カカオ100%
お久しぶりです。 別の事してたので更新出来ませんでした。 この何日か読んで頂いてる皆さま感謝、感謝です。 ありがたやありがたや では今回もしょうもない話ですがどうぞ。
僕は何故、此処に居るのだろう? 何時もの様に学校へ行き何時もの様に家に帰ってご飯を食べてお風呂に入って寝る。 そんな生活がずっと続くと思っていたのに。
あれは学校からの帰り道だった。 半ばを過ぎた辺りで目の前に黒い球体があった。 それは空中に浮いていて目の錯覚かと思った、恐る恐る近づいてみると突然大きく拡がって僕を包み込んだ。 そして僕は気を失った。
気が付くとと石の壁が目に映った、頭を動かして周りを見ても石の壁だった。 身体を起こして後ろを見たら……鉄格子? それを見て理解した、そう僕は何故か牢屋の中に居たのだ。
全く訳が分からない、あの黒い球体のせいだろうか? でも何故牢屋なのか? まさにメダ○二状態だった。 思考の堂々巡りをしていたら物音がして誰かが入って来た。 そして僕の居る牢屋の前まで来ると僕の思考は止まる。 目の前に居たのは人じゃなかった。
何だろう? あれは、見た事がない……いやある。 でもそれは漫画やゲームといった空想の話だ、でも目の前に居るのはにゴブリンと思われる怪物がいた。 角があり牙があり背が低い、正直特撮? めっちゃ手の込んだドッキリ? と思ったがこのゴブリンは余りにも生々し過ぎた。 僕は知らず知らず後ずさっていた。
目の前のゴブリン達は僕を指差し何やら話していたがゲキョゲキョと全く理解出来なかった。 でも僕を見ながら舌舐めずりしているので僕をどう食べるかの相談のように聞こえた。
目の前のゴブリン達が騒いでいると、奥から声がする。
「あら、何を騒いでいるの? お前達」
人の声⁉ 一瞬耳を疑った。 人を食べるかも知れないゴブリンがいる所に人が居るのか? でも今のは確かに人の声に聞こえた、人じゃないかも知れないけど少なくとも僕が理解出来る言葉を使う生物だ。 意思の疎通が可能なら助かる道もあるかも知れない、そう考えた僕は多少冷静さを取り戻す事が出来た。
足音が近づいて来る、ゴブリン達は音の方向を見ると静かになって頭を下げた。 どうやら近づいて来る生物はゴブリンより格上みたいだ。 そしてコツ、コツと近づいて来る生物を僕は見た。 僕は我を忘れて見いってしまう、そこに居たのは美しい女性だった。
……女性だった、でも今までこんなに綺麗な女性は見た事がなかった。 光る銀髪、黄金の瞳、透き通る肌、メリハリのある官能的な身体、女神のような女性がそこに居た。 ハッと我に返って良く良く見ると人でないのは明白だった。 女性の頭には2本の角がある、背中には蝙蝠みたいな羽根も生えていた。
女性はゴブリン達と話をしている、どうやらあの言葉が分かるようだ。 女性は何度か頷いた後、微笑みながら此方を向く。
「成る程ねぇ。 次元の狭間に消えた捕獲玉が戻って来た事でも珍しいのに、おまけに異界のお土産か」
女性はゆっくりと近づいて来る。 すると、えもいわれぬ甘い香りが漂って来た。 しかも女性はほとんど裸みたいな服を着ているため目のやり場に困ってしまう。 むこうも其れが分かっているかの様に身体をくねらせてくる。
「お前言葉はわかるの? 私の言っている事は理解出来るかしら?」
「はっはい。 わ、分かります」
「そう、良い子ね。 ふ~ん、よく見ると可愛い顔つきね坊や」
言うなり舌舐めずりをする女性、とても扇情的だった、甘い香りも相まってあそこがヤバイ。 正直こんな時にと思うけど本能が刺激されてマジでヤバイ。 この女性はもしかしなくてもサキュバス? だとしたら非常に納得。
