873 誕生日会
1日目の日程が終わり、夜ごはん……今日は娘の誕生日ってだけでみんな集まってくる。そして、わざわざ私のために皆プレゼントとお祝いの言葉をくれる。誕生日パーティ…いつからやっているのかは知らないけど、私が生まれた時にはこの風習はあったらしいから…相当前から?
そんなことよりも、今年もたくさんのプレゼントをもらった。ベラドンナが私のために作りましたってとっても素敵な服とその他もろもろ。お父さんからは、いつか役に立つと思うからと、とっても立派なドレス。今の私のサイズじゃとても着れそうにない。お母さんなら着れるかな? ラミアのお母さんからは何をお渡しすればよいのかわかりませんでしたので……と申し訳なさそうに私の名前を彫られた、私の瞳と同じ淡い藍色のとっても素敵な宝石の付いた指輪。今年はいつもに増して豪華なものばかりで、お母さんは自分だけなんかしょぼいものを渡してしまったと落ち込んでいたけど、それをみてシエルがお母さんをからかってたりしてたし、そのシエルのプレゼントもお母さんのプレゼントとまったく同じものだったり……色々とバカをしていた。
懲りずにウザいあの女がプレゼントと言って魔法入門書のセットを送って来たり、色々とやってくる。今もまだ、しつこくこの場にいる。
「魔法! 魔法は素晴らしいのよ! ほら、この通り、遠くからミレイを浮かしたり、ラミアを転ばせたり、コチョウのスカートをヒックリ返したり…やりたい放題よ?」
「魔法使えない人に言われても知らない。上達はしない…折角の誕生日だから邪魔しないで!」
「そ、そうじゃな…うん。リリアナちゃんの所に行ってくるわ。でも、少しは考えておいて?」
「お父さんに弟子入りするからいい。」
「リョウは……ダメよ。教えるのには向いてないから……」
「おねーちゃん! おこってるの?」
「怒ってないけど……」
「ム! リリアナのおかあしゃ! わるい! ミレイおねえちゃんにプレゼントわたすの! あっち! あっちいって!」
ミレイが、バシバシと大リリアナを叩く。渋々と大リリアナは去っていった。
ミレイは、周りに誰もいなくなったのを確認してからこっちにテクテクと寄ってきて、可愛らしく笑った。
「ミレイのプレゼントだヨ! お姉ちゃん、うれしい?」
ミレイは、ミレイと私の似顔絵を描いてくれている。中々上手……
「まだあるヨ! ミレイとお姉ちゃんとお母さん達! リリアナのおうちで一緒に遊んだと気のもあるヨ! ミレイ、お姉ちゃん一番大好き! 結婚してあげるヨ!」
「ハハハ、それ久しぶりに聞いた。」
「ム! ミレイ、本気だヨ!」
ミレイは頬を風船のように膨らませて怒った。可愛いやつ……ラミアのお母さんは私にプレゼントを渡してお父さんに少しお酒を注いでちょっとしたら帰っていった。きっと赤ちゃんの世話があるんだろう。リリアナも、プレゼントじゃと言って私に服を3着ほどとカバンをポイっと投げて来て、その後双子ちゃんの世話があるのでそろそろ帰らさせてもらうのじゃ、サクラがいるから何かリリアナに用事があればあいつに言っておけ。と言ってリリアナも帰ったし…ベラドンナは、今も、お父さんにお酒を注いだり、他のお母さんや、娘たちにもジュースやお酒を注いで回っている。ベラドンナはちょっと前に私の義母になったと聞いたのだが…メイドのまんまじゃん。
「ミレイの絵は可愛いね、私の部屋に飾っておくね。」
「ありがとっ! ミレイ、とっても嬉しいヨ!」
「そう? よかった。」
「ミレイ、お姉ちゃんとラミアお姉ちゃん仲いいの知ってるヨ! ラミアお姉ちゃんあそこでおいしそうに食べてる! ミレイ、連れてくるね!」
ミレイはそういって、ラミアの方に近寄っていって、ラミアの皿とコップをもってこっちに走ってきた。ラミアは怒り気味で走って追いかけてきた。
「ミレイちゃん! ダメだよ、こんな悪戯しちゃ。」
