898 揉め事
今回エル
現在、非常にまずいことになっている…マスターが自分の部屋にリョウ様を呼んでシエルと喧嘩したこと慰めて欲しいとか言って、イチャイチャしようとしてたら、シエルがそれを割って入った。それだけならよかったんですけど…シエルがまたやらかした。やらかしたシエルのせいで、物凄い数のメイドさんと執事も方が集まっている。ベラドンナ様や、ホワイト様なんかもいる…ゆっくり部屋でカンナちゃんの様子を覗きみてたのに…
「あ、あの…私大丈夫だよ?」
「そういう話ではございません。」
聞けば、シエルがマスターの肩を握った時、マスターの肩が抉れたらしい。シエルの力が強過ぎたのだろう…でも、マスターの方がシエルよりも少し強いのにそんなはずないんですけどね…いくらシエルでもそんな死ね! ってぐらいの勢いで握ったりしないでしょうし…
「で、でも…もう大丈夫だよ?」
「いえ、感染症などの心配もございます。」
「ホ、本当に大丈夫だよ? リョウが治してくれたんだし……」
「ですが、いつもの奥様でしたら、そのようなお怪我をなさることは……」
「い、いつも通りじゃなかったのよ…」
「ですから、詳しい検査を」
「だから、治っちゃったのよ。もう! ベラドンナ! メイド長なんでしょ? 何とかしなさいよ!」
「コチョウ様、それは出来ません。コチョウ様は大丈夫かも知れませんが、それを証明するのは必要な事なのです。シエル様に何か罪を着せようというわけではございませんので、私を信用して検査を受けてくださいませんか?」
シエルは今、複数人、それもホワイト様も含むメイドさん数人に見張られている。周りの意見としては、リョウ様とイチャイチャしているのが気に入らず、それを妨害しようと危害を加えたと…シエルは今は大人しくしている。たまに、ぼそっと、私がされた時はそんなことしなかったくせにとか言ってますけど…
「シエル様も限度というものを理解していただきたいです。」
ホワイト様に嫌味を言われている……リョウ様に悪影響を与えたから? ホワイト様怒ってるし…ヤバいですよ、やばいですよ…
「シエル、謝るなら今の内ですよ。後になったら怖いですよ!」
シエルに近づいて、そっと囁く。
「ほっといてください。」
「ほっとけませんよ! 同じ自分なんですし…それと、このままじゃいじめられちゃいますよ! イジメが始まったらシエルヤバいですよ? イジメるの得意そうな人っばかりいますし…」
「別にいじめられたりしませんよ。」
「ホワイト様とか絶対してきますよ。謝ったほうがいいですよ。今ごと腹の内じゃ、リョウ様にマスターの怪我治させたこととか、リョウ様に不快なものを見せたとかで激おこですよ、きっと。」
「……イジメられたら、自殺します。」
「死なないじゃないですか!」
「そうでした。」
「ふざけてないで、ホントに早く終わらしてください! 私、カンナちゃんの様子見たいんですから!」
「親バカですね。私ですら、ミズキちゃんの事盗撮なんてしてませんよ。」
「様子見てるだけです。我が子であろうと発情するシエルとは違います。」
「してませんよ! まるで、女でも行けるみたいな言い方しないでくださいよ!」
「行けるじゃないですか、なにいってるんですか?」
「ッグ、バカ! バカバカバーカ!」
「語彙力足りなさすぎですよ。」
「だって、そんなに強く握ったつもりじゃないのに、肉が…肉が指と指の間から弾け飛んで……思い出しただけでも。」
今にも吐きそうなような顔色の悪い顔をし始めた……マスターの体がもろくなってきてるなんてあり得ませんけど…
「コチョウ様、今朝何かありましたか?」
「カンナちゃんに何か言われたけど……忘れちゃった。」
マスターとベラドンナ様の会話が聞こえてきた。っていうか、まだ動かないんですね、マスターは……
「でも、どうしてだったかな?」
「コチョウ様はしばらくは大人しくしててください。」
ベラドンナ様は少しめんどくさそうにマスターを連れて行った。