「幾つか質問するわ、正直に答えなさい、良いわね?」
「はっはい」
僕は何度も頷いた、ここを乗り切れば助かるかも知れない。 慎重に答えなければ、心証を悪くしたら多分殺される。
「お前、名前はあるの?」
「はい、一真、祭刀一真です」
「カズマね、此方ではいない感じの名前ね」
「カズマ、お前は人族良いのかしら?」
「此方の基準に合わせれば多分そうです」
「お前の世界では違うの?」
「ち、違うと言うか彼方では文明を持っているのは人間だけで、貴女のような種族は居ないんです」
「人族しか居ないの?」
「他の動物や何かはいますが、貴女のような種族は物語にしかいないんです」
「変わってるのね、お前の世界。 まあ良いわ」
女性はゴブリンの方を見た。
「お前達、この子は私が貰うわよ」
ゴブリン達はがっかりしつつも頭を下げた。 それを見て女性は谷間に手を入れて何かを取り出した。
「ほら代わりにこれをあげるわ」
言ってゴブリン達の手に玉の様な物をのせた。 貰ったゴブリン達は飛び跳ねて喜び出ていった。
「あの……今のは何ですか?」
「只の飴玉よ。 甘い物に目がないの」
「はあ、……飴玉」
ふーまだ安心は出来ないけど取り敢えず助かったのかな。 この女性は僕を食べそうに無いし(別の意味で食べられそうだけど)
「さてカズマ、 立ちなさい。 そこから出してあげる」
「はっはい」
僕は素早く 立ち上がる。 女性が手招きするので近づくと牢屋の格子が湾曲して通り抜けれる様になった。 牢屋から出ると格子は元に戻った。 目の前の正に魔法といった現象に呆けていると女性は呆れた様に話し掛けてきた。
「そんなに驚く事?」
「えっいやっあの僕の世界に魔法はなくて」
「魔法もないの? 不便な世界ね」
「その代わり学問や技術が発達してます」
「ふ~ん。 まあ良いわ、ついて来なさい」」
「はい」
女性は先に歩き出した。 ついて行こうとしたらとんでもない物が目に飛び込んできた。 殆ど丸出しのお○り。 昔流行ったT○ックに似た感じだろうか、歩く度にプルプル揺れるお○りに理性は崩壊寸前だ。 僕は頬をつねって何とか理性を保った。 駄目だ見てはいけない僕は紳士だ、指で目を隠すんだ、隙間から見てはいけない、見てはいけない、見てはいけない、見てはいけない、見てはいけない…………。
「何やってるのお前? そんな恰好で」
「えっ?」
僕はいつの間にか手で顔を覆い前掲姿勢という訳の分からない恰好になっていた。 目の前の女性は僕の行動を理解不能といった体で見ている。 ……ヤバイ、僕は冷や汗を掻きつつ姿勢を正す。 女性は呆れた様にため息を吐くと歩き出した。 僕も慌てて追いかけた、今度は女性の頭を見て歩いた。 最初からこうすれば良かったと、我ながら思う。 しばらくついて行くと女性が立ち止まった。 そこには高さ2メートルくらいの扉があった。 女性が近づくと音もなく開きだした。
「ここよ、入りなさい」
「……はい」
部屋の中は一言で凄かった。 所謂西洋アンティークの超豪華版な感じの調度品が其処ら中置いてあり、天井にはこれまた豪華なシャンデリアまで吊るしてあった。 廊下で驚いていると女性が入るよう促してきた。
「カズマ、何を呆けっとしてるの? 早くお入り」
「はっはい、すいません」
慌てて中に入ると女性の他に女の子がいたフリルのついた服を着ているので恐らくメイドさんだろう。 メイドさんは女性に頭を下げこう言った。
「お帰りなさいませ、姫様」
「ええ、ただいま」
「?……姫様?」
