524 研究生活15日目夜 運命は絶対
今回シエル
「マスターの時は水晶玉の中に映像が見えてたんですけど・・・おお、見えてきましたね。」
何処でしょうかここは・・・王都ではないですね、どこかの土地なのは確かですけど。
「これは、まさか・・・」
「何か分かるんですか?」
「俺は見捨てられてこんな場所に捨てられるということなのか・・・」
「その場合は私が養ってあげますよ。」
「悲しいな・・・」
「まぁ、、まだ途中ですからね。」
明日位にリリアナ様あたりに弄られてるところでもと思ったんですが・・・明日でこんなところにいくんですかね?何もないところで何でしょうか?自殺とかじゃないでしょうね?家出・・確かに振られた相手がいる場所でしかも毎日、ご主人様と言ってくるような場所で生活したら、リョウ様のメンタル持つんでしょうか?家出ならありそうですね・・・
「今何か、別の何かが写りましたね・・・思えば、先程からリョウ様は若干前を見てるというよりは上を見てますよね・・・これ、アングルとか変えれないんでしょうか?正面から見ても理解できませんよ。」
「俺に言われてもなー。」
「あ、リョウ様が昇天を使って羽根を出しましたね・・・移動する気でしょうか?」
「いや、移動に俺の出せる最大数の4枚羽根も使わないよ・・・後ろみてたとかじゃないから、誰かから逃げてるわけじゃなさそうだし。」
「そうですよね・・・あ!今度はちゃんと映りましたよ・・・誰ですかね?この人・・・」
「いや、戦闘態勢に入ってたんだから敵でしょ?全然まともな運命じゃないよね!?」
「そうですね・・・家出した挙句、変な人に絡まれるとは・・・つくづく運がないですね、運命なんて私が捻じ曲げてあげますから、明日は私と一緒にいましょうか?」
「俺はそこまで慰めて欲しいわけじゃない!」
「そうですか・・・ちょっと残念です。」
「え・・・?」
「あれ?どうかしましたか?」
マスターもチョロければ、リョウ様もチョロイんですね・・・今ので気になる要素ありましたか?
「でも、戦闘とは穏やかじゃないですよ?」
「喧嘩・・・ってわけじゃ無そうだし。明日は部屋に引きこもる。」
「そうしててください。部屋のドアにほっといてくださいって張り紙しとけば、リリアナ様以外は関わってきませんよ。」
「リリアナは流石だな・・・」
「それがリリアナ様ですからね!」
穏やかじゃないとは言いましたが・・・私の未来視でもそんなの見たことないですけどね、でも、見えないところがあるのが事実なんですけどね、10秒ぐらい先ならはっきりと見えてますし。運命というのは知ってしまったらそれからは逆らうことは出来ない・・・知らなくても一緒ですよね。
「未来視が出来ない元凶なのかもしれませんね・・・こいつが。」
水晶の中の映像はこの人が映ったところで止まってるようですが・・・
「そういえば、明日の運命を占ってたんですよ・・・水晶の中じゃ、昼か夜かはわかりませんが・・・」
「どうかしたの?」
「リョウ様は感知能力・・・と言ってもここからだいぶ遠く、東の国の北の方の魔族領の辺りですね。」
「お前、人工衛星でも飛ばしたのか?怖いぞ・・・」
「・・・7、8、9、10。恐ろしいですね・・・こんな連中がいるとは。」
「だから何があったの?」
「なるほど、運命は絶対というのは納得しました。日付、いつの間にか変わったんですね。この部屋に来てから時間結構経ってますし。」
「あ・・そういうことか・・・敵襲か。でも、エーアイもベラドンナも何も言ってなかったけど。」
「知らなかったんですよ、あのお二人がわざわざ私みたいにこの世界中のどこに何があるかまでは知り尽くしてるわけじゃないでしょうから。私はエーアイ様よりも人工知能としては優秀なんですよ?戦闘系はあのお二人には及びませんが。」
「なるほど、シエルは便利系ってことね。」
「少なくとも、あなたよりは私戦えますからね?でも聞いて驚いてください、この10人ほどのうち3人はリョウ様の気配に似たようなものを持てますが・・・汚れてますね。リョウ様ほど澄んでませんね。リョウ様と同じ、日本人なんじゃないでしょうか?それとも・・・」
リョウ様の分身体なんてこともありえそうですし、未来視が出来なかったのは実は、未来から来たリョウ様達が暴れるから・・・とかでしょうか?
「日本人なら、10人もいたらおかしいでしょ?連続殺人レベルじゃん。」
「一斉に来たのなら、テロとか、かも知れませんけどね。」
どこの誰だか知りませんが、リョウ様が戦う前に偵察しておきましょうかね。戦うのは絶対みたいですし・・・リョウ様を隔離しちゃえば、関係なさそうですよね。この世のすべてから切り離しちゃえば・・・治せなかったら、私が殺されそうなんでやりませんが。
「取りあえず、見てきますね・・・」
「一緒に行こうか?何かしら役に立てるかもしれないし。」
「・・・リョウ様にできることは大抵私にもできます。なので、大丈夫です。」
「ケチシエルめ・・・何かあっても知らないからな。」
「私に何かあるわけないでしょう?」
「あっそ。」
このレベルの人が10人もいたら勝ち目はないんですけどね・・・1人でベラドンナ様位の人とかが数人混ざってますし。戦えばやられそうですね。取りあえず、近くに転移しときますか。
「『転移』」
「あ・・・ホントに知らないからな。」
何か、言ってたみたいですけど・・・やっぱり王都よりも北の方にあるだけのことはありますね、寒い。




