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交通事故で死んで女神に異世界に送られた3人は  作者: あかあめんぼ
未来編
828/957

828 エルと会話

今回リリアナ

「離れてくださいよ!」


「お前の方こそ離れたらどうなんじゃ? 人の旦那にちょっかいを掛けるのは良くないと思うのじゃ。」


「な! 私の旦那さんでもあるんですよ!」


「リリアナが1番妻じゃぞ?」


「一番最初に結婚しただけじゃないですか!」


「早い者勝ちじゃ。」


「私はリョウ様とちゃんとお付き合いしてから結婚したのに!」


「もたもたしてただけじゃろ。」


「言いたい放題ですね!」


「そりゃそうじゃ。お前に気を使う必要はないのじゃからな。」


「うぅ…そんなの酷いですよ…」


「リリアナは今は双子ちゃんがやっと寝てくれたから少しリョウと喋ろうかと思ったのじゃ。じゃから、ドアノブから早く離すのじゃ。」


「嫌です! 私が先に会うんです。」


「ムムゥ…頭の悪いやつじゃな。」


「頭が悪いのはそっちじゃないですか!」


「リリアナは高学歴じゃぞ!」


「成績の話なんてしません!」


「うるさい、うるさい! 今日はリリアナはお子様な気分なんじゃ! リリアナの方が優先度上じゃろ! お前、コチョウのくっ付き虫じゃろ! リリアナはリョウが唯一特別と言っている存在なんじゃぞ!」


「ただ、綺麗なだけじゃないですか!」


「持って生まれたものじゃ、結ばれるべくして結ばれたんじゃ!」


「意味わかんないです!」


 数十分ほどリョウの部屋の前でどっちが先に入るかでシエルと揉めている。中々シエルは折れない強情な奴じゃ、今日のリリアナはお子様な気分じゃからな、いつもみたいな大人な対応なんてしてられないのじゃ。それにしてもこいつ、リリアナよりもほんの数cmしかデカくないくせに中々のバカ力じゃな


「ゴリラ妖精め…」


「な!? ゴリラはリリアナ様じゃないですか! 脳筋!」


「脳筋じゃと? リリアナは頭はいいのじゃ!」


「火力ばっかりにステータス振ってるようなものじゃないですか!」


「圧倒的火力の何が悪いんじゃ。」


「悪いものは悪いんです!」


「理不尽じゃ!」


「リリアナ様にだけは言われたくありません!」


「ええい、もう! お前の様な不安定な奴と絡むのは時間の無駄じゃ!」


「な! 酷いこと言ってくれますね! 私のどこが精神不安定なんですか!?」


「そんなこと言ってないのじゃ…内心思って入るのじゃがな。」


「な! 言いましたね! いま、はっきりと言いましたね!」


「はぁ…わかった、わかった、わかったのじゃ…リリアナが引き下がってあげるのじゃ。お子様な気分が覚めてしまったのじゃ。」


「……私の方がお子様って言いたいんですか?」


「まぁそうじゃな。」


「私リリアナ様よりは年上です!」


「リリアナの方が年上じゃろ……リリアナもうすぐ40じゃし。」


「生きた年月の話じゃありません! 私もっと長いですからね!」


「お前が産まれたのは10年前と聞いておるのじゃが…どういうことじゃ?」


「確かに、産まれたのは10年前ですけど…もっと長い時間生きてるんですよ! 私は!」


 わけのわからん奴じゃな…頭が痛いやつとは前々から知っておったが…こじらせると大変じゃな。


「私は様々な時間を生きているんです! リリアナ様なんて、私の生きた時間で割れば0に等しいです!」


「なら、そのご長寿様のシエルが大人げないと思うのじゃが……」


「別にいいじゃないですか! 私まだ、そういうお年頃なんですよ! デートだってもっとしたいですし、もっともっとリョウ様と一緒にいたいんです!」


「リリアナの生きる時間の内のほんの少しの時間もおまえは許さないというのじゃな…リリアナは悲しくて泣きそうじゃ。」


「思いっきり笑ってるじゃないですか!」


「う~む……そういう顔つきなんじゃよ。」


「嘘! リリアナ様そういう顔つきなんかじゃないじゃないですか!」


「はぁ…リョウはおらんようじゃし、これ以上は時間を無駄にするだけじゃな。時間は有限じゃからな…双子ちゃんもそろそろ起きそうじゃ。リリアナは戻るとするのじゃ。」


「え…いないんですか? なら…私も行きますか。」


「お前邪魔したかっただけじゃろ。」


「違いますよ!」


「まぁいいのじゃ……」


 リョウの部屋から離れて行き通路を曲がると、シエルはリョウの部屋の前で大きなため息をついた後、どこかに飛んで行った。飛んで行ったと言っても、空に飛んで行ったわけじゃなく、どこか別の空間に飛んだという感じじゃな。突然音が消えたしな…


