863 ルリと私
今回カラン
「順調に進んでおりますか?」
「締め切りには間に合うように書いておいたわ。もうこんな時間…」
「そういえば、こういう依頼が来ていましたよ?」
「?」
そういって、ルリは私に紙を見せた。
「……映画の脚本を書いて欲しい? そんなに暇じゃないんだけど…てか。映画化するってことね。」
「キャストとかどうします? やっぱり、お母様ですか? それとも、ラミアお嬢様を出します?」
「ラミア? あー、エーアイの所の…お母さんと同じことしてるの?」
「最近たまに出てますよ? 子役でドラマ出てましたから…この時間だと流石に出てませんけど、ちょっと前に居ましたよ?」
「ちょっと前に?」
「はい、お夕食の準備の時間に」
しまったって顔をしているが、もう遅い。
「ふ~ん…そういうことするんだぁ~へぇ~」
「決して、決してサボっていたわけではありません! それにしっかりとお夕食もお持ちしましたし?」
「そういうことにしてあげるわ…」
「ふぅ…そういえば、お嬢様はご結婚なさらないのですか? ただの引きこもりじゃないですか。」
「仕事してるんだから、変なこと言わないでちょうだい。」
「…働くニート?」
「閉じ込めるわよ…」
ボボボと白い炎をちらつかせたら、調子に乗り過ぎました! と土下座し始めた…一度、彼氏自慢があんまりにもうざかったので、炎の檻に閉じ込めた時に、炎だし抜けれるかと思ったのか知らないけど普通に通り抜けようとして炎にぶつかった時に火傷してそれからは、これで度せば何でも言うことを聞くようになった…
「も、も、も、もうし、もうしません!」
「あら、そう?」
「は、はい! お嬢様は見た目とは裏腹に性格捻くれてますね……私は、もちろん知ってましたけど。」
ルリはニコニコと笑ってくる…どういうつもりなのかな?
「ふーん…」
「そろそろ、お休みになられてはどうでしょうか?」
眠たそうに目をしょぼしょぼさせている。
「わかったわ、寝ましょ。」
「やっと仕事から解放されたぁ! 明日は…フフフ」
またデートでもするのか、ルリはにやにやしている…美人顔が台無しとまではいわないが、やらしい子みたいになってる…
「私は、お嬢様を応援しますからね!」
「応援? 何の話?」
「明日、お嬢様も含めて大きな大会をされるのでしょう? 私は応援しておりますからね! 確か…お嬢様はお母様との対戦でしたね。」
「え…エントリーした記憶ないんだけど…」
「大丈夫ですよ! 勝手にエントリーされてますからね。」
「……お母さん最近忙しそうだから会ってなかったから、なんかざんねんな会い方だよ。」
「妹様に忘れられていたりしますかもねw」
「え?」
「じょ、冗談ですよ…アハハ、やだなぁーお嬢様ってば、直ぐに真に受けちゃうんですからね。」
「……ミレイちゃんに忘れられてるかも? そうかもしれない…実の姉なのに。」
「大丈夫ですよ! 冗談、冗談ですから!」
「ミレイちゃんとは年が離れすぎてるのが残念ね…」
「まぁ、そういわないでくださいよ。お2人は…姿はあんまり似ておりませんけど、似ているところはたくさんありますよ。」
「ちょっと、血が繋がっていない、みたいな言い方しないでよ!」
「ですが、ミレイお嬢様は白髪…それと赤眼が本来のお姿で、お嬢様の様なオッドアイでもなければ、白銀の様な神々しい銀色の髪でもなく、真っ白な雪の様な髪でございますよ?」
「……それ、お母さんの前では口が裂けても言っちゃダメよ? 殺さかねないわよ…お母さんミレイちゃんに対してはやたらとうるさいからね…」
「え?」
「知らないの? 新人メイドがミレイちゃんの髪のことを綺麗な真っ白な髪ですねってミレイちゃんに言ったのをおかあさん激おこで、銀髪だよ! って騒ぎまくってたのを?」
「あー、それ知ってます!」
「ルリも危ないよ? 告げ口してこようか?」
「やめてください。」
「じゃあ、あんまり言うもんじゃないのよ?」
「わかりました…ですが、お父様がついこの間アルビノなのかと、尋ねられましたが、私にはその言葉の意味が分かりませんでした…」
「……さぁね、私にもわからないわ。」
お父さんの意味不明な言動は今に始まったことじゃないし…独特のニュアンスで喋ってるし…




