885 問題児
今回エル
今日は何故だかわからないが、エーアイ様から物凄く睨まれてる…昨晩の私の料理口に合わなかったとかでしょうか? どうしてでしょうか…謝ったら許して下さいますかね…
「…あの、そんなに見られると恥ずかしいです。」
「二つ、お伺いしてもよろしいでしょうか? それとお隣、失礼します。」
「ど、どうぞ…」
エーアイ様は私の横に腰を下ろされた。
「まず一つ目は、今日は実況されないのですか?」
「シエルがやりたいそうですので…ほら、私とシエルって双子みたいじゃないですか。声だけだとわからないからって…シエルがやりたいそうですので、譲りました。」
「…そうでございましたか。それともう一つはシエル様も少し関係のあることでございますが…子育てについてでございます。」
え? シエルが関係ある? 別にシエルと一緒に育ててるわけでもありませんし…私にこんなこと話してくるなんて一つしか考えられない。カンナちゃんが何か…エーアイ様を怒らせるようなことをしたとしか思えない。悪戯? 悪戯ですか? でも、最近は大人しくなったと思いますが…
「あ、あの…カンナちゃんがもし、何かしたのでしたら謝ります。ごめんなさい。」
「い、いえ、そういうことではございません!」
「違うんですか? じゃあ何ですか?」
「…カンナお嬢様の事について少々お聞きしたいことが。」
「ほら! やっぱりそうじゃないですか! 何かされたんですよね! 私、ちゃんと叱っておきますので遠慮せずにどうぞ!
「そういうことでしたら…エル様は、カンナお嬢様を作られましたか?」
「? おかしな質問ですね…別に作ってませんよ? ただ、リョウ様に不倫しようとしてたら子供が出来ただけですからね。不倫ってわけじゃないんですけど…先に子供作ってからそれを言わずに結婚したのは悪いとは思いましたが…それとも、その質問の意味がシエルが言ってる、優れた子供を作るということでしたら、私はしてませんよ? 少なくとも、リョウ様の方には。私自身の半分近い性能を持った子供が勝手にできてしまうので、私が作ろうと思わなくてもある程度優れた子供が出来てしまいますよ。」
「……わかりました。私のくだらない質問にお答えして頂きありがとうございます。」
「い、いえ…ホントに何もされてないんですか?」
「はい。」
昨晩、エーアイ様が私の部屋まで来られたのはやはり…カンナちゃんが呼んできたから…カンナちゃんがそういうことするときは大半決まってます。
「カンナちゃん…リョウ様に何かしましたか?」
「いえ……」
エーアイ様さっき私の事睨んでましたし…私に言うと私が怒るから言わない?
「…エル様、カンナお嬢様の事ですが、どうお考えですか?」
「どうお考えとは?」
「……例えば、魔力操作をたった1日でマスターされたことや、その思考や、行動等…どうお考え、いえ、どう思いますか?」
「怖いですね。カンナちゃんそんな話私には一切してくれませんでしたけど…やっぱり、天才だったんですね。残念です。あんなに普通の子供になるように頑張ったのに…」
「……」
「冗談です、知ってました。カンナちゃんとっても優秀ですからね。なんて言っても私の娘です。そんじょそこいらの町娘とはわけが違います。カンナちゃんは才色兼備。勉強は出来ないんじゃなくてわざと教えてません。教えたら大変ですからね。」
「大変…とは?」
「…カンナちゃんは頭がいいんですよ。常日頃の行動を見ていればふざけていてもわかります。カンナちゃんは天才です。きっと、教えても無駄なんです…だから、初等部にもいれませんでした。中等部からは流石にお友達が欲しいでしょうし、行かせますが…取りあえず、カンナちゃんは賢過ぎるんです。」
「賢過ぎるでございますか…」
「はい。」
エーアイ様は、後ろ席で大リリアナ様に連れられて渋々何かの練習をしているカンナちゃんを見つめた。子供の用に無邪気にキャッキャッキャッキャッ言われている、ミレイちゃんをうるさいなと見ているカンナちゃん、確かにあの見た目でかなり大人の様な趣味を持ってますし、絵は大人よりも上手ですしね。似顔絵また書いてくれないですかね…
「確かに、賢過ぎるようでございますね…2つの事を同時にこなされております。」
「確かにしてますね…」
大リリアナ様に見られないようにゲームしてる…ホントに大リリアナ様の言うことは聞く気ないんですね。器用ですね…本当に。
「……あれは叱らないのですか?」
「え? いいんじゃないですかね? 怒られるのはカンナちゃんですし…私、変に口出しませんよ。」
「それは、大リリアナ様g「違います」
「あの…」
「違います。」
「そ、それは大変失礼しました…」
「です、です。わかったらいいんですよ…」
「は、はい…」
にしても、カンナちゃん可愛いですねー、ここからなら、退屈そうにパタパタ動かしてる足からパンツ見れますよ。グヘヘw
「…シエル様、流石に自分の娘相手にそんな目を向けるのはどうかと思いますが……その上、同性でございます。」
「エルです。いいじゃないですか、可愛いんですからねーそれに、同族の方もあそこにいらっしゃいますし。」
私は私と同じように後ろでチョロチョロ走り回って、こけたり、カンナちゃんにちょっかいかけたりしているミレイちゃんを見てニタニタ笑っているマスターを指さした。
「ほら、あそこのあの人とか。」
「…コチョウ様はニコニコとされているだけでは?」
「違いますよ、マスターの脳内は。あーミレイちゃん可愛い! 明日はどんな服着せようかなぁ~あれもいいし、これもいいし…あ、もっと大きくなって、大人になってもかわいいんだろうなぁ~とか思いながらにやにや笑ってるんですよ。」
「……コチョウ様に限ってそんなこと。」
「マスターの事だけ、高評価ですね。」
「いえ、お優しく…」
「もし、テレビとかで見るマスターを元に言ってるならあれはマスターのキャラですよ? 本心じゃありません。旦那よりも子供とか思ってるぐらいの重患者なんですからね。」
「流石に言い過ぎでは…」
「違います!」
「そ、そうでございますか…ご主人様がいらしたようですので、私はご主人様の方に参ります。」
「はい…」
エーアイ様は歩かれているだけでも絵になる。リョウ様の傍によって、可愛らしく…女性らしく振る舞う。自分が好かれるために…
エーアイ様がリョウ様の傍に行こうとしたとき、カンナちゃんが魔法を失敗? して一度エーアイ様の一歩手間に攻撃を仕掛けた時は冷や汗が止まりませんでしたよ。エーアイ様かなり怒ってましたし…てか、カンナちゃんの事睨んでましたし…カンナちゃん、もしかして、私が酔ってエーアイ様ばっかりリョウ様に好かれて羨ましい…なんて愚痴ったからでしょうか……昨晩も遠回しにエーアイ様の悪口をリョウ様に言ってましたし…まるで、エーアイ様が少し嫌われてほしい。という風に思っての行動にしか見えませんでしたし…早いうちに、説教しないと、エーアイ様が本当に怒っちゃいそうです・・・




