834 熱
今回ベラドンナ
今朝から色々な人が南の方に向かって行かれましたが…私は熱を出してしまった。体調管理はしっかりしているはずなのに…
「朝食を摂るのをすっかり忘れてたわ……ました。」
「……」
ご主人様がこっくり、こっくりと頭を上下に揺らしながら椅子に座って眠られている…
「あ、目が覚めた? フフン、いつかの仕返ししてやろうと思ってたのに全然起きないんだもん、参っちゃうよ。まぁ、目が覚めたならいいでしょう。うん。はい、あーん。」
「ご主人様、自分で食べれます。」
「ノンノンノーン、はい、あーん。」
いつかの仕返しとおっしゃられていましたが……ああ、アレですかね。。10年以上も前のことを根に持たれていたのでしょうか? 根に持つとは少し違いますね…そんなに恥ずかしかったのでしょうか。ご主人様が私にご奉仕して下さるのでしたら悪くはない・・・
「わかりました。」
口を開けて待っていると、ご主人様はしっかりと食べさしてくれた。
「美味しいです。」
「……俺が作ったわけじゃないよ? ……あれ、恥ずかしくないのか。そういえば、それ程抵抗しなかったな…逆効果? でも、あんなに恥ずかしかったんだから、そんなわけないよな…」
「どうされました?」
「ん? はい、あーん。」
ご主人様に食べさしていただけるとはこれはヤバいですね…まさに、幸せの中にいるような感覚です。ご主人様はどうやら、恥ずかしがっている私を見たかったようですが…フフ、残念でしたね。
「んん……恥ずかしくないの?」
「愛しのご主人様に食べさしていただけるのでしたら一生こうしていても構わないと思う程に幸せにございます。」
「っ…そ、そっか。」
なぜ、ご主人様は顔を赤くされたのでしょうか……ご自分のしていることが逆に恥ずかしくなったと言ったところでしょうか? ご主人様には言えませんが、恥ずかしがりなご主人様は可愛らしい。コチョウ様の仕草の1つ1つが可愛らしいのと関係あるのかも知れませんね。
「もうなくなっちゃった……おかわりいる?」
「いえ、大丈夫でございます。」
「そう……」
「ご主人様は何故私の看病をしてくださるのですか? とてもうれしいのでずっといていただきたいと思ってしまいそうです。」
「え? べ、別に…別に働きまくって倒れたんじゃないかとか思って心配になって見に来たわけじゃないから! ホントに違うから! マジ!」
「そういうことにしておきますが……私は理由を知りたいですね。」
「…病気でもこれなのか……意地悪な奴だ。はいはい、心配だから見に来たんですよーっと。」
「ご主人様はもしかしなくても、ツンデレでございますね。」
「ち、違うわい!」
プイッとそっぽを向いたご主人様だが…チラッと目でこちらを見ている。
「ご主人様、左手を見せていただけますか?」
「ん? はい。」
ご主人様は何にも疑わずに左手を私に見せて下さった。ご主人様の左手はとてもきれいで、女性の様な整った繊細な手をしていて、ごつごつ感は全くない。おまけにすべすべでもちもち…薬指に指輪ははめておられない。そういう風習はない世界ですが…結婚した相手になにかを送る風習はある。シエル様あたりからは指輪位は貰ってそうですけど…元のご主人様も手にはあまりアクセサリーを付けたりしないお方でしたね。
「ご主人様……指輪をはめてもよろしいでしょうか?」
「指輪? いいよ。」
言質は頂いた…私は空間にしまっている指輪を取り出し、ご主人様の左薬指にそっと指輪をはめた。
「……式を挙げる気はありませんが、愛の証ですよ。」
「……うん。」
ご主人様は指輪をしばらく眺め、私の顔を何度か見られた。
「綺麗な指輪だね…」
「ありがとうございます。」
ご主人様は嬉しそうにしてくださってる…
「ベラドンナはもう少し寝たほうがいいんじゃない? 朝ごはんまだだし。」
「私のためにお時間を割いていただきありがとうございます。」
「いいよ、いいよ。じゃあ、体には気を付けなよ? また倒れちゃうよ?」
「はい、気を付けます。」
「うん。結婚……」
「?」
「な、何でもないよ!?」
ご主人様はやっぱりチョロイのでは…? ご主人様はなぜあんなにも直ぐに顔を赤くして、恥ずかしそうにされる。案外私が本妻になれるのではないかとしょっちゅう思わされる。今も出て行くと言われたのになかなか出て行かれない。
「……ご主人様?」
「ん? 寝ないから……」
「……朝食の時間に遅れますよ?」
「そうだね……」
病気というわけではないと思うのだが…熱が出ただけで、既に熱は引いてきましたから……ご主人様をこの場で半強制的にというのもありですね。してしまいましょうか…
「ご主人様……少し体調が優れないのでこっちに来ていただけるととてもうれしいのですが…」
「うん?」
ご主人様は何の疑いもなくこっちに帰ってきた。そして、私はご主人様が私の手の届く範囲内に入ってきた瞬間抱き着いてみた。
「えっと……寂しかったの?」
「いえ…もう少し、ご主人様のお傍に居たいと思ってしまいましたので…」
ご主人様は私が抱き着くといつも無表情にしようとしているが…嬉しそうにされる。今も私の胸の中で顔を真っ赤にされている。ご主人様はいつまで経っても初心で、恥ずかしがられて…可愛らしく思える。しかし、ご主人様は私のことをどのように思われているのでしょうか…ご主人様とは5つ位年の差があり、r-愛でさえ2つほどしか離れていないというのに…
「ご主人様は私のことをどのように思われていらっしゃいますか?」
「好きだよ…」
「そうではなく…ご主人様は年上の女でも構いませんか?」
「えっと…ベラドンナって、大学生ぐらいでしょ? 大丈夫だよ…」
「歳の事ではそれ程心配していたわけではありませんが…そう言っていただけるととても嬉しいです。」
「ベラドンナはちょっと年上のお姉さん位だから…大丈夫だよ。」
「ご主人様……」
ご主人様はこっちを見たまましばらくじっとされている。その顔は何でもしていいよと言ってるようにも思える。キスをしてみましょうか…
「……顔赤いよ?」
「ご主人様がキスをされるからでございますよ。」
「してきたのそっちじゃ」
再びご主人様に強引にキスをして黙らしても何も言われない…それどころかご主人様の方から舌を絡ませてこられた。
「貯まっておられますか? 私でよろしければ、お相手させていただきたく思います。」
「……しんどいんじゃないの?」
「適度に汗を掻いたほうがいいのですよ。ですので、一緒に…」
「言い訳作るの上手だよね…後仕草もセコイ。」
セコイというのはどういう意味なのかわからないが…ご主人様はどうやら乗り気のようですね…私とすることには抵抗が少なくなって来られているのでしょうか。リリアナ様は無理矢理始めると言ってましたが…リリアナ様の無理矢理というのは、優しいのでしょうね…ご主人様はリリアナ様とされた時はとても機嫌も良く、何でも手伝って下さる。何をすれば、ご主人様をあんな風に骨抜きにできるのでしょうか。




