823 お嬢様リスト
今回シエル
「お嬢様リスト…一番上カランになってるんだけど。」
「ララ様は出て行かれましたからね。お嬢様ではありますが……リスト的にはこっちです。」
「ふ~ん…」
リョウ様はそういってはいたが、ペラペラと見ただけで終わった。お嬢様リストの方をゆっくりと見始めた。自分の娘の方が気になるということでしょうか…
「カランって能力炎なんだ…魔眼は、記憶と投影微妙だな。」
「正しくは物質炎ですけどね。リョウ様の燃焼型ではないです。気体を燃やしているのではなく、マスターの壊れない氷の様なものを炎で纏っているって感じが一番近いですね。炎そのものが固体で、壊れないのが事実です。」
「へぇ…」
リョウ様は楽しそうに読まれている。
「サクラ…能力現実、魔眼は詳細不明ってなに? 現実って何?」
「幻術の上位互換です…正式には有幻術というジャンルだったかと…」
「何それ…」
「現実に影響を与えるタイプの幻術です。ファンタジアってサクラ様は呼ばれてましたね。」
「魔眼詳細不明って何?」
「それが、よくわからないんですよ。恐らくは…解除、いや、それでは凍らせることが出来ませんね…恐らくは、停滞、停止系ですね。見た物の動きを止めるとか…それで相手の魔眼からも逃れるみたいでしたし。」
「そうなんだ。」
「そうなんです。」
ミズキちゃん情報なのだが、サクラ様は相手の能力で動きを遅くさせられたときに相手の能力を解除させたとか…それに含めて、凍らせたとかも聞きましたね。器用なんですね…リョウ様とそこは同じなんですね。リョウ様は器用貧乏ですけどね。
「ミズキは、増殖にレーダーか…」
「そうなんですよ!」
「ミズキのことはさっき聞いたからなぁ…」
リョウ様はミズキちゃんの所だけ見るだけ見て何も聞いてこなかった…どうしてなですか! 私の娘なのに!
「ラミアの星光ってなに?」
「星の光ですよ。闇と光が合わさった魔法ですね。合体魔法とかじゃないですよ?」
「へぇ…」
「破壊力のある魔法なんです。私がマックスパワーでぶっ放したらどんなものでも崩壊させれますよ。まぁ、付けないんですけどね。」
ラミア様の専用魔法の様なものですし、しかたないですよね。
「ふ~ん…ラミアは魔眼、素眼なの?」
「そうですよ。リョウ様と同じ眼ですね。」
「ふ~ん…カンナは? 魔法不明、魔眼詳細不明。ってなってるけど。」
「カンナちゃんは一回魔眼は使ってるらしいんですけど、詳細は不明なんですよ、本人に聞いても過去を覗いてもわからないんです。魔法の方は忘却系のを実は使えるんじゃないかと思ってるんですけど、実際はどうなんですかね。」
「さぁ…」
リョウ様が知るわけもなく首を傾げられた。
「ミレイは凄いな…」
「能力はオーバーパワー、魔眼は片目のみで詳細は不明。怒ると片目だけ赤色に変色させているので、魔眼は使えるのは間違いないですね。外部干渉があれば直ぐにでもわかるんですけど…ミズキちゃんと同系統ものかもしれませんね。自分だけにしか働かないような能力はわからないですからね。」
「オーバーパワーってかっこいいな。」
「過剰魔法ですよ。行き過ぎた力を酷使させる魔法とかなんじゃないですかね? マスターが怖いって言って使えないように魔力路を無茶苦茶にしたので、ミレイちゃんは残念ながら魔法は使うのは厳しいですね。常人の何十倍も魔力を必要とするはずです。」
「でも、魔法使ってるよな…バンバーンとか言って。」
「魔力量は多いんじゃないですか?」
「そうなのか…」
ミレイちゃんの能力が一番強い魔法だと思いますけどね。オーバーパワー…マスターもリョウ様も身体能力強化系の魔法を多く多用されるのでオーバーパワーという魔法が生まれるのは理解できますね。
よく考えると、子供たちの魔法ってリョウ様か私達の個性が混ざったり、受け継いだりしているのが多いですね。幻術はリョウ様…増殖はリョウ様、それ以外は母親との混合でしょうか?
どれも強い魔法なのは確かなんですけどね…リスタ様とクリス様がどんな能力なのか気になるところですけど、流石に赤ん坊相手になに化したりなんてことはできませんからね。まず、リリアナ様が許してくださらないでしょうし、リリアナ様に頼むのはちょっと怖いですし…リリアナ様は悪くはないんですけどね、弱みを握られるような感じでなんかヤなんですよね。




