853 リリアナ様の戯れ
今回エル
「消化不良じゃな…」
ハイエルフの女王とリリアナ様は似た口調で話していて、お互いにそれが気にくわなかったらしく、リリアナ様は殺しこそしなかったが、容赦はしなかった。秒で…0,何秒といった一瞬で結着を付けてしまわれた。消化不良と言われてもまぁ、納得はできるが…
「そうじゃな…そうじゃな、そうじゃな。」
現在はリリアナ様の部屋でなぜかお呼び出しをくらって、椅子に座らされている。リリアナ様は落ち着きなく辺りをそわそわと歩いておられる。これから私は何をさせられるのでしょうか…
「ふむ、やはりここにいる連中じゃないとリリアナの敵ではないのじゃ。ちょっとした遊び、賭け事じゃな。お前たちは賭け事が大好きなんじゃろ?」
「シエルが好きなだけですよ…私は普通です。」
「そうか…」
リリアナは様は特に興味なさげに、紙とペンを取って、何かを書き始めた。
「フム…こんなもんじゃな。トーナメント表じゃ。」
「えぇ…またやるんですか?」
「む? 別にやってないじゃろ? 10年も昔に参加した位じゃ。」
「私にとってはつい先日の様な…」
「つべこべ言わずにやるのじゃ。」
リリアナ様は無理矢理、私にそのトーナメント表とやらを押し付けてくる。
「……なるほど。まぁ悪くはない組み合わせですね。」
リョウ様がシードで、その後は一回戦第1試合がラミアお嬢様vsミズキちゃん、2試合目がリリアナ様vsベラドンナ様、3試合目がホワイト様vs私、4試合目がシエルvsエーアイ様、5試合目がカンナちゃんvs大リリアナ様、6試合目がサクラお嬢様vsミレイちゃん、7試合目がカランお嬢様vsマスター…なるほど、組み合わせ的に悪いとしたら…ミレイちゃんがちょっと不遇ってぐらいですね。それ以外は割と普通ですね。
「そうじゃろう、そうじゃろう。なにせ、リリアナは天才なんじゃからな。おまけに、美少女の中の美少女じゃ。」
「まぁ…そうですけど、自分でそういうことおっしゃいますか?」
「ム? 何かおかしいか? リリアナがとっても美少女なのは事実じゃろ。」
「そうですけど…」
自意識過剰なんですよって言えないなのが憎いですね…リリアナ様のその勝ち誇った顔、ほんと腹が立ちますね・・・絶対、館内の男性の中で最も服従させたいみたいなそういうののランキング一位ですよあの顔は。
「なんじゃ…気にくわなかったか? まぁ、お前も可愛い顔はしておるからな。リリアナほどではないのが残念じゃな。」
「もういいですよ、賞品とかって決めてますか?」
「賞品? 消化不良のリリアナの暇つぶし程度の物なんじゃからいらないじゃろ。」
「そういうわけにはいきません。何か報酬がないと私出ませんよ。」
「ムムムム…なんでも、望みを叶えてやるのじゃ。ここのメンツならどんな願いでも金えてくれると思うのじゃ。」
「それはそうでしょうけど…」
「それに決定じゃ、2位には…そうじゃな、シエルのリゾートホテルのペア旅行券じゃな。3位には…そうじゃな、どうしたものか…」
「シエルのリゾートホテル勝手に賞品にされてる…鬼ですね。」
「エルフじゃ。」
「ホントは、エロフのくせに…」
「別に、性欲はそこまで強いとは思わないのじゃが…うーむ、確かにエルフにしては少しやり過ぎじゃな。両手で収まる回数以上は普通にしておるし…まずかったのか?」
「別にマズくはないですよ…」
「そうじゃな、全部リョウじゃし問題はなしじゃな。」
私なんて、片手て収まる回数しか経験ないのに…嫌味の集まりみたいな人ですね。
「フフン、リリアナの方が凄いみたいじゃな。経験の話なんてどうでもいいのじゃ、運営は全部任せたのじゃ。リリアナは大人しく、部屋で紅茶でも飲んで待っておくとするのじゃ。」
「わ、わかりましたよ…やればいいんですよね、やれば。いつから、パシリに使わされるようになってたんですかね…」
「元々じゃろ?」
「そんなこと言うんでしたらやりませんよ…」
「一位でも取って、リョウの独占権を得るというのもアリじゃな。」
「話聞いてませんし…そもそも、リリアナ様がリョウ様と話してる時は独占状態じゃないですか。マスター
位しか話してるところに割り込んだりしませんよ…」
「そうじゃな、あれは厄介じゃ。バカもあそこまで行くと手が付けれないのじゃ…」
「そりゃそうですよ…どれだけ迷惑してると思ってるんですか…それに変態みたいに働きまくりますし、事実変態ですけどね。」
「女同士でそういうことしてるからじゃろ。リリアナは非生産的なことをしてなんの意味があるのかと思うのじゃがな。」
「別に生産しようと思えば出来ますよ? 私は出来ませんけど…案外ありかもですね。マスターの子供というのも…生まれてくる子は100%女でしょうけど。」
「生産できるのなら、問題話じゃな。」
「え…問題そこなんですか? 女同士ということの方が問題だと思いますけど…同姓ですし? この世界じゃ異常ですよ、異常!」
「魔族なら女の姿しかないという種族もあるし、無性というのも存在するらしいのじゃ。女同士だからといって、変な偏見をもつのは人族だけじゃな。エルフは何とも思わないじゃろうな。」
「さすがはエロフ…」
「エロいのはお前の頭の中じゃろ。ピンク妖精。」
「な! ピンクじゃありませんよ! 頭の色は銀色ですし!」
「髪の色じゃろ…頭の中はピンク色じゃ。」
「リリアナ様こそ、そんな、澄ました顔して、頭の中ピンクなんじゃないですか?」
「残念じゃな。サクラがなかなかリリアナの所に来てくれないなと思ってるだけじゃ。」
「な! 私にしてたさっきの話は!?」
「う~む、お前に頼んだのは失策じゃったか。」
「ヒドイです!」
リリアナ様はケラケラと楽しそうに笑いながら私をバカにしてくる…




