817 外
今回カンナ
「今日はお外綺麗だネ!」
「そうでございますね。」
「ミレイ、楽しいヨ!」
「そうでございますね。あまりはしゃがれるとお疲れになられますよ?」
「ミレイ大丈夫ダヨ!」
「ミレイお嬢様、お待ちくださいませ!」
「待たないヨ!」
チョロチョロとミレイは走り回っている。
「捕まえましたよ!」
「捕まった! 今度はミレイが鬼の番ダヨ!」
ミレイはメイドと鬼ごっこをしている。メイドも良く付き合ってくれるものだ。さすがはミレイ専属メイドなだけはある。
「おねーちゃん、一緒に鬼ごっこしようヨ!」
「私やらない。ここで、見てるからミレイ楽しんでおいで。」
「わかった!」
「ユキもミレイの相手してあげて。」
「かしこまりました。」
ユキはミレイと、ミレイの専属メイドのヒカリの方に向かっていった。ユキとヒカリはメイドの中で唯一茶色と緑系統の髪じゃない。ユキは白で、ヒカリは金色。2人とも、人間で8年ぐらい前孤児だったらしい。ラミアの母親が孤児の子供や、貧乏な村の子供に勉強や社会常識を教えていたらしい。最近じゃ、土地ごと買って、そこに学校を作っているらしい。ラミアの母親の持つ領地内では5歳から15歳までの子供は強制的に勉強をやらされるらしい。やることはラミアのやってることとかに比べると大したことはないが、読み書き計算、その他もろもろを覚えれるのは凄いと思う。全部タダらしいし…
「ミレイはバカで羨ましいなぁ…」
ヒカリを捕まえようとして追いかけているとこけてしまって、泣いたり。ヒカリに大丈夫ですよ。と言って抱っこされるなり、直ぐにご機嫌になったり。本当にガキンチョだ…
「ミレイのおひざきれいになったヨ!」
「あのくらいの軽い怪我でしたら、いくらでも私は治せます。」
「ヒカリしゅごい!」
「エーアイ様に教わりましたからね。」
「ラミアのお母さん、しゅごい!」
「あの方は、とてもお優しいのですよ。」
「ミレイも優しいお母さんになるヨ!」
「お嬢様は、お嫁さんになるのが夢ですか?」
「そうだヨ! ミレイおよめさんなる!」
「お嬢様でしたら、素敵なお嫁さんになれますよ。」
ユキは何もしゃべらないが、ニコニコとミレイを見ている。
「ミレイ、もうお嫁さんなれるヨ!」
「好きな人でもいらっしゃるのですか?」
「そうだヨ!」
「旦那様ですか?」
「違うヨ! ミレイは、お姉ちゃんたちのおよめさんになるんダヨ!」
「女性同士ですが…」
「大丈夫ダヨ!」
ヒカリとユキは何といえばいいのかわからずに戸惑っている。ミレイのアレは、確実にお母さん達が原因だと思う。お母さん達、そういうことしてるって聞くから。お母さんに聞いても、まだ早いですよしか言わない。
「お嬢様、戻りました。」
「もういいの?」
「はい、ミレイお嬢様が今度はブランコに乗るとおっしゃられておりましたので。」
「ふ~ん…」
「お嬢様は、本当に絵がお上手ですね。将来は絵の仕事をされるのですか?」
「10年後の話? まだ、決めてないよ。」
「そうですか…しかし、6歳のお嬢様が既に、プロの人と変わらない絵を描かれるのですから私は将来が楽しみです。」
「2次元に描くのはやめてると思うよ。」
「次元とは、どういったものでしょうか…私は、他のメイドの方とは違って…」
「いいよ、知ってる。2次元は線だよ。」
「線でございますか?」
「そう。3次元が空間。4次元が…忘れちゃった。でも、お母さんは知ってるよ?」
「お母様がですが?」
「そうだよ、お母さん。お仕事何か聞いたら無職じゃないですよってうるさいから、なにしてるのか聞いたら、学者さんだって。」
「お母様はよくお昼頃、お館から出て行かれてますからね…その時にお仕事をされているのでしょう。」
「そうなんじゃないの?」
「そうでございますか…」
ミレイの笑い声が聞こえる。
「楽しいネ!」
「それは何よりでございます。」
ここまでミレイはガキンチョで本当に困る…本当は誰も面倒なんて見たくなかったんじゃないのかと思う。
「楽しいヨ!」
「…お嬢様はブラン乗られないのですか?」
「私、ブランコなんて乗らないよ。」
「ミレイお嬢様は楽しそうでございますが…」
ミレイは、ヒカリに押してもらって嬉しそうだ。
「私はいいの。」
「そうでございますか…」
「ユキはなんで、私なんかの専属メイドやってるの?」
「確かに、他の人とは違って仕事も完璧ではありません。不服でございますか?」
「私以外にもいたでしょって話。私、悪戯しまくってたけど…嫌われるほどじゃないと思う。」
「…申し訳にくい事なのですが、ミレイお嬢様とお嬢様は人気がなく、直ぐに就くことができるので、専属メイドをさせていただいております。」
「給料良かったの?」
「専属メイドは多少は…」
「ふーん…」
「ミレイお嬢様とお嬢様は嫌われているわけではないのですが、お嬢様の場合は仕事がなさそうということで、人気が無かったのです。」
「私、そんなに迷惑かけないってこと?」
「はい。お嬢様はとても賢いと有名ですので。」
「ラミアと比べたら大したこと無いけどね。」
「同じ年でしたよね?」
「そうだよ、でも、私の方が誕生日遅い。ミズキ姉とサクラ姉みたいな感じ。」
「あまり仲は宜しくないと聞きますが…」
「そんなことはないと思う。会えば話す。でも、会いに行こうとは思わない。」
まぁ、学園とかもラミアは行かないだろうし…行ったとしても、別のところに行ったりするんだろう。
「お姉ちゃん! 楽しかったヨ!」
「ならよかったよ。」
「おうち! おうち帰ろ!」
「わかったよ。」
「お姉ちゃん、ミレイといつも遊んでくれるネ!」
「暇だからね…」
「ミレイ嬉しいヨ!」
「それはよかったね。」
メイド2人はなんか喋ってるなーって思っていたらいつの間にか話すのをやめていた。ミレイがどうだった程度の会話しかしてないのだろう。
「ミレイおうち帰ろうか…まだ、お昼には早いんだけどね。」
「ミレイ、お腹すいた!」
「そっか。」
「今日、皆集まるんだよネ!」
「いる人だけだけどね…」
「ミレイ嬉しいヨ! お姉ちゃん達みんな集まるからネ!」
ミレイはどうしていつもこんなにやかましいぐらい元気なのか…




