表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

適用外

 むかし、むかし、ある所に女神さまがいました。 女神さまは慈悲深い神として生き物たちに大変慕われておりました。 ある秋の終わり、女神さまは紅葉を楽しみながら森の中を歩いていると、やせたクマに会いました。 女神さまを見るとクマは近づき頭を下げて言いました。


「女神さま、どうかお助け下さい。 もうすぐ冬だというのに食べ物が足りず冬眠に入れないのです」


 女神さまは困ってしまいました。 ここまで来る途中に食べ物は見当たらなかったのです。 女神さまも自然の掟は理解していましたが、他の生き物にクマに食べられなさいとは、とても言えなかったのです。


「うーん、そうですわ。 友達の女神に相談してみますわ」


 そう言うと女神さまは空間から何か黒いものを取り出しました。 それは何かとクマが尋ねると、女神さまはドヤ顔で言いました。


「ふふーん、これはね離れた相手と会話できる道具ですわ。 友達の女神に貰ったのです、えっと確かくろ……くろでんだったかしら」

「おお、すごい物なのですね」


 そして女神さまはくろでんの受話器を取ると、本体真ん中にある丸いものを回し始めた。 ジーコロロ、ジーコロロ……女神さまは延々と回しているのでクマは心配になりました。


「あ、あの女神さま、大丈夫何ですかその道具?」

「ごめんなさいね、数字を50回くらい回さないといけないの。 そうしないと彼方の女神に繋がらないのよ」

「た、大変ですね」

「……5、6、3、8、3と、ふう終わりましたわ。 もう少し待って下さいね」


 女神さまは受話器を耳に当ててクマに向かってほほ笑んだ。 トゥルルルル、トゥルルルル、……しばらく待っていると、ガチャ。


「あっお久しぶりですわ。 そう私です、50年振りくらかしら。 うんうん、そうですわね。 それでね、今回連絡したのは相談したい事があって」


 それから女神さまは10分ほど話を続けました。


「うんうん、ありがとう助かりますわ。 今度また会いましょうね、ではごきげんよう」


 女神さまは道具を空間にしまいながらクマに話しかけた。


「もう大丈夫ですわ。 彼方から新鮮なお肉を送ってくれるそうです」

「おお、ありがとうございます。 なんとお礼を言えばいいのか」

「お礼なんてよろしいのよ、女神の務めですもの」


 そうしてしばらく待っていると、空に歪みと共に扉が現れて開くと同時に何かが落ちる。 それは叫び声を上げながら地面に落ちた。


「今扉から何か落ちましたわ。 クマさん行ってみましょう」

「はい、女神さま」


 女神さまとクマが落ちた物の近くに行ってみると、そこには太った男が落下した衝撃で動けずにいた。


「ごほっげほっ、くそ動けねー……あのくそ女神、絶対あとでボコボコにしてやる」

「もし、よろしいかしら?」


 女神さまが尋ねると男は訝しげに見上げてきた。


「誰だ、あんた?」

「私はこの世界の慈悲の女神ですわ。 もしかして彼方の女神の要請でこちらに来られたのかしら?」


 女神さまが尋ねると男は頷いた。


「ああ、何でも友達の女神を助けてほしいって、Tv見てたらいきなり画面から出てきてな。 小説みたいで面白そうだったから承諾したらこの有様さ」


 男は痛みに顔を歪めながら落ちてきた経緯を話した。


「あんたがその友達の女神様か、丁度いいや助けてくれよ。 体が痛くて動けないんだ」


 それを聞いた女神さまは、ニッコリ笑って言いました。


「いいえ、それには及びませんわ。 さあ、クマさんお待ちかねのお食事です、存分にお食べなさい」

「はい、ありがとうございます。 女神さま」


 その言葉を聞いた男は目を見開いて驚いた。


「ど、どど、どうゆう事だ! た、助けてほしいって。 それにあんた慈悲の女神なんだろ?」

「ええ、そうですわ」

「だったら俺を助けろよ!!!」


 女神さまは男の疑問に答えました。


「まず助けてほしい理由は、このクマさんの食べ物ですわ。 それを友達の女神にお願いしたのです。 次に私は慈悲の女神ですが、あなたはこの世界の生き物ではないので適用外ですわ」

「ななな、なんじゃそらーーーーーー」

「お分かり頂けたなら大人しく食べられてくださいね」


 女神さまはニッコリ笑って言いました。


「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ、た、助けてぇぇぇぇ誰かーーー」


 男は痛みで動けない体を無理に動かして逃げようとしました。 しかしクマさんが近づき右足で一撃を加え喉に咬みつきました。


「ぎゃぷ」


 男は喉から血を流し絶命した。 クマさんは喉を食いちぎると食べ始めました。


「どうかしらクマさん? 美味しい?」

「嗅いだ事のない臭みがありますが、美味しいです。 これで無事に冬眠に入れそうです」

「それは良かったわ。 じゃあ私は行きますね」

「はい、ありがとうございました女神さま」


 そして女神さまは軽くスッテプを踏みながら去っていきました。

 めでたしめでたし



 完









ご覧頂きありがとうございました。 今回もアホな話でした。 異世界の生き物に能力は使わない、そうゆう神様もいるかなと思い書いてみました。 では今回はここで失礼を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