937 入浴
今回ベラドンナ
こないだはユキナ様にてっきり嫌われているのかと思っていれば、今度は一緒にお風呂に入ろ! 等と言われて、今は大浴場でユキナ様とエーアイと一緒に入っているところだ。
「改めてみると2人とも美人なのにとっても胸も綺麗で大きいねー、羨ましい! 羨ましがられるんじゃない?」
「いえ、特に羨ましいなどとは言われたことはありません。そういう、ユキナ様もとても綺麗な胸をお持ちですね?」
「ホントに? エヘヘ…ありがと。」
昔、今の会話をコチョウ様ともしましたね……面白いぐらい、コチョウ様と行動パターンが同じユキナ様を見ているとなんだかとても、ポカポカするというか、ほっこりして、可愛らしく見えますね。
「……あの、ユキナ様1つ聞きたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
「うん、なんでもいいわよ。」
エーアイが空気もよまずに何かを質問し始めた。
「ユキナ様はおいくつなのでしょうか? 見た目ですと、今のご主人様と1つ違いにしか見えませんが。」
「うーん……私も最後に鏡見た時と同じ姿のままだから驚いてるよ? 何歳なんだろうね……」
「ご自分の年齢がわからないのですか?」
「うーん……最後の方は、ずっと寝てた記憶しかないからねー。ウイルスが何とかって、なんでかなって、死んじゃった♪」
とても愉快な会話ではないはずにもかかわらず、ユキナ様は楽しそうに話される。ユキナ様とコチョウ様の違いは、コチョウ様のような裏のない方とは違い、何か裏のありそうな感じがするのがユキナ様らしい。
「そうでございましたか……」
「き、気にしなくてもいいんだよ!? 私、今すっごい楽しいから!」
「それは、嬉しゅうございます。」
「う、うん。」
流石はエーアイ、キラキラとした笑顔でユキナ様を困らせた。空気の読めなさと、無駄にキラキラ笑顔は害悪ですね…
「ねぇ、2人って仲いいの?」
「それなりに…でしょうか?」
「私はかなり仲がいいと思っております。」
「ベラドンナがそういうのであれな、私達はとても仲がいいのでしょう。」
「ベラドンナだっけ? あなたの方が」
「はい、私の方が先にご主人様と知り合いました。ですが、先に働きだしたのは、エーアイからです。」
「そ、そうなんだ……無駄に2人とも賢いんだ。」
「いえ、賢いという程ではありません。ユキナ様も聡明なお方ではありませんか。」
「そ、そんなことないよぉ……」
適当におだてただけで嬉しそうにされる仕草はコチョウ様も良くされるが、ユキナ様はコチョウ様の照れ方とは少しだけ違う。
エーアイは、よくそんなことがいえますねと言いたげな表情で私を見つめている。さっきまで、おだてていたのはエーアイの方なのに、よくそんな態度をとれますね…
「ユキナ様は何か、趣味とかはおもちですか?」
「んー……なんだろう。」
「でしたら、一緒にお菓子などを作ってみませんか?」
エーアイは唐突にユキナ様に気に入られたいのか、媚を売り始めた。確かに、ユキナ様はだれが自分の弟の妻になるのが相応しいか判別されておられますが、正直、ユキナ様が何を言おうと大したことはないんですよね……
「そういうことでしたら、私も参加しましょう。」
「ベラドンナ、あなたもですか? 構いませんが、ユキナ様もご一緒にどうです?」
「じゃあ、お願いしようかなぁ…私、あんまり料理できないけど大丈夫?」
「もちろんでございます、私と一緒に上達されればいいだけの話ですよ。」
「そっかぁ……」
ユキナ様はうんうんと大きく頷かれた。
「2人とも、とってもいい妹ね!」
「「ありがとうございます」」
「すっご! 息ピッタリね!」
「お互いに付き合いが長いですからね。」
エーアイは私の方を見て、軽く微笑みながら頷いた。エーアイが妙に感情豊かだと、何かを企んでいるのか、もしくはホワイトかと疑ってしまう…
「へぇ…2人とも本当に仲がいいんだねぇ。2人ならリョウと一緒に居てもいいかなぁ…」
「ありがとうございます、お姉様とお呼びした方がよろしいでしょうか?」
「え!? お姉様?」
「私はご主人様と結婚しておりますので、ご主人様の姉である、ユキナ様をお姉様と呼んだ方がよいのかと思いましたが……ユキナ様がお気に召されないのであれば、ユキナ様とよばさせていただきます。」
「ユキナでいいよ?」
「まさか、ご主人様の実の姉をそのような呼び方などできません! せめてユキナ様とよばさせて下さい。」
「わかったーそれでいいよ♪」
「ありがとうございます、ユキナ様。」
エーアイはいつから媚を売るのが上手くなったのだろうか、ユキナ様にかなり気に入られたように見える。微笑む何てこと以前のエーアイはしなかったと思うんですけどねぇ…




