のことが知りたいのかもしれないが、俺には何か、違うものがある気がする。ように思うだけだが。


陽奈はムスッとした顔で御影の顔をジーッと凝視する。

…とても見られている。ガン見されている。


「どうしたんだ、そんなに見つめて」


「…アイス買って」


なぜそうなる。


「いやいや、いきなりだな」


「みかげくんが教えてくれないからいけないんだよ」


「…理由になってないぞ」


彼女は膨れ顔のまま黙っていた

しょうがない、機嫌を治すためにも買ってやるか。すこし居心地も悪いし。


「なんの味が食べたいんだ…?」


「!!買ってくれるの?」


「ああ。だからその、機嫌…治してくれ」


「しょうがないな~、特別に許してあげる!」


彼女は満面の笑みでそう言った

俺はそんな彼女を見て不覚にもドキッとした

(だってしょうがないじゃないか、可愛かったんだもの…)


「…ありがとう、我儘言ってごめんね?」


「いいさ、俺もすこし、意地悪なこと言ったしな」


それに、あまり喧嘩はしたくないしな、と俺は心の中で静かにつぶやいた。

なんで口にしなかったのかって?そんなの決まっているじゃないか。

そう、それは恥ずかしいからだ。


「でも、なんだかんだ言ってもみかげくんは優しいよね。そんなみかげくんのこと好きだよ、私」


彼女は頬を赤らめながら、そう言った


そうゆうことをあまり言葉にしないでほしいな…こっちも恥ずかしくなるから。


……ここで一つ、唐突だが俺が彼女に関する気になることを教えよう。

それは、なぜ彼女はそこまで俺のことを好いてくれるのか。

彼女とは高校に入ってから知り合った。俺の覚えてる範囲では、だが。

そこで不思議に思った俺は、前に一度そのことを彼女に聞いてみた、がはぐらかされてしまった。

まあ誰かから好意を持たれるのは正直悪い気持ちがしないのでそんなことはどうでもいいことなのかもしれないが、でも、少し気になっていることの一つだ。


「そうか」


俺は彼女の無邪気な笑顔が眩しすぎて、そして愛らしすぎてすこし目を逸らしてしまった。


「えへへ」


しかし、彼女はそんなことは気にせず、俺に向かって照れくさそうにはにかんだ。


もしかしたら、彼女は俺にアイス買わせるために怒ったふりをしたのかもしれない。

…いや、深く考えすぎか。

俺に彼女の考えていることがすべてわかるはずがない。付き合ってそんなに時間もたってはいないし。

それにこの先、彼女とともにして経験することが濃いものだとしても、

彼女の考えなどすべて知ることはできないだろう。

もし、俺の中に少しでもそんなことができるかもしれないという気持ちがあるとするならば、

それはあれだ、傲慢ってやつだ。慎むべし慎むべし。


それにしても、省エネ主義の俺にこんなにも頭を使わせるなんて…


全く、彼女には敵わない…


どうもこんにちは、物述あゆむです。

今回初めての小説投稿になり、目も当てられないような小説になってしまったかも知れないですが、誰か一人でも読んで頂ければ光栄だと思っています。

この小説の始めとして主人公もヒロインの二人の説明などなど書いていきましたが、すこし、というかかなり説明不足かもしれません。(汗)

私は米澤穂信さん作の氷菓シリーズが大好きで私の小説も所々設定などが似てしまっているかも。

まあ、そういう点などは生暖かい目で見守って貰えれば、そして、この小説をみて面白いと思ってくれる人が一人でもいれば嬉しいです。

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