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交通事故で死んで女神に異世界に送られた3人は  作者: あかあめんぼ
未来編
955/957

955 エーアイとユキナ様

今回ベラドンナ

「お願い、助けて!」


 ユキナ様の悲痛な叫びを聞いてもずっと無視し続けるのは心が痛みますね。


「……」


「ベラドンナちゃん!」


「……」


「助けて! 助けなさいよ! 死んじゃう! 死んじゃうよ!」


「エーアイはユキナ様を殺したりはしません。」


「絶対する!」


「……」


 エーアイは、私とユキナ様の間でじっと、ユキナ様が行動するのを待っている。


「……エーアイちゃん、そこ退いてよ!」


「……」


「あなたが私に触ってこないのは知ってるんだからね! あなた、私に触ったら私の方が重傷になるからでしょ? 基礎ステータスってのが、大きく差があるから。」


「それらの知識はどこから仕入れてるんですか?」


「どこって……どっかよ。」


「そういうはぐらかす態度がこういう事態を招くのです。」


「……」


「私、嘘ついてないもん……昔から、全部わかるの!」


「全部わかるですか? シエル様でもないのにわかるのですか……」


「わかるものはわかるのよ! ちなみに今、リョウはこっちに向かってきてるわ。チクってやるんだから! エーアイちゃんが畜生だったってね!」


「……」


「本当よ!」


 確かに、ご主人様はこちらに向かって歩いてきていますが……この部屋に用事があるわけじゃなさそうですね。


「確かに向かってこられてますが……私ではなく、ベラドンナにでも用事なのでしょう。ここは私の部屋ですし、一度はベラドンナの部屋に行かれることでしょう。」


「……リョウは、真っすぐにこの部屋に来るに決まってるでしょ、私がエーアイちゃんの部屋で料理するって言ったのよ? ベラドンナちゃんがいるに決まってるでしょ?」


「……」


 ご主人様は残念ながら、ユキナ様のいうこと通りではなく、エーアイの言った通り、私の部屋に向かって行かれた。


「……どっちにしたって、もう終わりよ! エーアイちゃんの攻撃してきた証拠だってあるんだから!」


「証拠?」


「ナイフよ! ナイフ!」


「ナイフ? 何を言ってるのですか?」


「え?」


 ユキナ様は周りを見渡すが、ナイフやナイフが刺さった後は一切ない。エーアイが証拠隠滅を始めた。


「では聞きますが、証拠とはなんですか?」


「……私にいっぱい暴言言った!」


「暴言? 何を言いましたか?」


「何って……バカとか?」


「私はそんなこと言ってませんが、ユキナ様の方こそ、私に言ってましたね。」


「うぅ……で、でも……」


 記憶消去までするの!? エーアイ全力でご主人様にばらされたくないのね……


「じゃ、じゃあ私がどうしてこんなに怒ってるのよ!」


「料理にでも失敗されたのでは?」


 あちらですよと、エーアイはユキナ様にユキナ様が作った……さっきまでは失敗していなかったはずのゼリーの方を示した。


「そ、そうだったかな……?」


「そうでしたよ。」


 エーアイに私の記憶までも一部消されているらしい。エーアイがどんな方法で私の記憶に干渉したのかわからないので、やられたい放題ってことですか……


「そ、そっか……じゃあなんで、その位の事で絶好なんて言い出したの? 私、絶交なんてそうそういわないよ? リョウに私がいる前でエッチし始めるとかその位の事されないと……」


「では、その位の事を私がしたのかも知れませんね」


「リョウここに居ないよ?」


「私が、ユキナ様の料理を罵倒しまくったとかでは?」


「エーアイちゃんはそういう子じゃないよ……性格むっちゃ悪いけど!」


「……」


「エーアイちゃんは悪い子じゃないもん……性格悪いけど。」


 性格の悪さをやたらと主張してますが、どうやらユキナ様は……最初から、ユキナ様はエーアイの事をおそういう風に見ていたのか?


「……もういい!」


 ユキナ様は走って部屋から逃げ出した。逃げ出したユキナ様は真っ先にご主人様の元へと走っていった。


「リョウ! エーアイちゃんに殺されそうになったんだけど!」


「は?」


 ドアを開けたままユキナ様は大声で話される。おかげで、部屋の中までその大声が聞こえる。


「エーアイがそんなことするわけないだろ!」


「したんだよ! 今さっきも! 私の記憶操作までしてきたんだよ! ほら! ちゃんと手帳に書いたんだから! ほらほら!」


 恐らく、その手帳というのをご主人様に見せているんでしょうか。


「姉ちゃんが勝手な妄想書いてるんでしょ!」


「そうじゃないもん! 私、早書きが得意なの! 知ってるでしょ!」


「はいはーい」


 ご主人様はいい加減な反応をされているが、どうやらユキナ様は覚えていたのではなく、手帳とやらに書き込んでいたということでしょうか?


「ほら! エーアイちゃんによる、ナイフの連続投擲! 危なかったんだから! それにほら! ベラドンナちゃんは見て見ぬふりしたって書いてある! どっちかに肩入れしたら関係悪化とか言ってたり! エーアイを止めたら私が死ぬとか言ってたり!」


「……ねーちゃん、そういうのはよくないよ? 嘘つくのはよくないよ?」


「嘘じゃないもん……ひどいよぉ、う、うぅ……」


 ユキナ様は泣き始めたのか?


「エーアイのせいですよ? 謝ってきたらどうですか? ユキナ様にまさか、早書きなんて特技があったなんて……盲点でしたね?」


「……」


 エーアイは無言で出て行った。


「ご主人様?」


「エーアイ、姉ちゃんが変なこと言うんだよ、エーアイが殺そうとするとか、なんとか。」


「だって、書いてあるんだから!」


「……事実です。ユキナ様が、嘘をつかれますので、ご主人様に悪い影響を与えるかもしれません。それだけでも、十分重罪です!」


「重罪って! でも、アンタの方が悪いんだから!」


「……」


 ユキナ様もエーアイも話を曖昧にしてご主人様の前から逃げ出した。




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