僕が目を見開いて驚いていると、姫様と呼ばれた女性が振り返った。
「ああ、まだ自己紹介してなかったわね。 私はリリアス、リリアス・サキュロ・ファムファタールよ」
この女性はリリアスという名のお姫様だった。 という事はあれか? エロ本やエロゲー何かにある定番、人外のお姫様にペットとして飼われて×××な日々を送るやつか? デへ。 ……はっ! いやいやペットとして飼われるなんて人としての誇りが、いやいや殺されたら誇りも何も無いし。 いやいや、いやいや、いやいや、いやいや……。
「気持ち悪いわよカズマ、何ぶつぶつ言ってるの」
「はっいっいえ、何でもありません。 ひっ姫様」
こんな綺麗な人と正確には人じゃないけど×××出来る? デへ、……まっまあ仕方ないよね。 死ぬよりは良いし、ウンウン。
「鼻の下が伸びてるわよ、何を考えているの?」
そう言いながら僕の顎の下を指で撫でる姫様。 全身に電気が走る、甘い香りも鼻をくすぐる。 それだけで腰くだけになりそうだ。
「んーちょっと汗臭いわねカズマ、サリア洗ってやって」
姫様は僕の匂いを嗅ぐと、メイドさんに指示を出した。 この子何処の子? という顔をしながら頷くメイドさん。 その顔を見た姫様はクスッと笑いメイドさんに何やら耳打ちをする。 すると納得したのか微笑みながら頷いた、そして手二回を叩いた。
すると奥からメイドさんがやって来た。 見た目は僕と変わらない位の子が四人、みんなかわいい。
「姫様からの御指示です、この人族の子を洗浄し香油を」
「「「「畏まりました」」」」
四人は言うやいなや僕を取り囲み服を脱がし始めた。
「えっえっえっいやっあの勘弁してーーーー」
僕の声は空しく響いた。
一時間経過
「はぁぁぁぁぁぁ」
僕は深いため息を吐いた。 あの後裸に剥かれ浴槽に放り込まれて四人のメイドさんに全身を洗われた。 スポンジで擦られたけどたわしに近くてかなり痛かった。 その後横長の台に寝かせられ、花の香りがする香油をこれ又全身に塗られた。 お陰で気持ちよ……ゴホン、肌の痛みが和らいだ。 裸のままなのでせめて下着でもと思っていたら着ていた服は没収され、代わりにタオルの様な布切れ一枚。 やむを得ないので腰に巻いて隠した。
腰に巻き終わったタイミングでメイドさんに連れられてまた姫様の部屋へ戻って来た。 中に入ると姫様が近くてきて僕の身体を確かめた。 匂い迄確かめるのか、姫様の顔がちっ近くに来てヤバイヤバイりっ理性が。
「ウンウン、汗の匂いは取れたわね。 よし、じゃあ」
いっいよいよかな何て思ってゴクリと喉をならしたら。
「こっちよ。そのままついて来なさい」
あれーと思いつつも大人しくついて行った。 僕は姫様の背中を見ながら専用の部屋が別にあるのかな、何て考えていた。 ついて行くと二階下に降りた、まさかアッチ系の部屋? そっちの趣味は無いんだけどなあって思ってたらどうやら着いたらしい。
「ここよ」
そこには普通サイズの扉があった。 姫様が開くと中から騒がしい音が聞こえてくる、そこは厨房の様だった。 所狭しと大勢が働いている、オークが鉈の様な包丁で肉をさばき、ゴブリンが野菜の皮を剥く、スケルトンは石臼を延々と回していた。
「姫様何故こちらに?」
「畏まらなくていいわ、厨房長はいる?」
「はっ直ぐ呼んで参ります」
姫様は近くにいたオークに話しかけて厨房長、ここの責任者を呼んで来させた。 少し待つとさっきのオークが肩に角を生やした子供を連れて来た、いや子供かと思ったら皺があって年寄りの様だった。 その小鬼は肩に乗ったまま頭を下げた。
「姫様や、わしに何ぞ用ですかの?」