「お姉ちゃん明るくなったヨ!」
「それは、最近の話だよ……ちょっとコチョウお姉さんを見らなってね。」
「ミレイ、お利口さんだから、お姉ちゃんたちお話できるようにつれてきたんだヨ!」
ミレイはそいう言って、ラミアにお皿とコップを返して私の横にいすを置いて無理矢理ラミアを座らせてその膝の上によいしょ! と言って座りだした。
「アハハ…ミレイちゃん結構雑い。」
「ミレイね、いっぱい遊んで嬉しかったヨ! ラミアお姉ちゃん、全然遊べなくて可哀想……お姉ちゃんも、大変だったヨ! あいつ、悪い女! ミレイ、後で倒す!」
「お前じゃ無理だろ……」
「行けるヨ! お姉ちゃんもそう思うでしょ?」
「え!? うーんどうだろ…」
「そういえば、ラミア明日もか…お父さんとだっけ? なら、ラッキーだね。お父さんなら大技使えばやられた振りしてくれるよ。」
「え? そうなの?」
「うん、間違いない。お父さん、優しいから勝たせてくれるよ。でも、最初の方はわざと同じぐらいの強さで戦ってくるはずだから、試合長引いて来たらそこで大技! 絶対勝てる!」
「そうなんだ…」
「お前は運が良ければ…3位になれるかも?」
「慣れないよ……ね、ミレイちゃん?」
「ミレイ、さいきょっ!」
「負けてたじゃん…せこしてたのにw」
「おねーちゃん! 笑わないでヨ! ミレイ、セコしてないもん!」
「せこしてたじゃんw 体大きくしてw」
「シエルがしたんだヨ! ミレイ悪くないヨ」
「どーだかねー?」
「もういい、ラミアお姉ちゃん! ミレイと結婚して!」
そういってミレイはラミアに抱き着く。ぺたぺたのまな板に顔をうずくめて、ミレイは大好きだヨ! と言っている。こいつ、ほんとに、姉弟ならだれでもいいんじゃないのか?誰でもいいで思い出したけど、お父さんはどこかな…いた。
ベラドンナが、別のメイドがお酒とか注いだりしはじめたからお父さんの横にくっ付いて、私、ベラドンナをもっとかわいがってくださいましなんて言ってお父さんにべったりくっ付いてる。
「……修羅場にしてやろ。」
「あ、カンナどこ行くの?」
「親バカ3人組のとこ…」
「ミレイ、お姉ちゃん大好きだヨ!」
ミレイにくっ付かれてラミアは立ち上がるのをやめた。ミレイは結構重いからなあぁ。
「お母さん、お母さん。」
親バカ3人組でお酒を飲んで話し合ってるところ、私はお母さんの尻を突きながらお母さんを呼ぶ。
「ん? カンナちゃんお誕生日おめでとうございます。どうしたんですか?」
今日何度目のおめでとうだよ…なんて思いながらお父さんの方を指さす。
「お父さんですか? ベラドンナ様と随分と仲良さそうですね。」
「お持ち帰りされちゃうよ?」
「そういう言葉どこで覚えてきたんですか?」
「なになに~何の話ぃ?」
「コチョウ姉、あっち。」
「あ! 私っていう美少女がいながら! ベラドンナなんていう美人メイドを傍に置いて!」
コチョウ姉は1人でお父さんの方に行った。お母さんも行かせるつもりだったのに、今日ぐらい多めに見ますよといってシエルとまた話し出した。コチョウ姉が行ったしもういいか…修羅場、修羅場。
「ちょっと! 人の旦那にちょっかいかけないでよ!」
あ…揉めだした。
「ちょっかい? おかしなことを言われますね? 私はご主人様のお傍で、お酒を注いだり、お食事をお食べになってもらってるだけにございます。」
「フーンだ! いいのよ、私ってるもの! あなたって未だに諦めてないんでしょ! 往生際の悪い女なこと!」
「…ドラマの練習でございますか? そういうことでしたら、お部屋を用意させていただきますが?」
「違うわよ! なに? 酔ってるの!?」
「少し…」
そういうが、ベラドンナは一切酒に手を出していない。それに対してコチョウ姉は誰よりも飲んでいる…コチョウ姉の方が酔ってるんじゃないの?
