829 告白
今回ホワイト
数日程経っても未だにエーアイはご主人様の所には行かない。
「……いくら、ご主人様がお優しいとはいえ、流石にお怒りになられるのではないでしょうか?」
「……」
エーアイは黙って、椅子に座り紅茶を飲んでいる。
「…そのまま行かないまま、生まれた時にどうご主人様に説明するつもりですか?」
「……」
「はぁ…なにか言っていただかないとあなたの真意が私には伝わりませんよ?」
エーアイは黙ったまま…行くつもりだったが、もう手遅れだとでも思ってるんでしょうね。エーアイの顔色はいつも通りではあるが、大丈夫なのかと聞かれたら大丈夫ではないと答えるのではないでしょうか? 精神的に参ってるという感じでしょうか。
「あなたが責任等を感じる必要はないと思いますが。ご主人様もあなたもまだまだ若いのですから、多少の間違いはあると思いますよ。」
「多少…で済みますか? あなたは私のことを若いと言いましたが、あなたもさほど年齢は変わらないでは?」
「私は……20は超えていますよ? あなたは精々19といったところでしょうか。」
「1000年生きて1つしか年を取っていないのですね。」
「そういうわけではありませんが…私の歳など関係ありません。あなたはご主人様の所へ行くべきなのです。確かにまだお若いご主人様に責任を取れと言ってるようなものかもしれませんが、ご主人様はそのような些細なこと気にしません。気にするとすれば、あなたぐらいですよ。」
「…ご主人様はまだ17です。ベラドンナでさえ、20になられるまでは……と言っていたのに、私は」
「確かに、前のあなたは20になられるまで待っていましたが…人間なのですから、感情に左右されることも多々あります。何も気に病むことはありません。」
「……」
感情的になった自分が後先考えずにした結果ご主人様に迷惑を掛けてしまった。普段であれば、直ぐにでも謝りに行けるのだが、もしも、降ろせなんて言われたら……と考えてるうちにエーアイのお腹はみるみる大きくなって…今じゃ、一目でわかってしまう程にまでなっている。本当にエーアイはどうするつもりなのでしょう。同じエーアイではありますが、同じ状況にならないと私がエーアイのような行動を絶対に取らないと言い切れる自信はありませんし…
「少し出掛けてきます。あなたは、余り体に負担を掛けないようにおとなしくしておいてください。」
「……」
エーアイはまた無言で空になった自分のティーカップに紅茶を注ぎ直した。今のはエーアイに言ったのがメインだが、周りにいるラミアちゃんの専属メイドやエーアイの専属メイドに向けて言ったものでもある。
彼女たちがエーアイが何か体に負担がかかることをし始めたら止めるようにと…
「それでは、留守は任せます。」
チラッとラミアちゃんを見ようと奥の部屋を覗こうかと思ったが、コチョウ様と同じように女優目指すと言って、今は既に現場に行ってしまったのでしたね…
「あ、エーアイ!」
「これは、ご主人様。丁度いい所に…」
部屋を出たらご主人様が近くを歩いていて、私の姿を見るなりこちらに向かってこられた。
「ん?」
「エーアイと会っていただけませんか?」
「エーアイと? 最近見なかったし…病気してたの?」
「いえ、病気ではありません。」
「……」
ドアを開けてご主人様を部屋に招き入れた。
「どうぞ。」
エーアイは早すぎる私の帰りにこっちを振り向いた。ご主人様の姿が見えるなりエーアイは、ササッと隠れた。
「……ご主人様はあちらの椅子にお掛けになってください。」
私がそういうと、メイドの一人がさっと椅子を引いてご主人様を座らせる準備をした。
「うん。」
「では、私はエーアイを連れてきます。」
「うん……紅茶? うーん…よくわからないからお任せします。」
ご主人様はお茶を用意すると言われ、何がいいか聞かれたようだが…相変わらずですね。
「エーアイ何を隠れているのですか? 私がわざわざご主人様を連れてきたのです。丁度いい機会ではありませんか。」
「わ、私は望んでなど…」
「ご主人様に対してそのようなことを言われるのですか?」
「ち、違います……このような姿をご主人様に晒すのが…その、恥ずかしいと言いますか」
「シエル様の様な事を言ってないで、ご主人様の所へ早く行った方がいいと思いますよ? ご主人様はあなたをお待ちのようですからね。」
「……ご主人様に嫌われてしまった場合は恨みますからね。」
「時すでに遅し……」
「!?」
エーアイはからかったつもりだったのですが……エーアイは本気で信じてしまったようですね。恥ずかしいとか言っていたのはどこにやら…ご主人様の前の席に座らさせていただきますとだけ言って直ぐに座った。そこまで心配する必要はなさそうですね…
「ご主人様……申し遅れましたが、子供が出来ました。」
「おめでとう。」
ご主人様は空気が読めない人というわけではないので、どうやら、現状を理解されたらしい。エーアイの顔を色をうかがい始めた。ご主人様がそんな気を使う必要はないいと思うのだが…
「その…ご主人様の」
「…どうしたらいい?」
「どうしたらいい…とはどのような意味でございましょうか?」
「え? よくわからないけど……シエルみたいに結婚しろってこと? あ、でも結婚はしているのか…」
「そのようなこと……け、結婚して下さるのですか?」
「シエルはそうしたけど……寧ろしないとぶちのめすぞみたいなこと言われたような気もするけど……エーアイの好きなようにしてよ。」
「ですが…ご主人様はあまりのも若すぎますので…」
「あれ……この世界って15で大人なんでしょ? それに、学校で習ったけど…若いから子供の流産率がとかあったけど…あれって、女子の話でしょ? 産むわけじゃないし……それに収入は、何とかするけど。育てることができない環境じゃないと思うよ?」
「それは……お金に関しては私はかなりありる方ですので、お金には困りませんが…その、たくさんお子さまがいらっしゃるのに、ご主人様が」
「ちゃんと育てるかって? 大丈夫だよ! リリアナの所にもいかないとダメだから、半分半分しか入れないけど、ちゃんと手伝えるよ!」
ご主人様はエーアイが産みたいと思ってるのを理解していたのか、そっちの方向でしか話を進めていかない。エーアイの好きなようにしてとおっしゃられて、エーアイが気にしていたことは何も言わない。ご主人様はやはり、寛大なお方です。
ご主人様はエーアイに怒りをぶつけたりせず、それどころか、ご主人様は怒りもせずに今後どうするのかという話をされている。ちゃんと父親していけますね…