「元気そうで何よりだわ、鉄人厨房長」
「ホッホッホまだまだ若い者には負けませんわい」
どうやらこの小鬼が厨房長みたいだ。 でも鉄人って変な名前だな、昔流行った番組思い出しちゃった。 姫様とは仲が良いみたいだ。 姫様は厨房長の耳元で何か話してる、周りの音が煩くてよく聞こえないや。
「でね……この子…………私……ディナーに」
「フムフム、はい。 確かに承りましたぞ。 久し振りに腕が鳴りますわい、ホッホッホ」
「お願いね」
何を話しているかは分からなかったけど、まあ大丈夫かな? 多分ここで下働きした後姫様のディナーに呼ばれ、じゃなくて給仕かな? あれこれ考えていると姫様がこっちに来た。
「じゃあねカズマ、彼の言う事ちゃんと聞くのよ。 そうしたら後で美味しく食べてあ・げ・る」
「!!」
姫様が僕の頬に手を当てて耳元で囁いて出て行った。 何かもう昇天しそうになっちゃいました、でへへへ。 この先の大人の階段に妄想を膨らませていたら、厨房長に呼ばれた。
「カズマと言うたかの?」
「はっはい」
「うむうむ、じゃあこっちに来てくれ」
「よろしくお願いします」
「?、……まあ元気なのは良い事じゃ」
何をするんだろう? 素人の僕じゃ出来る事なんて限られるから皿洗いか野菜の皮剥きとかかな? 厨房長について行くと大きな作業台があった、大型の獣用かな? と見ていたら。
「この台の上に寝てくれるかの」
「?……は、はあ」
ちょっと嫌な予感がしたけど言われた様に台に乗って仰向けになる。 途端に台からベルトが出てきて僕を拘束した。 いくら動いてもビクともしない、僕は厨房長にどういう事か聞いた。
「ちょっとこれは一体何なんですか? 説明して下さい」
「説明も何も、お前さんを姫様のディナーにする為じゃ」
はっ? な・に・いっ・て・ん・の・こ・の・じ・じ・い? 僕を姫様のディナーって……え? ん? ん? さっき姫様は、美味しく食べてあ・げ・るって、……食べて、食べて、まさかあの言葉はそのままの意味だった? ×××じゃなくて僕を晩御飯で食べるって言った? そんなアホなーーーーーー。
「嫌だーーー助けてーーー」
「うるさいのう、今更叫んでも無駄じゃ。 大人しくしておれ」
厨房長が指で小さな円を描くと途端に僕の身体が動かなくなった。 いくら動こうとしてもピクリともしない、それどころか声すら出なくなった。 まさか今のも魔法なのか? 目だけはかろうじて動かせそうだけど、どうにもならない。 厨房長は横で包丁を研ぎだした。
「姫様に喜んで頂ける様に念入りに準備せんとな。ホッホッホ」
厨房は慌ただしく動いている。 僕を美味しく調理する為の下ごしらえの真っ最中だ。 ……ああ泣きたくなってきた、それにしてもあの女やっぱり魔物かくそーーー。 少しばかり美人でスタイルいい位で僕を食べようだなんて、……だまされたーーー。 これが夢ならどんなに幸せか……恨むよ神様……。
「待たせたの、なーに一瞬じゃ。 スパっと先ず首から行くからの痛みを感じる暇ないぞ。 多分」
せめて眠らせてからやってほしい、と思うのは贅沢かな。 厨房長が巨大な包丁を振り下ろす、次の瞬間僕の意識は永遠に途切れた。
完
今回最後はダークな感じ? になりました。 まあ人外のお嬢さんに気に入られて、ラブラブな感じの物は多々あると思いますが、実際はこんな感じかなーと。 だってねー、人種どころか種族が違いますから、はい。 基本食料、よくて奴隷かな、多分、まーこれに関しては皆々様個々のご意見があるかと思いますのであくまで私見という事で。 ここまで読んで頂き有難う御座いました。