「フフーン、酔っ払い! 酔ったふりしてリョウにあれこれする気ね、このビッチ!」
「お言葉でございますが、私はコチョウ様とは違いご主人様以外の方と性行を行ったことはございません。」
「私だって! してないわよ!」
「よくおっしゃりますね。」
ベラドンナはニッコリとコチョウ姉に笑いかけた。
「シエル様や、エル様とされてるではありませんか。こういうことを言うのは非常に失礼に当たりますが、ご主人様の妻として言わさせていただきますと。ビッチはあなたの方ですよ、コチョウ様。」
「な、妻って! 本妻にでもなったつもり!?」
「いえ、タダの妻でございますが? コチョウ様のことは、ビッチ…いえ、レズビッチと呼びましょうか?」
「なによ! 私、レズじゃないもん! バーカバーカ! 私が汚れてるみたいに言っちゃってくれちゃって! 絶対許してやんないからね!」
「少なくとも私は、ご主人様以外の方以外に裸体を見せたことも触らせたこともございません。」
「リョウにも見せてないくせに! どうせ、そのメイド服の下は駄肉ばっかなんでしょ、その無駄にデカい、無駄にデカい爆乳ひっさげて! リョウを誘惑する気なんでしょ!」
「爆乳とは失礼な、私は巨乳です。それと、ご主人様には見せたことが何度かございます。駄肉とおっしゃられましたが、私にだってウエスト位あります。バカにしないでください。」
「ふーんだ、なら脱いでよ。じゃあ、謝ってあげる。」
意地悪そうな顔してコチョウ姉は何ともバカげたことを言って…絶対酔い始めてる、てか、お父さんは寝てるし…酔いつぶれたの? 役に立たないなぁ…
「ぬ、脱げとは……」
「下着まで脱げなんて言わないわ、メイド服とその下に着てるもの位脱ぎなさいよ。先に脱いであげようか? 私、いつ見られてもいいようにいつでも勝負下着なのよ? リリアナが前に大人嗜みじゃなとか言ってたから真似してるだけなんだけど…ベラドンナが常に付けてるわけないわよね? だって、メイドだもの。いつでもそんなの付けてたら、ただの…風俗? ビッチ? 性奴隷? よくわかんないけど、ただの変態じゃない! いつでも、リョウの事求めてるんでしょ!」
「……いえ、いつでもご主人様に見られてもいいように勝負下着と呼ばれる下着しか私は持っておりません。コチョウ様こそ、水色のボーダーパンツ等を履かれていたのでは?」
「ち、違うわよ! アレは……カランちゃんのだったのよ!」
昔何かあったのか? 特に喧嘩って程揉めないし…ベラドンナは完全にお父さんねたからコチョウ姉のこと遊んでるじゃん。
「ち、違うの…ホントに違うのよ!」
「違われたのですか? ご丁寧な字でコチョウ様の名前が書かれておりましたが……」
「そ、それは……私のお古なのよ!」
「ですが、確かあれは……つい、5日前の事でしたね。コチョウ様の部屋の汚れ物を選択しておりました時に見ましたが?」
「へ、部屋では…過ごしやすいのよ。でも今は、ほらこの通り! 見られてもいいような大人なパンティでしょ?」
脱ぎだした……コチョウ姉酔ってきてる、シエルとお母さんはコチョウ姉を見て馬鹿笑いしている…ミレイはラミアにミレイのパンツ見たいの? なんて馬鹿なこと聞き出してるし。アノ親子は親子そろってバカだ。サクラ姉なんて呆れてるし…ミズキ姉は恥ずかしそうにチラチラ見てる…ムッツリ発見。
「とっても素敵とは思いますが……こういう場で、下着姿になられるのは宜しくないかと…」
「え? あ……ぅ」
コチョウ姉は恥ずかしそうに顔を赤くして座り込んだ。
「もう嫌! ベラドンナのバカ!」
「コチョウ様との勝負はまた私の勝ちでございますね。」
「もう! 何なのよ!」
「コチョウ様から始められたではありませんか。私はとても楽しかったですよ? 約束は約束ですので、私の下着姿を見せてあげますよ。」
「え? ほんと!?」
コチョウ姉は下着姿のまま、立ち上がった。バカだ…
「ハイ、下着姿でよろしいのですよね?」
「うん、うん!」
思春期の男でもあそこまでがっつかないと思うけど…
「はい、こちらになります。」
ベラドンナは自分の胸の谷間が見えるようにメイド服を一度開き、そこに手を突っ込んで、そこから1枚の写真を取り出した。
「胸から出てきた……」
「誰にも見られたくはありませんので……常に持ち歩いております。」
「ふぅーん…これ撮ったのリョウ? 後ろのガラスに写ってるし。」
「はい。」
「ふーん……ボンキュッボン! ボンキュッボン! ボンキュッボン!」
「やめてください、恥ずかしいです。」
ベラドンナはそういって写真を無理やりコチョウ姉から奪いまた胸の谷間にしまった。絶対、汗とかで蒸れるでしょ…
「ご満足していただけましたか?」
「胸……私よりも3カップ位デカい。」
「そんなわけありません。良くて1カップ程度ですよ。」
「嘘! 私あんなに大きくない! シエル! シエルはどこ! おっぱいの専門家でしょ! どこにいるのよ!」
「バカ言わないでくださいよ! 巻き込まないで下さい!」
「ブー…」
シエルは遠くから大きな声で、コチョウ姉の大きな声に反応した。意外とシエルって常識あったんだ…




