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交通事故で死んで女神に異世界に送られた3人は  作者: あかあめんぼ
未来編
841/957

841 会話

今回ホワイト

「……」


 ご主人様は不思議そうに私を見られる。


「…あの……」


「はい、」


「えっと…どうして不機嫌なの?」


「ご自分でお考え下さいませ。」


「……なんで?」


「つい先程のご自分の行動をお考え下さいませ。」


「…覗いてたの!?」


「いえ、ご主人様の事なら大半わかりますので。」


「……」


「…左手のそれは、出来れば今のエーアイの前では見せないでください。」


「え…」


「プレゼントを大事にされるのはいいことだとは思いますが、それが原因で相手を悲しませてはそれを贈った方もいい気分になれるとはとても思えませんが。」


「……うん。」


 年を取ったからか、それともご主人様がとても子供らしいからか…確かに10年前は体の調子を戻す方に専念していて、ご主人様のことはそれ程関わってきませんでしたからね。今は、体も正常になりこうして普通に生活しているわけですが…どうも、ご主人様の行動に一々口を出したくなってしまいますね…元々、ご主人様亡き後もメイドとしてずっとご主人様の子孫に…一応は私の子孫ということにもなりますが、彼らの世話や教育などを長年していたのも原因の1つでしょうね。


「ご主人様、それと…あまりこういうことは言いたくありませんが、ご主人様が押しに弱いのはよく理解していますが、それでもちゃんと断っていただきたいのですが…何をかは、言わなくても理解していただけますよね?」


 ご主人様はうんと言って、頷いた。


「どうしてかは…わかりますよね?」


「わかった。」


「ご主人様には、理解できないでしょうが、出産というのはとても痛いものなのですよ。」


「陣痛?」


「ご主人様は博識でございますね。個人差もありますが、私の時はとても痛かった記憶があります。エーアイもラミアちゃんを産んだ時は悲鳴を上げてた記憶もあります。」


「産むときも?」


「はい。体の中から何か大きなものを出すと言った感覚でしょうか…それ以前に、出産時の痛みではなくご主人様が先程言われた陣痛がとても痛かった記憶があります。腰や、腹の下あたりをベラドンナかリリアナ様にでも思いっきり踏みつけられたか、蹴られたかのような強烈な痛みがありました。現にエーアイはご主人様の入室を拒否し始めましたからね。」


「え…行こうと思ってたのに。」


「……ご主人様、他の女の臭いをプンプンさせながら、自分の相手が来たらどう思いますか? そうですね、ご主人様に女の気持ちを説いても理解していただけないでしょうから、もっとわかり易いもので例えると、ご主人様が買ってあげるとエーアイに言っておいたのにエーアイはそれを別の誰かに貰いそれをご主人様が一緒に買いに行こうと言っていたにもかかわらず、エーアイはそれを付けていった…どうでしょうか。」


 あまり上手に表現できたとは思えませんが…女の気持ちを男性に伝えやすくするのはとても難しい…なにせ、性別が違い、考え方もまるで違う。別の種の生物と言ってもいいほどに考え方がちうがうと私は思っていますので、気持ちを伝えるのが一番難しいと私は常に思います。


「……裏切られたって感じ?」


「もっと、酷い感じでございます。裏切りなんて生温いものではありません。裏切られ、自分という存在を踏みにじられた…自分の代わりなんていくらでもいると言っているようなものです。」


「・・・…」


「ご主人様は自分の代わりなんていくらでもいるとお考えのようですが、私やエーアイは違いますので…自分はご主人様の役に立てている。私だからこそできた、と……もしも、それをご主人様がお前の代わりなんていくらでもいるんだよ! とか言われましたらそれこそ、自害しかねない程のことです。」


「え…しないよね?」


「例え話でございます、人の話はしっかりと聞いてください。私が、長々と喋っているのが原因かもしれませんが、それでも人の話を聞くのは常識です。ご主人様は人と話をするときも目を逸らしたり、もぞもぞしたりと、行儀が悪いと言いましょうか…きつくいえば、常識がないですかね。ご主人様、もっとしっかりしてください。」


「ごめんなさい…」


「話がそれましたが、ご主人様、後長くても1週間は我慢してください。」


「どうしてもなんて時があったら…?」


「性欲が貯まったらということでしょうか? ご自分で処理してください。依存症というわけではないのですから、簡単ですよね? ご主人様、私に嘘は無駄ですからね。」


「……はい。」


「ちなみに、今、どうしてもヤバかったら私に頼もうかなとお考えのようでしたが、以前にも話した通り、私には触れないでいただきたいと改めて言わしていただきます。ご主人様が嫌いというわけではなく、私自身の問題ということについては謝罪しますが、」


「か、考えてないよ!」


 明らかに動揺されてますが…ご主人様はやはり最近、私達のことを少々舐めているように思われる。謝れば許される、いざとなったらしばらく機嫌取れば何となると…あまりそんな態度では、エーアイはなんも言わずにいるでしょうが、シエル様やコチョウ様あたりはそのあたりは物凄くうるさいでしょうね、一番うるさそうなのはベラドンナでしょうか…


「そういうことにしておきましょう。ですが、約束を守っていただけないのでしたら私にも考えがありますのでそのつもりで。」


「エーアイ、いつも、俺にだけ当たり強い。エーアイよりもお前の方が数十倍ヒドイこと言う。」


「ご主人様のことを想っての事です。ご主人様にはまともな人間になっていただきたいので、いくらでも叱りますし、注意もします。ご主人様の母親のつもりはありませんが、ご主人様よりも大人のつもりですので、ご主人様の事を叱ったり注意したりさせていただきます。」


「大人だもん。」


「ご主人様は子供でございます。サクラお嬢様の方が大人だと私は思います。」


「毒舌!」


「ご主人様…逆ギレはみっともないですよ。」


「……」


 ご主人様を完全に倒すつもりは無かったのにやらかしてしまったパターンでしょうか…嫌われてなければいいのですが。ご主人様の環境的に、大人になっても今と大差ないでしょうが、本当だと社会に出て仕事をして、結婚して、子供が出来てという順番で日本で過ごされる筈でしたのに、ここでは、逆の子供が出来てから、結婚して、そして、社会に出る…という順番になってしまってますね。自分のことを叱ってくれる人なんて早々いないということをご主人様は理解していただけるのでしょうか…あの様子では、かなりへこまれてるようでしたが…心配です。

 後で、先程は度が過ぎましたと謝罪しに行くしかないですね。それのついでに、ご主人様の様子を伺うと…ベラドンナの所に戻ってなければ嬉しいのですが…戻られても、珍しくベラドンナの方が先にダウンして今も疲れており、ご主人様の相手どころではないでしょうけどね。





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