821 朝の雑談
今回シエル
…リョウ様はベラドンナ様と仲よく帰ってこられた。コロコロ傍にいる人変えて本当に浮気者です。
「……リョウ様お帰りなさい。」
「うん。」
「帰ってきたときの返事はうんじゃなくて、ただいまですよ?」
「え? あはい。」
「…リョウ様大丈夫ですか? なんだか、ぼーっとされてるような気もしますけど?」
「そんなことないよ。」
ベラドンナ様は隣でニコニコされている。リョウ様と何かあったのは確かだろうが…セックス位してもこの人がニコニコしてるとは思えないし…じゃあ、なにしたんでしょうか? 結婚…でも、此間にベラドンナ様が今のリョウ様は子供過ぎて結婚は出来ないって言ってましたし。じゃあなんでですかね?
「そうですか…もう、ミズキちゃん学校に行っちゃいましたよ? ご飯もみんな食べちゃいましたし…」
「食べてきたから平気だよ。」
「そうですか…」
「ご主人様…」
「え? もういいよ? お仕事あるんでしょ? 頑張ってね。」
「はい、ありがとうございます。」
ご主人様も頑張ってくださいといってベラドンナ様は立ち去られた。
「……なんだよ。邪魔なんだけど…」
「いえ、ベラドンナ様になにしたんですか?」
「何もしてないけど…」
「エッチしてきたんじゃないんですか?」
「お前に関係ないじゃん……」
「ありますよ…だって、私…リョウ様の嫁ですもん。」
「……うん。」
リョウ様は気の抜けた返事しか返さない。
「あの…」
「なに?」
「私のことどう思ってるんですか?」
「……どうって?」
「好きとか嫌いとか…」
「嫌いだったら話すとは思えないんだけど…」
「嫌いじゃないってことですか? まぁいいです。」
「はぁ…今日もいい天気だね。」
「そうですね。」
リョウ様は窓の外の景色を見てぼやいた。
「そういえば、ベラドンナから聞いたんだけど、ミズキって魔法使えるんだね。」
「エルが光攻撃魔法を教えてましたからね…」
「へぇ…」
「攻撃魔法って言ってもただの光の球を飛ばすだけですよ? 大した魔法じゃないです。魔力をそのまま飛ばすよりは効率がいいかなぁ~ってぐらいの代物です。」
「でもそれでも強いって言ってたけど…」
「ミズキちゃんは私たちから産まれてるんですからね。両親がこんなにも魔法をたくさん覚えているんです。ユニークと言いますか、オリジナルと言いますか、ミズキちゃんだけの専用魔法なんてものが生まれつきあるんですよ。」
「便利だね。」
「魔眼もリョウ様の素眼のおかげで大体のお嬢様は持ってるんですよ?」
「持ってないのもいるの?」
「クリス様が持たれてなかったです。」
「クリス? リリアナの双子か…元気なの?」
「やんちゃしてましたよ。リリアナ様が叫んでましたから。」
暴れるなと言ってるじゃろ! とか言っておむつ変えるの苦労してましたね。
「そういえば、ラミアとかカンナとかミレイとかもあるの?」
「あるみたいですけど…ミレイちゃんは魔眼は片目だけありますよ。用途不明ですけど。」
「片目だけ?」
「片目見えてないとかじゃないんで、大丈夫です。」
「あっそ…」
「カンナちゃんは一回使ったらしいんですけど…それっきりですね。専属メイドのユキ様なら見たことあるかもしれないですけど…う~ん、ユキ様が専属になられる前の前の専属の方でしたっけ? よく覚えてないです。」
「時間の妖精(笑)みたいな存在なのにね。」
「バカにしましたね!」
「したよ?」
「いっちゃダメな事とかあるんですよ!」
「うん。」
「うんじゃないですよ!」
「えぇ~……」
「もう! さっきからからかってなんなんですか!」
「いや、シエルがプリプリしてるからなんでかな…って。」
「もういいです。部屋でゆっくりしててください。変態。」
「変態!? 何もしてないし、言ってないよね!?」
「してたじゃないですか……こんな時間までどこで何してたか言って下さいよ。」
「え……別にいいじゃん。」
「よくないですよ…私っ寂しかったです。」
「お前かよ…」
「私じゃなんでダメなんですか?」
「ダメって何が?」
「全部です! 私料理、裁縫、子育て、勉強、何でもできますよ?」
「え? うん。」
「それに一応、私もマスターみたいに美術を教えれますし、生物も教えれます。」
「凄いじゃん。なんでやってないの?」
「研究者だからですよ! リョウ様のバカ!」
「……」
リョウ様はあっそと言って部屋に向かおうとした。
「あ! 酷いですよ! ね! 聞いてるんですか!?」
「聞いてるよ、うん。」
「うん、うん、うん、うん、うんってうんしか返事できないんですか?」
「ううん。」
「うが一個増えただけじゃないですか! バカ!」
「もう部屋の前なんだけど…入る?」
「な!? 朝からですか!? だ、大胆になられましたね…」
「ち、ちがうよ! 勘違いすんなし! 部屋に入るかどうか聞いただけだろ! バカはお前だバカ!」
「な! 期待させるようなこと言ったのリョウ様ですよ!」
「期待してねーじゃん!」
「してたんですよ! そんくらい察してください! バカ!」
「わかった、わかった。で、入るの? お茶ぐらいきっと出せると思うけど…」
「じゃあ、お願いします。」
「わかった。」
リョウ様にくっ付いて部屋に入ると専属メイドがお帰りなさいませご主人様と言って出迎えていた。部屋はゴミ一つ落ちていない。綺麗な床でキラキラと輝いているように見える。壁も窓も全部が全部輝いている…
「どうしたの?」
「お部屋が綺麗でしたので見とれてただけです!」
「この二人が掃除してくれてるんだよ。」
ぺこりと二人のメイドがお辞儀してきたので私も会釈しておいた。
「やらしてるんですか?」
「やってもらってるの。命令してないから……良かったら綺麗にしててねって頼んだことはあるけど、掃除してなんて言ったこと無いもん。」
「そうですか。」
「ご飯作ってはあるけど…」
「私が作りましょうか? 流石に、エーアイ様の様な豪華な料理は作れませんが…エーアイ様にも負けないような美味しいご飯を作ってるつもりですよ?」
これでも毎日、ミズキちゃんのお弁当を作ってるんですからね!
「へぇ…シエルって案外家庭的なんだ。」
「案外!? 普通に家庭的ですよね!?」
「シエルメンドクサイイメージしかなかったから…」
「そ、そうなんですか…自重します。」
「へこますつもりじゃなかったんだけど…」
「いえ、うざいと思われてるのは少しはわかってましたから…」
「少し…」
「傷口に塩を塗りたくるのをやめてもらっていいですか?」
「え!? ごめん…」
「冗談です。べつに気にしてませんから。」
「え…ごめん……」
しばらくは、リョウ様の部屋で何もせずにリョウ様と雑談をしていた。




