61 王都生活5日目朝 依頼に出発した。
今回は今井君視点。
「先輩朝ですよ。」
「うむ、最近はこの時間帯に目が覚めるようになってきたぞ。」
「前も似たようなこと言ってませんでした?」
「気のせいだろ。」
俺は先輩より先に宿屋の外に出た。
「リョウ、おはよ!!」
「ジンジャーか、もしかして待った?」
「今着たとこよ。」
ジンジャーは朝の方がテンション高いんじゃないのか?
「もしかして出発か?」
「そうよ、今日も私の運転だけど・・・大丈夫?」
「ジンジャーの運転は全然揺れがないから乗り心地いいけど?」
「ならいいわ。じゃあ、乗って。」
「わかった。」
いつ見ても魔動車(赤羽根さん命名)は二人で乗るには向いてないサイズだよな・・・。中も広いし。
「じゃあ、出発するから。」
「朝から移動ってことだけど・・・どのくらいかからるの?」
「3時間くらいよ。」
「そんなにかかるのか・・・。」
お化けって夜のイメージがあるんだけど・・・。
「あの・・・今日朝ご飯食べた?」
「いや、今日は食べてないな・・・。朝は赤羽根さんが作ってくれるんだけど・・・どこで作ってるんだろ?まぁいいか、今日はまだ寝てたからほっといたけど。」
「その人とはどういう関係なの?まさか・・・夫婦?」
「赤羽根さんとは俺はそういう関係にならないと思うけど・・・。」
「そんなに、本気にしなくてもいいのよ。ちょっと気になったから聞いてみただけ。」
「あそうなの?それで、朝食べてないけど・・・どうかしたの?食わなくても俺は平気だけど?」
「い、いや、あの・・・その・・・。」
ジンジャーは弁当か何かを作ったのか、もしくは、どこかで一緒に食べたいってことか。
「まさか作ってきたのか?」
「・・・。」
これを図星っていうのか?ジンジャーにもかわいらしいとこあるんだ。
「ジンジャーの作った料理楽しみだなー。」
「その、味の方はあんまりだけど・・・いいの?」
俺が断らない人間ってことを知ってて持って来たんだよね?じゃないと持ってこないよね?俺は先輩みたいに超鈍感キャラを目指してるわけじゃないから。先輩は天然のものだけどな。鈍感な人って、人の感情読むのが苦手な人なんでしょ。
「大丈夫、ジンジャーの作ったものなら食べるよ。」
こういうのは、先輩みたいなイケメンが言うセリフなんだろうけど・・・。
「どーしてもっていうなら、私が食べさしてあげるわよ。」
「おれ、子供じゃないから一人で食べれるよ・・・。」
「そ、そうよね。変なこと口走ってごめんなさい。」
「気にしてないから、大丈夫だよ?」
「・・・。」
いきなり食べさせるとか・・・日本にいたバカップルの絵じゃないですか、ヤダー。バカップルまで行くとさすがの俺でも引くかな?
「まぁいいけど、今日の依頼って夜やらなくていいの?ゴーストって夜行性とかじゃないのか?」
「夜行性よ・・・。ちょっとぶらぶらしたいなぁって思って・・・。」
「なるほど。」
ゴーストは夜行性だったのか。
今回は特に書いとくことはないと思います。




