表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交通事故で死んで女神に異世界に送られた3人は  作者: あかあめんぼ
未来編
939/957

939 ケーキ焼き

今回ホワイト

「ちょっと、あんたどういうつもりよ! なんで先回りしてんのよ!」


 折角ご主人様にケーキを作っていたのだが、突然コチョウ様そっくりのユキナ様が私に突っかかってこられた。


「先回りと一体どういう意味でしょうか? 私はずっと、ご主人様のためにケーキ作っていたのですが…」


 私は今は焼きあがるのを待ちつつ片付けをしているのをユキナ様に見えるように一歩横に引いて説明をしようとしたら、ユキナ様は更に顔を真っ赤にして怒り始めた。


「そんなの何かのトリックよ! どうせ、メイドさんとかにやらせたんでしょ! 私知ってるんだから! あなたの左胸のその銀ピカのバッジが階級表してるの! あなた副メイド長でしょ! それなら、いくらでも自分の部下使いたい放題じゃない!」


「そうおっしゃられましても、私はメイドというよりはご主人様の専属のお世話係といった方が正しいぐらいご主人様の事しかしておりません、副メイドなんていう肩書はただの飾りに過ぎません。それと、恐らくエーアイと勘違いされているようですので言っておきますが、私はエーアイ・ホワイトと申します、ホワイトとお呼びくださいませ。」


「煽ってんの?」


「煽る? 確かに最初に名乗るべきでございました。出過ぎた真似でございました、申し訳ございませんでした。」


「……違う人? じゃあ、私がここに居るのもおかしくない? 偽者じゃない?」


「偽者? 私は偽者とは思いませんが…」


「私の体の情報量がおかしいって!」


「おかしい? 全くおかしくないかと思いますが……ベラドンナは傍にはいなかったのですか? 彼女はそのあたりの知識は多少はあるかと思っておりましたが」


「なにも話さなかったよ?」


 きょとんと首を少しだけひねって随分と可愛らしい仕草をされるが、ユキナ様はコチョウ様よりもあざといのかも知れませんね。服装もコチョウ様よりも露出の高いものを着用されておりますし、胸の谷間を見せびらかすようなものを着られておりますからね。ユキナ様はご自分の体がどれほどの価値なのかを把握されているようですね。


「そうでございますか、ですが、ご安心下さい。エーアイの言っていることは少し古い情報です。彼女は明後日のバージョンアップ後にでもユキナ様に謝罪に来るかと思いますが……それで許していただけないでしょうか?」


「バージョンアップ?」


「ソフトの更新のように知識を更新するのです。」


「なにそれ。」


「私とエーアイが人間というよりも機械や人工知能といったものに近いものだからでしょうか? 自分で見聞きしたことであれば直ぐに更新されますが、それ以外の情報は一定周期で周囲の情報を収集する必要があるのです。私は既にその必要はありませんが、エーアイは今も構築途中ですので知らないことも多々あります。ですので、どうかお許し下さい。」


「よくわからないけど、わかった。じゃあ、質問を変えるね、あなたはリョウのなに? お嫁さん?」


「ご主人様のメイドにございます。」


「なら変な気起こしちゃダメだからね。」


「かしこまりました。」


 少し前はご主人様を求めておりましたが、今は特に問題はなさそうですね……発情期でも着ていたのでしょう。


「うーん……あなた、ヤッパリ知ってるのね。」


「何の話でございますか?」


 唐突にユキナ様は私の顔を見て何かを確信されたかのように喋り始められた。


「あなた、私もここの人達みたいに魔力とか何か別の力でもいいから皆と同等の存在になる方法を知ってるでしょ? 私を誤魔化そうたって、そうはいかないんだから!」


「あまり大きな声で話されますと、あちらでくつろがれていらっしゃるご主人様の迷惑になるかと…」


 私はリビングでテレビをミレイお嬢様と一緒にみておられるご主人様の方を数秒程見た後、ユキナ様に言った。


「そ、そうね…でも、否定しない辺り、知ってるのね。教えて! ただでなんて言わないわ、私の体で良かったら好きなだけ触らさせてあげるから、それでいい?」


「申し訳ございませんが、私にはそのような趣味は……」


「……おかしいわね、シルルちゃんもシエルちゃんもエルちゃんもかなり迫ってくるからみんなそうなのかと思っていたのだけども…あの3人がおかしかったのね。じゃあ、なんでも一つだけ言うこと聞くから! お願い!」


 ユキナ様は頭を深く下げて私にお願いされる…


「おやめください、ユキナ様。ユキナ様のような高貴なお方が私などに頭など下げる必要はございません。いくらでも、お教えさせていただきます。ですが、1つだけお願いがございます。」


「なに?」


「誰にも話してはいけません。ただ、それだけでございます。」


「わかったわ、私口堅いから任せて頂戴。私はまずはどうしたらいいの?」


「まずは、ご主人様と一緒にケーキを食べましょう。丁度焼きあがりましたので、ユキナ様も是非。」


「……うん!」


 ユキナ様は私が取り出したケーキを見た後走ってご主人様の所へ向かわれた。ケーキというよりはパイの方が近いのですが……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