「お、リリアナ様じゃないですか! いやぁ~今さっき、シエルと会ったんですけど物凄く怒ってましたよ? リリアナ様に邪魔された! ってね。シエルを弄るのは構いませんが、ほどほどにしてくださいね。」


「エルか…お前らはパッと見わからないから嫌いじゃ。」


「いや、魔眼通してみて下されば一瞬でわかると思いますけど……魔力の性質違いますし。」


「リリアナたちも違うのか?」


「違うも何も、大リリアナ様とリリアナ様なんて見たらわかるじゃないですか、何のための大なんですか? 見た目の話ですよね? 大人リリアナ様って意味じゃないですよね? それに、大リリアナ魔力もってませんし…魔眼で見る必要ないじゃないですか。」


「う~む…」


 こいつらは同じシエルなのにどうしてここまで性格も何もかも違ってるんじゃろうな…


「どうかしましたか?」


 エルはきょとんとした顔でリリアナを見る。


「今さっきと言っておったが……シエルは今リョウの部屋の前から消えたところじゃぞ?」


「え? あー…まぁ、私は時間と空間の妖精ですからね。時空間を司る妖精です! なんかカッコよくないですか? シエルは時間の妖精ですけどね。つまり、私の方が上位互換なんですよ~♪ マスターとリョウ様なんてどっちもどっちですしね。ああいうタイプの人間は、完全な敵と判断したら怖いタイプの人たちですよ? マスターなんて普段はシエル程度の戦闘力しかないですけど。ミレイちゃんが何かされたとか知ったら怖いですよ? きっとそれはもう…鬼の様な表情で……」


「想像がつかないのじゃ。」


「ですね~、その時はマスターお得意の氷を使わないと思いますよ。残酷かつ冷酷な攻撃を着っとされるでしょうし? その点リョウ様はあれでしょうね~相手を一瞬で蒸発とかさせるんじゃないですか? リョウ様は戦闘力的には強くないですけど、温度が温度ですからね~♪ 膨大な熱エネルギーによって敵を消滅させれると思いますよ。計算上、リョウ様は熱である程度の距離まででしたら一瞬で蒸発させれると思いますし? 太陽でさえも、燃やし尽くすんじゃないですか? 燃やすという表現は少し間違ってますけど…」


「また、意味の分からん話をし始めおって…あれじゃろ? リョウは炎じゃなくて熱と言いたいんじゃろ?」


「そうですよ! ここの法則上、熱と炎は違いますからね! 炎は酸化減少ですし…リョウさの世界でも熱と炎じゃ違いますね…燃えているのと熱いのとではわけが違いますからね。燃えてても熱くないなんてこともありますからね! 炎は!」


「物理とか言っておったな…あれは理解に苦しむからやめてほしいもんじゃ。」


「リリアナ様の様な、理系の…これらのプログラミングをみて何してるのかわかるような人が物理苦手なんておかしいと思いますけどね?」


「ム…苦手ってわけじゃないのじゃ! そんな考え方はリリアナは知らなかっただけじゃぞ。」


「まぁ…確かにこの世界の考え方じゃありませんよね…ベラドンナ様はやりたい放題するために、色々としてますからね~、世界の管理者をも殺すなんてキチガイですよ、キチガイ! クレイジーメイドですよ!」


 エルはたまに意味の分からない事を言い始めるから…精神が不安定なわけじゃないのじゃが…どうしてじゃろうな、考えかたがおかしいんじゃろうな。


「おかげで、私も様々な世界を見れて嬉しいですけどね!」


「土産をよろしく頼んだのじゃ。」


「えぇ~……まぁいいですけど。それじゃあ私、行くところがあるので。」


 エルは、どこかに繋がっているのかわからないが変な空間の先に入っていった。




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